オーバーヘッドキックはヘディングで良いんじゃね?

高校サッカーをずっと見てたんですが。オフサイドがあればオフサイドトラップが有り、トラップに引っかからなくなると相手陣地に攻め込んでいるのに相手にボールを蹴って渡すしか無くなる場面なのかな、せめてダメもとでもシュートした結果がディフェンスに捕らえられたのか、細かいことは分からない部分もあるのですが、多分どのチームも地域の代表であって弱いチームを相手にしたら得点できると思うんですが、サッカーの強いチームと強いチームがぶつかったら得点が1対1から5対5になるわけでなく、やっぱり1対1になるスポーツなんだなと。バスケとは違いますね。

格闘ゲームもストIII3rdは特にそういうとこあるよなと。両者が上手くなると攻め方守り方が意地悪くなるので素人目になにやってんのかわからない駆け引きになる。自分はプレイヤー側に立っているから見たら分かるを自負していたんですけど、3年くらい前のカプエス2の大会動画を見て「ああ、これ既に3年前に終わった駆け引きなんやな」と思うシーンがありました。

例えて言うならサッカーのオーバーヘッドキック的なことを見せたら盛り上がるかもと思っていて、宙返りして結果蹴れずに失敗してコケて怪我して、周りを見たらみんなヘディングシュートの練習をしているという。合理化が進んだゆえに消えたテクニックてのがあるんですよ。まあ、古典的って言うか古い手って言うか。

今日のサッカーの試合は5得点の学校があって、とても満足しました。強えよ!格闘ゲームでも店によって集まるプレイヤーのレベルとかあって、奈良なら1店舗しかなくても東京だと同じゲームでも強い店でやると勝てないプレイヤーが自信を取り戻すために弱い店に行って連勝して帰ってくるみたいな話を聞いたとき東京は恵まれてんなと思ったものです。

しかし東京に行ってみると動きを一度見せると上手いプレイヤーは使える動きだと思うと秒速で真似てきて、日本ではD44はAさくらベガブラを「ときど」に取られて目立たなかったけど、アメリカ遠征滞在で色々の都市をまわって記録を作って帰ってきましたよね。ピース綾部がどうなるのかは知りませんが、俺も奈良であっためてアメリカで初めて見せたものは評価されたんですけど、東京で見せたことをある動きなら海外のプレイヤーでも「リョーチン?」「ケースケ?」と尋ねてきて「キョースケ・ミヤザワ!」とか「カーメン!」とか言って頑張って売名してきました。

日本のプレイヤーは情報交換が盛んで格闘ゲームはただ上手いと下手が器用不器用とか反射神経で決まるのではなく、同じゲームの繰り返しなので展開によって同じ場面になった時どう動くかが幾重にも練られていて、情報が新しい方が勝つってこともありますよね。ネットがあるから大会などで動画になったあとは田舎で見て研究している人と都会の人と変わらない部分もあるけど、やっぱ野試合をたくさん見れる東京に利がある部分と、のびのびやれる田舎のほうがわけなく自信を持っていて、それはもしかしたら東京では何周か回って無くなった選択肢なのかもだけど、東京育ちが結果としての新しい動きしか知らないゆえに面食らって一発入れるってこともあるのかなと。

まあ、東京での一発に二度目は滅多に無いのも特徴なんですけどね。高校サッカーもずっと見てるとゴール前で分けなく跳んでコケている選手の動きが俺には「もしかしてパスこいオーバーヘッド?」に見えて一瞬楽しい気持ちになりましたよ。学校とか選手の名前とか残念ながら覚えてないけど、俺もちゃんと見てたからね。

平成30年最初のカプエス2(Pロレント響ガイル)

CAPグルーヴのガイルのバックステップは終わり際に硬直があって使いづらいと思っていたけど、次のステップをタイミングよく入力するとステップの硬直をキャンセルして次のステップに行けることに17年してから気づいた。

