GWのゴタゴタした話

GW中に出会ったいざこざの話。
駐車場の場所取りから喧嘩になって警察沙汰に発展した。
車で足を轢かれ、怪我は無かったが痛くて腹が立ったので相手の車に蹴りを入れた。
はじめは無視していた相手も車を蹴られて腹を立てて車から降りて来て口喧嘩になる。
口喧嘩の仲裁に入った周りの人の説得で、こちらが誤ってしぶしぶ引き下がる。
しかし、悔しいので仕返しを考える。車へのイタズラを考えたが、暗くて効果が薄い。
どういう仕返しをするか考えながらケータイで車の写真をとり、バックナンバーを控える。
相手のドライバーが買い物を終えて出てくるまで、駐車場の階段の下で待った。
「おい、おまえ当たり屋やろ!下がってくるところに足出して医療費を保険で取る気か!」
「ケーサツ呼べや!保険費くらい払ったる!あたまおかしいやつやろ!」
奈良県民には考えがたい事だが、大阪ではよくある話である。
そういう論法ならば負ける気がしない。
親父との口喧嘩で六法全書を買い、高畑町の法務局(ようするに奈良の地方裁判所)で
忙しそうに仕事をしている法務局のおじさんに呆れられるid:karmenである。
入院ほどの重傷でなければ警察はまじめに取り合わない。
相手が階段を下りるところに足を出した。
「いってー!おまえ蹴ったやろ!ホンマにケーサツ呼んだる!待っとけ!」
望むところだ。
ほどなくして新米の警官と、ベテランの見慣れない帽子をかぶったオッサンが到着。
「おまわりさん!こいつ当たり屋です!車動かす時に足出して轢いたって言うんです。」
こちらも言い返す。
「人の足を車で踏んどいて、ゴメンナサイも無しか!」
もちろん、こういう揉め事は裁判などならずに、決まりきったパターンで処理される。
普通は相手のようなやつが勝って終わる。
喧嘩になれていない人は警察や裁判所の方法に腹を立てて田舎に帰って家で文句を言う。
ここで、東大将棋も驚きの新しい手を読者の皆さんに公開する。
「おまえな、俺の事を当たり屋ゆうたやろ!」
「ほんなら、俺が足を出しとるところに階段降りて来て当たっといて蹴ったって言うんか?」
「お前の方が足に突っ込んできたやろ?お前も当たり屋じゃ!」
若い警官もベテランのオッサンも困り果て、二人で平野警察の刑事課まで連れてゆかれた。
待望のシチュエーション。長年研究した囚人のジレンマのはじまりである。
見たまんま屁理屈の通じない腕っ節のあるプロレスラーのような刑事さんが僕の相手だ。
喧嘩の時は俺でも、基本、一人称は僕である。
ものと喧嘩相手はベテランのオッサンと別室行きだ。ザマーミロ。
「おまえな、小学校1、2年の喧嘩とちゃうねん。年いうてみろ。」
「32歳です」
32歳の割に子供じみた喧嘩をしていることは恥ずかしいと思ったが、若干脇道にそれる。
しごと帰りに飲みにいく酒屋での話
「なー、あんた浮気ばっかりしてんのはバレてんのよ。」
「はるちゃんと、みくちゃん」(両方仮名でつ)
はるちゃんとみくちゃんが二人で店に入って来て、カウンターの両脇に座る
普通のラブコメの主人公なら「この浮気者!」と「ダーリン!」といわれて、
100tハンマーと電気サンダーの両方を食らう絶体絶命のピンチになる
浮気になれていない人は嫁と愛人の両方に慰謝料を請求されて破産するところだ。
「えっとー、みくちゃんは仮装パーティで花嫁姿で一緒にお酒を飲んでー自称嫁だけど」
「はるちゃんは、好きっていうか、いつも気になる存在で妹のようなあつかい」
ハモリで
「あんた、ようちえん?」
刑事さんの話と照らし合わせると、他人から見た精神年齢が2、3歳上がったようだ。
小学校で2人の女の子がバレンタインにチョコを持って来て、
空気読めない別の子が義理チョコを渡して(もちろん、誰か本チョコだが恥ずかしいのでほかの男子にも渡す)
控えめな女子が両方とも目的の男子にチョコを渡せない、そんなシチュエーションを想像する。
女の子とポニョが喧嘩をする幼稚園と違って、小学生は辛い仕事である。
そろそろ、相手を決めないといけないなと思いながら、本題の喧嘩に戻る。
「場所は店の駐車場や!駐車の場所取る言うても整理券があるわけでもなし、無理したらあかんやろ」
「先に停める権利あるわけちゃうやろ」
不利な事はわかってはいる
「ほんでや、相手は車蹴られたいうとるで」
車を蹴った事で傷がついたら器物損壊で訴えられるかもしれない
「いや、相手の車は車高が低いので、手が届かないから足でノックしたんです」
深夜の刑事課で、尋問室の外から失笑の声が聞こえる
「おまえな、ノックいうたら、こうや」
刑事さんは拳の裏側で壁をたたくジャスチャーをする。
「ほんでな、おまえのしてることは、こや」
刑事さんは立ち上がって壁に向かって足を上げる
「これ、ノックか?ちゃうやろ、なんちゅうねん」
はずかしいが、受けた挑戦は退けるわけにはいかない
「キックです」
ノックかキックか、真面目な尋問がコントのような様相になってきた
「日本語でや。蹴ったちゅうねん」
それから、割愛するが、話は1時間続く。
迎えの家族が待っている事を刑事さんに諭され、折れた僕は謝る事にした。
「ええか、相手は轢いたんや。お前は当たり屋ちゃう。せやけど、腹いせに蹴った」
「上げた足に突っ込んだか?ええから、蹴った事を謝れ」
しぶしぶ、刑事さんと相手の尋問室に行ってあやまる
「足を上げて、ごめんなさい」
刑事さんが諭す
「蹴ってごめんなさい、やろ」
暴力をふるった事は証言したくないが、疲れてしまった
「蹴って、ごめんなさい」
刑事さんは小声で言った
「おまえ、ようやった」
下で父が待っていた
「アホにつきあうな、時間の無駄やろ」
親父の口癖がでる
相手は、小さな罪ではあるが、交通事故のひき逃げ、車の改造、車検切れなどが見つかる。
もうすこし警察に残るらしく、僕は父の車で帰る事になった。
寄り道したコンビ二はおいしい弁当が売り切れで、ひからびた唐揚げとホワイトグラタンが残っていた。
女の子と飲むカクテルに比べて、親父と飲むビールは苦くてまずい。
でも、GW最後の淡麗生は入っているはずもない甘味料の味がした。