カードゲーム蘊蓄

カードゲームはお金か運か実力か、切り口ひとつで意見は分かれてくると思います。
お金さえかければ強いと思われるのは昨今のソシャゲー事情から仕方ないと思いますが、
双方お金をかけた時、つまり同じようなカードを皆持っている前提での話をしたいです。


マジックギャザリングの土地とマナとカードの強さの話がひとつ。
ポケモンカードがそれを加味してポケモンの進化を作った話。
そして遊戯王の最初のルールとレベル4ルールとチューナーの話。


マジックギャザリングでクリーチャー(生物、つまりは怪物)が戦うと、
双方のパワーを相手のタフネスから引き算して、タフネスがゼロになったら破壊されます。
パワーは攻撃力を意味し、タフネスは体力を意味し、その合計をサイズと呼びます。
パワーやタフネスの大きなクリーチャーが強くて生き残る、きわめて単純なルールです。


では、なぜそんな単純なルールなのに、良い歳をした大人が遊んで飽きないのか。
それはサイズの大きいクリーチャーにコストと言う正比例のリスクがあるからです。
クリーチャーを戦場に召喚するのにはマナ・コストと呼ばれる魔法力が必要です。
マナを生み出すには土地カードを戦場にたくさん出す必要があります。
この土地カードもクリーチャーカードも同じ山から引いてきて手札にするために、
サイズの大きいクリーチャーを出す戦略は、多くの土地カードと少数のクリーチャで、
必要以上に土地カードを山から引いて無駄札にするリスクを背負う必要があります。
また、土地がそろわない間のクリーチャーカードも戦場に出せない無駄札です。
小さなクリーチャーは戦闘そのものには弱くとも、無駄札になりにくいデザインです。
これはマジックギャザリングが確率数学を踏まえてゲームデザインされた所以です。


この点類似品のポケモンカードではエネルギーと呼ばれるカードが鍵になります。
エネルギーカードの仕組みはマジックギャザリングの土地とよく似ています。
そして、必殺技の強力なポケモンは進化カードという仕組みが取り入れられています。
ポケモンから順を追ってポケモンを成長させるため、出ばなを挫かれやすいのです。
ただし、カビゴンのような進化無しの大型ポケモンはルールに従うとどうしても強い。
あまりに人気が集中してパックの封入以外にコロコロコミックの付録になりました。
付録でみんな持てるなら、ゲームとしてはイーブンなので、それはそれで良し。


こうしたカードの強力さと、それに背中合わせになるリスクの観点から言いますと、
遊戯王は最悪のカードゲームと言えます。
カードの強さに関わらず手札から戦場にいきなりモンスターカードを呼び出せるため、
とにかく攻撃力や守備力の高いカードが強い。
最強カードは攻撃力3000で守備力2500のブルーアイズホワイトドラゴンで、
マンガでは遊戯くんのライバルがトランク満タンのの現金でカードを買い付けます。
のちにルールが改定されて、レベル4以上のモンスターは召喚できなくなりました。
そうすると、レベル4で守備力2000のアクアマドールを誰も突破できなくなり、
レベル4で攻撃力2000のカードが印刷されて、その封入パックが売れました。
あまりに単純化されたルールですが、この印象がカードゲームの印象そのものでしょう。


マジックギャザリングではあまりにマナコストの大きなカードは有効性は低いです。
にもかかわらず、サイズの大きなクリーチャーカードには人気があります。
だから、その大きい者は強くて値段が高いと言う単純な次元に変換した遊戯王が売れた。
ゲームとしては最悪だと罵りながらも、同じカードゲームとして研究しました。


複雑に思えるマジックギャザリングのカードの強さも、計算され尽くすと、
サイズをマナコストで割ってどれがイチバン効率的かと言う経済性の結論が出て、
もっともゲーム内の経済性が高いカードが店頭でも高い価格で販売されます。
封入されたパックが売れるのではなく全部剥いてバラ売りされるのです。


そういう現実を目の当たりにすると、最初から遊戯王でも充分だとも思えます。
僕が誰かに勝った時に、相手は知恵で負けたのか、金で負けたのかとなったら、
誰も知恵で負けたとは思いたくないがゆえ、金で負けたんだと思うほうが楽でしょう。
それで、そういうマンガが出されて陰口を叩かれる。


陰口を叩かれたり悪役のモチーフにされるのは断じて不愉快だと言い切れますが、
それはゲームで勝って気分が良いのとちょうど帳尻が合う出来事なのかもしれません。