ヤンジャンのグラビアが1周した件

2ヶ月ほど前に何となく手にとったヤンジャン

近鉄郡山の駅前には踏切を挟んでファミマとセブンがあって、セブンはマンションや住宅の多い駅の西側でそこそこ大きく、ファミマは近所の学校の中高生が使う駐輪場のある駅の東側なので通学時間の朝夕と近鉄で人が仕事から帰ってくる午後の6時7時には人がいるのだが、たとえば朝10時とかに行くと本当に暇そうである。

そんな時間にウロウロしてコンビニを覗きに行く俺も暇人なので導かれるように雑誌コーナーで紐でくくられたヤンジャンを手にとったのである。表紙の女の子が可愛かった。

ヤンジャンを取るのは初めてで、雑誌コーナーの右側はエロ本の棚。そしてその左の漫画コーナーの棚の一番右側でエロ本との境目にヤンジャンが置かれており「もしかしておっぱい拝めるのか?」と思って手にとったヤンジャンを家で見ると水着写真まででかわりにマンガでおっぱいが描かれていた。

さらにヤクザマンガでしばかれて情報を吐かされた人に瞬間接着剤アロンアルファが差し出されヤクザの部下が「何に使うんすか?」「2度とクソ出来ねぇようにケツの穴にぶちこんでやれ!」という最悪なひとコマでマンガは締めくくられていた。

それでも、なんとなく1冊取ると次の話は気になるもので、さかのぼって単行本を買うことはしないものの毎週取っていると10冊貯まった。しかし、グラビアの女の子は最初に取った2ヶ月前のヤンジャンと同じ女の子なのである。マンガの展開もマンネリに思えてくる。

俺は子供の頃にジャンプは取っていたが、中学以降はマンガ雑誌は取らず友達の話題がマンガになった時について行けなかったので、何となく漫画の話をポンポンとするヲタクに対して複雑な感情を抱いていた。ただ読んだマンガのタイトルを今週の雑誌でいうと話が通じる、読んでいないと分からないというだけのことなのだが、自分の体験よりも何となく20年くらいマンガを読み貯めた追体験の蓄積のようなものが自分には欠けているわけで、そういうものが自分に備わっていないから上手くいかない部分があるかもしれないという想像をしたわけだ。

それで2ヶ月ほどマンガを取ってみてからあらためて人と話をすると、マンガを読んでいると読んでいない人に漫画の話を口伝ですることができる。もし相手が読んでいると「もう読んだ」で済むことなのだが、奇妙なことに俺がサラリーマンをしていた時に自分の体験を口伝で人に伝えると「それマンガで読んだ」と返されて「そんなわけがない」と思って漫画喫茶に入ってみると見事に自分の体験がマンガの筋書きにされている。

どちらが先かは微妙なところがある。漫画が先でそのシナリオに自分がハマったのか、自分のことがスパイされてマンガで暴露されたのか。際どいところだと思っていたが、マンガ雑誌を10冊取ってみると、全然関係のなかったマンガに自分に似た風貌の登場人物が現れたことで、何となくヒントが得られた。

体験でも追体験でも、結局求められているのは新しいネタ。週刊マンガに求められるのは来週号を買ってもらうための「ヒキ」で、3週間くらい続けて買ってもらえると成功ではないだろうか。1冊では筋が分からなくても3冊買うと話が分かり始めて欲しい人は単行本を買うし、いらない人は括って捨てる。

部屋にもモノを入れる容量というものがあるので、もっと続けてマンガを買うと古いものは捨てなくてはならないが、ふとグラビアの女の子が目当てで1周したのなら、ここで買うのをやめても良いかなとちょっと思った。

そうしてまたマンガを読みためるというヲタクとの追体験の差が広がっていくわけだ。

寡黙な戦士

僧侶「もうマジックパワーが無いから宿屋に帰りたいです」

魔法「そうだよな、俺もメラ唱えるの疲れたぜ」

戦士「・・・・・・・」

勇者「まあ、みなさんよく頑張りましたよね」

僧侶「みんなが生きて帰れるのは私がホイミをかけたからですよ」

魔法「まあ、そう手柄を独り占めするなよ、俺もメラ唱えっから」

戦士「・・・・・・・」

勇者「じゃあ、お城までルーラで帰りましょうか」

僧侶「助かります。もう歩かないで良いんですね」

魔法「ところで戦士のやつなんで何も喋らないの?」

戦士「・・・・・・・」

魔法「マザコンの勇者さんですらルーラくらいはしてくれるんだぜ?」

勇者「マザコンって・・・おい魔法!」

戦士「・・・・・・・」

戦士(俺だって!前衛でみんなを守って剣で攻撃してるんだ・・・!)

