社説でも書いてみよう

金融系システムインテグレータを1年で退職したブログを読んで。


金融系SIerの産業構造と末端のSEやPGの労働環境という話がネットでグチのように方々から上がってくるのですが、そもそも金融システムというのはかなり古いコンピュータでも機能していて改善の必要など無いんです。でもなんでそういうところにシステム改修のプログラマーが派遣されるかと言うとですね、必要以上に儲かっている、儲かってしまった会社というのが世の中にはあるんですよ。法人というのは元々儲かる人の節税のためにあるわけですから「儲かって困る」ということがあるのかどうかは知りませんが、ウチの親父の小売店なんかでも儲かるとどこから嗅ぎ付けたかお客さんの代わりにセールスマンが来るもんなんです。


まとめると「おい、お前の会社えらく儲かってるらしいやないか、ちょっと上前よこせとは言わんがウチの会社のSEを買え」というのが本題ですので、どうにかこうにか体を整えるために金融屋さんが無い知恵絞ってシステム要件なんかを書いてくれるわけです。当然ファンタジーです。某社長ブログには体験したことが無いと小説が書けないとするとドラゴンを倒したことのあるヤツにしかファンタジーは書けない、という論説があるそうですが、まさにプログラムなどしたことの無い人の書くコンピューターファンタジーで現金輸送の糸口を掴んでくれてるわけです。


だから、末端のプログラマーからすると不思議な要件になってしまいます。コンピューターの電脳理想郷を建立するべく要件を書けば、今のATMでも銀行を使うお客さんのほとんどは全く困っていないわけです。そのクライアントが銀行でなくどんな企業であっても似たり寄ったりなんです。


その筋で行くと、まだ顧客に需要があるシステム開発のほうが技術者には幸福なので、転職はブロガーさんには良かったのかも知れません。しかし、コンピュータというのは元来人の仕事を機械と電気で立て替えているわけですから、ラクになりこそすれ儲かるかと言われると単純に事は運ばないケースも多いと思います。


まあ、あれですね、コンピューター屋としてはコンピューターを買ってもらえるのは有り難いですけど、お金が余ったらテレビに社長がにっこり笑ってガッツポーズをするようなCMを打つ会社があって、そういうところのカメラスタッフになるのも悪くないよなと、これ、括りになってる?


今日はここまで。


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