数学的にありえない

数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)

数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)

ちょっと前にエントロピィの話を書いたとき、
「エントロピィはちょっと古くないか?」
と年配の先生から。
学問の世界といえど、
学生の興味に合わせたり、
学術的発見について行ったり、
流行り廃りがあるものなんですね。
この「数学的にありえない」は小説ですけど、
エントロピィなんかの科学用語は台詞で語られます。
ラプラスの魔とかハイゼンベルク不確定性原理とか、
名前を知っているけれどなんだか難しい言葉を、
小説をキッカケに百科事典で引いてみる。
ラプラスの魔ってね、スーファミの頃ありました。
手に取るまでもなくクソゲービック東海だけど、
学問的なタイトルだったんですね。
ラプラスの魔は古い考え方らしく理解しやすい。
さしずめ、
物理方程式と宇宙の原子すべての状態が入ったコンピュータ、
そういうものがあったとすると、
未来が全て分かるかもしれない悪魔のようなもの。
ということでしょう。
ただし、
コンピュータの中にコンピュータ自分自身の情報が、
入れ子になって入っているとすると計算は無限に続く、
だから、
そんなコンピュータはありえない、
とするのがより精密な考え方らしいです。
そのへんから、もう一歩突き詰めると、
観察されていない事象は存在していないというような、
不確定性原理にいくみたいなんですけど、
これはどうも物理的と言うより哲学的でわからない。
言い分はわかるけど、屁理屈なんじゃないのと思ってしまう。
立ち読みで書評を書くのもアレなので、今日はこのへんで。


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