何もかものクセを全部崩して動かしてみたり、対戦に明け暮れていた頃のセオリーを思い出して再現してみたり、ということをやりながらグルーヴポイントも可能な限り稼いで裏ボスを出してクリアを目指すという遊び方。K神豪鬼、(普通の)C豪鬼、C神豪鬼の3回ノーコンティニュークリア。ラスボスがKの時も安定して勝てるのは進歩かな。

トレーニングモードでコンボの練習ばかりしていた頃よりコンボの精度は落ちている。その代わりに試合内容は格段に良くなっている。カプエス2には苦い思い出があって、ひとりで遊んでいてもそれがぶり返して何度やり直しても気持ちの埋まらない部分があったんだけど、近頃ようやくその得体の知れない虚無感が癒やされてゲームを終えた時に満足感が残るようになった。

既に攻略が煮詰まって強いキャラの分かっているゲームなら強いキャラを取れる。そしてカプエス2の場合D44のアメリカ滞在時代のA豪鬼ベガブラの活躍が羨ましく強いキャラだと思いこんでいた時期もあった。それが実は思い込みと勘違いかもしれず、グルーヴと相性の良いキャラがグルーヴ毎に違ってまだ手のつけられていない余白のあるゲームだと最近では思えるようになってきている。

何かを結論付けるにはまだやりこまれていない領域がある。その辺を詰めていってる感覚がやりがいになってるのかな。ストIII3rdのレミーとかストZERO3のナッシュか、それよかもっと良い位置にPガイルで行けんのかなって。

やってみてダメだったってわけでなく、カプエス2以前のゲームは自分の腕を信じてどんなキャラでも不利でもなんでも勝てると思ってやっていたけど、カプエス2だけは全国1位のために有利なキャラが取りたいと思って、そのために有利なキャラを探そうとキャラを試してゲームを測ろうとしてたんだろうな。それが、はかり知れない所があって、ただ他のゲームと同じように好きなキャラを好きなように遊んでいたら、自然と煮詰まってくるかもしれないわけで。その結果として自分のクジが当たりでなくても、何かつかんだという手応えをようやく感じたんだ。

格ゲーをヒューマニスティックに

プロゲーマーに対して直接給料を出しているわけでもないのに「カネもらってんだから」とサディスティックなクレームを出す野次馬ってのを結構見かけます。

会社員でもイマドキ上司の命令がきつすぎるのはパワハラとして守られている部分がありますが、会社内ではなくテレビなんかに出る有名人は視聴者全てにお客さん目線を持たれて辛いだろうなと思うのですが、俺が格闘ゲームをプレイヤーとして頑張っていた頃は、どちらかというと敵であれ味方であれゲームをする者同士、苦労が分かって甘かったという部分を今になって振り返るわけです。

まあ、競馬にしても馬券勝った人がヒートアップしてるのは分かるんですよ。100円であっても。俺はなんばの競馬場が改装される前に一度行ったことがあって、あれはひどいもんです。勝馬投票券を持って払戻金を貰いに行く人の列がいつ暴徒化した他の負けた人に襲われないかと思うくらい、社会のダークな部分を見てきた気持ちでした。券売機がおばちゃんから自動販売機になると、今度はとにかく人がマークシートを書き込んでいるとチラチラ覗き込みに来る人も居て「いや俺だって当たるかどうか分からんよ?」と思いながらも、不思議と覗かれたら隠したくなって。そうするとまた角度を変えてチラチラと。いや普通に3連複を流し買いしてるだけなんですけど。

それで何だっけか、そうだ格闘ゲームだ。カプエス2のPグルーヴですよね。先に書いたように、俺はプレイヤーサイドに立っていながらそれで生計を立てていたわけではないので高校生であったりフリーターであったり専門学校生であったり会社員であったりと、世を忍ぶ仮の姿は年齢とともに変わっていったわけですが、特にフリーター時代なんてのはバイトがゲーセンバイトで掃除や集金以外はゲームを観戦してオフの時間は練習に全て当てていましたよね。スポンサー付きのプロゲーマーは1日10時間練習しているとかテレビで見ましたが、それで見えてくる限界みたいなものがあるんですよ。

