矛盾しているようで

世の中に矛盾していることは尽きることなくあると思います。
いいと思うんです。矛盾してても。
両方突き合わせるとどちらかが勝ってどちらかが負ける。
では、ハナからどちらかだけでいいかというと、そうでもない。
競い合って良くなることだってある。
これはね、ソクラテス無知の知に矛盾があることに似ています。
俺「今朝自動販売機でリンゴジュースを買って飲みました」
ソ「リンゴジュースとは何だ」
俺「リンゴの絞り汁です」
ソ「ではリンゴとは何だ」
俺「そんなことも知らないのか!赤くて甘い果物だ」
ソ「では果物とは何だ」
俺「それくらいググって調べろ!」
ソ「ほら、結局何も知らないではないか!」
とまあ、答えが出るたび聞き返すソクラテスの論法ですが、
果物が何か答えられないままリンゴが果物だと説明している。
参照性の問題から言って、果物がわからないのに果物と説明する、
この説明に欠陥があることは認めざるを得ません。
しかし、説明に欠陥があるからといって、何も知らないわけではない。
リンゴが果物だと知っていることに変わりはないはずなのです。
そういうことが分かり始めると哲学より理科の知識が役立つだろうと、
知識の地盤のようなものが出来てきます。
覚えていて、思い出せる。
まずはそこからでいいんじゃないでしょうか、ソクラテスさん。


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