怪物化


趣味のマジックギャザリングの話。

新セットテロースで「怪物化」というクリーチャ能力が登場した。百手巨人のように4マナ3/5クリーチャが6マナ払うと6/8になるんだっけ。だいたいマジックギャザリングのトーナメントシーンはレギュレーションが変わったすぐ保守的に今までのデッキに噛み合う新しいカードは何かと考えられる。せっかく新しいカードが出たから、弱そうでも新しいカードが光るデッキを作って行けば次のシーンでトップを走れるかもしれない。そう思うんだ。




それで怪物かと似たような成長システムで最初に目をつけたセット「アラーラの断片」コモンカードの「天望の騎士」というカードがある。2マナ2/2とただの熊(灰色熊という古いカードに由来して)が4マナ払うと+3/+3で5/5になる。パワー5以上のクリーチャでシナジーするナヤのカードで、これをバントに入れてデッキを組んでトーナメントに持って行った。レアカードをたくさん集める財力がそのとき無かったので、コモンカードで一矢報いようと、この騎士の爆発力に注目したのだ。


トーナメントの結果はジャンドにスコボコにされて、エスパーコントロールに辛うじて1勝した。なんせカードプールが無いので神話レア出されるだけできつい。ちょっとカードを買い足した。


そうすると新エキスパンション「ゼンディガー」に「闘争の学び手」という白の騎士のカードが入って、エントリーセットのキラレアに入っていた。マジックギャザリングの販売元ウィザーズオブコーストはトーナメントでどんなカードが使われたか集計して新しいカードの制作に反映している。新しい着想のデッキが生まれると、次のエキスパンションに「そういうカード」がレアとして入る。これはトーナメントの分布とカードリストを毎年見ているとすぐに分かる。


そうそう、俺が欲しかったのはこういうカードだよと「闘争の学び手」を見てニヤニヤしていた。結果として他の雑用などしていて闘争の学び手を実際に場に出したのは大和八木での小さな店舗大会だけだったけど、それよりミドリ電化(今はEDIONね)に電話を入れて「闘争の学び手」が表紙のエントリーセットを買った時がイチバン嬉しかった。そう、俺が持っているゼンディガーのカードはこのパックに入っている60枚だけなのだ。


さて、この「闘争の学び手」何が良いかと言うと1マナ1/1クリーチャが白マナを払うと1レベルアップしてカードの上におはじきを目印に置く。おはじきが2つになると3/3先制攻撃になり、6つになると4/4二段攻撃。1マナ1/1というとコモン箱のゴミだと思われるし、7マナ4/4先制として見ても大きいクリーチャとしてはマナ効率は悪い。ただし、マジックギャザリングはカードの引きの運でなかなか思う順番でカードが手札に来る事は無い。単体的な性能で見たら劣っていても、引きの運が悪い時も余す事無くマナを使って効果を出せるということが長期戦略で有利になる。


しかし、赤にはめっぽう弱い。レベルアップを待って、相手がマナを使った時に「稲妻」されると、レベルアップに使ったマナが丸々無駄になる。そのへんを加味してデッキを白単色ウィニーから緑のファットと交換損を補う青の引き増しでアラーラのテーマであるバントと組み合わせてみた。


趣味で買っているだけなのでトーナメントデッキの用に強いカードが4枚ずつ入っている構成ではなく、有り合わせのカードで組み合わせ的に目一杯考えたのが写真のデッキ。天望の騎士と闘争の学び手を4枚ずつ入れてみたいが、持っていないので学び手1枚に騎士3枚。あとは「残忍なハイドラ」というカードが緑Xで1マナなら場に出て0/0で死ぬ2マナなら1/1、4マナなら3/3とマナ効率的には悪いのだけれど、数合わせで入れた「4マナ3/3、賛美、トランプル」という緑のサイが引いて案外嬉しかったので、入れてみるとコンセプトに合った。ウィニーデッキは質より量で勝負するので、何か強いカードを1枚出す前に(強いカードはマナが多く後半まで出ないため)弱いカードを何枚も並べて対抗しようと言う作だ。初手は双方7枚(厳密には後手8枚)なので初手を相手より先に使い切る事で有利を得る。その作戦は序盤に相手を倒しきれないと、お互い毎ターン1枚カードを引くので強い(重い)カードが多く入っているデッキに長期戦に持ち込まれると負ける。そこでハイドラだと長期戦に一縷の望みが生まれる。「火の玉」のほうがそういう意味では強そうだが色が違うので。


そろそろ話が長いな、と思っているあなた、藤田剛志の話はもっと長いぞ!
ブログはまだまだ続きます。


まあ、実際デュエルをしてみるとアジャニが出て勝った、ガラクが出て勝ったとか持ち合わせの神話レアでデッキの色と合うものはありったけ入れたので、それは仕方ない。最近の潮流なのだわ。そんでも、たとえプレインズウォーカーが強いと言ってもそれだけでは勝てない。(ジェイスだったらそれだけで勝てても)トーナメントで絶対的に強いカードを入れた後で、どういう味付けにするかに個性があっても良いと思うし、そのためにゲームバランスは大切。


あと持っていたカードで解説がいるなと思うのが「願いのジン」 ただの「大気の精霊」だと思っている人がいるかもしれない(どちらも5マナ4/4飛行)この願いのジンは青4マナでデッキのトップのカードを1枚めくって、それをマナコスト無く唱えて良い。デッキのカードは軽いので2マナの騎士を4マナで呼んでも仕方ないと思うかもしれない。しかし、ゲーム中のカードは7枚から始まって両者1ターンに1枚なので、ジンがいると後半マナが余る時に、ターンの始めに引く以上にカードを戦場に送り出せる。ジンも1枚しか持っていないので「予言」を代わりにもう1枚入れてある。


最後に天使を1枚「ジャングルの織り手」という蜘蛛にした。こいつも「7マナ5/6、到達」とマナ効率は天使に負けるが、サイクリングが付いている。サイクリングとは2マナ払ってカードを捨てて新しいカードを1枚引く能力。マジックでありがちなのは小さいカードから大きいカードまでバランスよく入れたはずなのに序盤に大きいカードを引いて終盤に小さいカードを引く、ということだ。蜘蛛を序盤に引いたらサイクリングする、と思っている人はプレイにご用心。このデッキは単体の大きいカードが少ないので、蜘蛛を捨てたらもう大きいカードを引かないかもしれない。大きいカードが手札に何枚も来た時に、蜘蛛が混ざっていたらサイクリングするのが正解。そうすると円滑に事が運ぶ。


このデッキはファンデッキと対戦すると強すぎてツマラナイかもしれないが、トーナメントに持って行くと、相手のヒキが不安定なら勝つ見込みがあり、運否天賦に任せたデッキが序盤に小さいカード、後半に大きいカードを運良く引いてきたら負けるだろう。安定しているが引きが良くても爆発力は小さい。長期戦になったときも、長期戦略デッキに勝てる見込みがある。そんな感じですかねー。


まあ、短期戦略と長期戦略、安定戦略と爆発戦略の2軸評価があるとおもうわけですよ。レベルアップは短期戦略のデッキにこそ合うはずで、レベルアップを対抗呪文で守る長期戦略とかはどうなんすかね。それは違うんじゃないのって。相手の除去が尽きるほど人海作戦を取って生き残ったものがレベルアップして勝つという絵が戦争そのものではないでしょうか。闘争の学び手はレアカードなので、まあ、そういう賭け方が出来る人向けですが。


テロースの怪物化も未知数の部分があるし、大きいクリーチャーをもっと大きくして何がしたいねん!とも思いますが、やってみたら新しい発見があるかもよ。