競技で勝つ子供は居るが相続以外で大金を持つ子供は滅多にいない

タイトルだけで察してくれる人は察してくれるし分かりやすく書くのも難しいが。

俺は地方住みなので地方分権には前向きだったが、実は違うかもと思い始めている。

人間の頭というのは若い頃が思考力とか記憶力のピークであるという説はある。

実際、スポーツなど体格差があるものは20歳前後がピークだがゲームやクイズで若い人が脚光を浴びるのは珍しくない。そこがピークと捉えることも出来るし、若い人の人気を取るために若い人を勝たせて業界規模を維持したいという老獪さがあるかも知れない。

歳を食って物事に集中するより、その物事を巻き込む社会での地位さえ上がれば勝負事それ自体は負けてもよいというような計算が働くので、勝負事だけで公正に賢さのピークなんてものは計れないようにも思える。

俺は20代の頃に猛烈に忙しかった。そして頑張ればお金がもらえるからもっと頑張ろう、もっと金持ちになりたい、もっと自分を高めたい。ドラクエで言うと自分はレベル20くらいで40レベルくらいになったら魔王を倒して世界を平和に出来ると考えた。

だが、病気で休職した。そこで弟の暮らしを見た。俺が家を出て、母が家を出て、姉が嫁に行き、親父と弟2人になった家で弟はたいそう甘やかされ幸福かどうかはさておき、広い家をほとんど全部自分のものにして家中を自分の欲しいものとゴミで散らかし、親父から好きなだけカネをぶんどっていた。ヲタアイテムの相場からすると信じられないほどのグッズ類を部屋に貯めていた。

親父は働いている体裁は取っているが、実質的に爺さんからの相続で得た家賃収入が主な財源で、俺が家を出ている間に親戚が爺さん婆さんからの相続で土地を分けてもらって裕福に暮らしていることが分かってきた。俺はと言うと男性家系の長男だが、子供の頃は甘やかされて、勉強して将来は外で働くように言われて家には金が無いと思っていた。両親が俺に小遣いとして現金をくれたことはなく、お爺さんから小遣いをもらい、子供の頃に読んでいた本に古代エジプトの少年王ツタンカーメンは子供であることをマスクで隠されて政治の実権を臣下に奪われ若くして病死したという話があり、俺はまるでそのような立場だと思っていたことがある。

ある日に俺は親が俺に受験勉強や就職を求めたのは爺さんからの相続でラクをして長男である俺を家から追い出すためだったのではないかと考え始めた。親父の姉である叔母さんの家系は叔母さんが家を相続して実質婿養子に近い叔父がサラリーマンをしているので普通のサラリーマン世帯からすると住宅ローンに割り振られる分を全部他のことに使えるので、良い暮らしに見えた。しかし従兄弟は「そっちのほうが金持ちなのに」と言っていたのを思い出す。母親は俺にスーパーの弁当とバーゲンのダサいシャツしか着せずに百貨店でブランド物ばかり身にまとっていたのだ。

親父の話では母親は家のカネを全部持って家を出たらしいが、母親の話ではお金なんて一銭も持って出ていない、着の身着のまま家を出たのだという。しかし良く話を探っていくと、母親は家に居た時に家系の一部を株式投資に充て、株主になって現金は家から持って出たわけではないからお金は持っていないという建前らしい。つまり親父は家計費として母親に渡していたカネを全部株というヘソクリに当てられて頼りにしていた妻から文無しにされてしまっていたのだ。

そこで、俺は病気をして親元に帰ることを医師から促され父に付くた母に付くか考えた。子供の頃は厳しいパパよりママのほうが好きだったが、株式をマンションと現金に変えて浪費癖のある母親よりケチだが土地のある父親のほうが何となく10年20年先を考えると頼りになる感じがした。だいたい、カネを持って逃げた人間に付くなんて想像すると恐ろしい。

俺が帰ってきてから、弟が進学して就職して東京に出た。親父と弟が散らかした家を自分の使う部屋だけ片付けて、カップラーメンやスーパーの弁当を食べてお金のないときは病気を隠してプログラマーの仕事に出た。そこで厚生年金が付いたので、病気にになると保険が支払われることを後から知って申告した。

今はその保険と親父の年金と家賃で働かないでも暮らせるが、ブログのアフィリエイトや寄付歓迎のフリーウェアなど、家で出来る仕事で何か少しでも儲からないかと考えている。考えているだけでなく、実際こうしてブログを書いたりプログラムを書いたりしている。

まだ、暮らしぶりは貧乏の範囲だと思う。スーパーやユニクロの服を着ているし、メシは売られている弁当やカップラーメンが多い。

20代の頃になりたかったバリバリサラリーマン高給取りプログラマーとは全く違う形だが、食うには困らず自由時間はいっぱいあって、こんなにひどく狡っ辛くなってしまうとゲームで飯を食うとか夢見ているのは幼稚園の発想に思えてしまう。

しかし、思えば今より幼稚園の頃のほうが幸福で戻りたいと思うこともある。LSIゲームに夢中になったりテレビの歌番組にあわせて歌ったり。それで良いのかも知れない。

古い友人にこのだらしない暮らしを打ち明けると「将来どうなりたいねん?」と言われてギターを練習してミュージシャンとしてステージに立ちたいとか、世界コンピュータ将棋選手権で優勝したいとか、言ってみると「それ全部ホンマに現実的に食えるんか?俺はガソリンスタンドとかタクシードライバーとか考えてるぞ?」と言われて、いや多分もう働いて生活を立てるスキルを手に入れるのはあきらめて夢を食って残りの人生楽しみたいと思ってるんだが電話では伝わらないかも知れないからこのブログを書いておく。

お金をもらえるというインセンティブが無くても打ち込めることが本当に好きなことのような気がするんだ。


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