ベン・ジョンソンがオリンピックで勝っていた時にスタートの見切りが異常に早くて、その時に審議委員が常人を集めて人間の反射神経を測定して0.13秒が限界であり、ピストルからそれより速いスタートはスターターのクセを読んでいるか見切り発車のフライングとして扱うってルールを作ったんですね。

これを軸に当時いちばん勝っていたウメハラ選手の良く当たるバクチ昇竜拳は人のクセ読みか八百長のどちらかで神の昇竜ではないというのが持論で、バクチを警戒して自分の手癖を見直し、打たれるポイントで我慢してガードという選択肢を入れていくということで、神の昇竜を空振りさせるということを課題として取り組んでいたんですよ。

その意見は結構に浸透して、読み合い重視のプレイヤーよりロジカルに「人間にはここまでしかできない」という天井を想定した攻め方と守り方を研究して、もう出来ないものは出来ないとして出来ることだけ練習するという方式が固まっていたんですよね。

しかし、近頃の格闘ゲームスポーツ化に伴って、カネもらっているんだからもっとやれという風潮は今に始まったことではなく、カプエス2の全国大会でも「何でもブロッキングしたらPが最強!Pが優勝じゃないなんてやりこみ足りないだけ」という野次馬はいたんですよ。

当時は見切りの限界0.13秒を提言していたので「いくら極めようと接近して出される立ちパンチ攻撃(立ちブロッキングのみ可能)としゃがみキック攻撃(下段ブロッキングのみ可能)を全て見切ることは出来ず、Kグルーヴのしゃがみジャストディフェンスならブロッキングのような中下段限定の技でも両方ディフェンス可能なので、人がやるという前提の元ではジャストディフェンスのほうが簡単でゲージ効率も良いから、甘える意味でPとKならKのほうが極まりやすくてラクという見解でプレイヤーが団結して、ストIIIプレイヤーもK派閥になっていったんですよね。

しかし、ジャストディフェンスは確かに簡単なのですが、ブロッキングはガード硬直が無い上にされた側に時間停止があって、反撃の糸口としてはブロッキングが勝るので、成功時のメリットだけで言うとPグルーヴに利はあるんですよ。

そうするとやはりPの極まった試合というか、ブロッキングが勝っている試合を見ないと満足できない野次馬というのは無くならず「ジャストは甘え」みたいな野次が飛んで来るんですよね。もう会社員しながらなんだから許してよ、と弱音は吐けず「人間の反応速度には限界があってPよりKのが強いんだよ!」と虚勢を張って凄んでしまったんですよね。ここは俺個人の失言なんですけど。

それにカチンと来たのか、みんなの知っているプロプレイヤーで無いかもだけど、Pグルーヴで勝つまでやらされている競走馬みたいなプレイヤーがいて、その生活を見ると四畳半の和室にテレビとプレステ2とカプエス2だけの部屋で生活していて、ずっとトレーニングモードで相手に技を出させてブロッキングをする練習だけをさせられているんですよ。何度か、俺の家にも遊びに来てくれて対戦したことがあるんですけど、ブロッキングばっかり狙ってですね、それでかなりのレベルまでブロッキングの精度は上がってるとこまでは知ってるんです。

でも、その仮想敵が俺で良いのかと。誰が彼にそこまでさせたと。色々と考えながらも俺も負けたくないのでそこまでの練習ではないものの家でプレステ2でカプエス2を3年くらいそれだけにしてやりましたよ。

それでお正月の催しとして、獣道というウメハラの番組をネット放送で見たんですけど、兄ケンの昇竜もこたか商店のガイルの前で空振るし、弟子犬のケンといえでヌキ春麗の鳳翼扇を全段ブロッキングはしないんですよね。当たり前ですよ。昇竜拳にはガードしてんだし、鳳翼扇は中足払いからコンボになる時しか出さないんだから。

俺はどちらも見事な試合だと思って見ていたんですけど「何だよ神の昇竜じゃないのかよ」とか「全段ブロッキング見れないのかよ」という意見はもう「そろそろそこらへんが限界なんじゃないのかな?」という白タオルを投げたい側の気持ちがあるんですね。

やりこみの問題じゃなくて、視聴者が求めているものとのTPOの問題じゃないかなと。


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