俺のゲロを誰が掃除するのか


俺の家の近所にはパチンコ屋が2件ある。片方は今にも潰れそうだが少ない客が1円パチンコや10円スロットを打っていて、なかなかしぶとく続いている。もう片方は店が新しく駐車場も広く駅前で4円パチンコや20円のスロットで新台がたくさん並んでいる。


流行っている方の店でときどきスロットを打って小遣いを稼ぐ。しかし、毎日勝てるわけでもないだろうと勝っても深入りせず、勝ち玉を貯金して家でプレステで遊ぶ。ひと月くらいパチスロだけで暮らしていた時もあった。(ちょっと言ってる事が矛盾してるが時間軸が違う)


ふと、最初に言ったつぶれかけのパチンコ屋はなぜ人がいないのか気になり4円パチンコの台に座った。打ってみると確かに釘が悪い。しかし元々パチスロで稼いだあぶく銭、全部その店の台に突っ込んでみようと打ち出した。最新台かどうか良く知らないがエヴァンゲリオン8で、心斎橋でエヴァンゲリオン7で10万くらい勝った事を思い出しながら打っていた。


大当たりを引いたがやはり出玉が少ない。何故だろうと台をよく見ると右打のアタッカーの上にヘソが付いていてそこに玉が通っていない。マニアックで引くかも知らんが付き合ってくれ。そこに玉を通すようにもう一度大当たりまで当たり玉と現金を全部突っ込んでみた。すると今度は連チャンで1万発以上当たりを引いた。現金にすると4万以上だが店の換金方式で3万3千円くらいになった。


家に帰るとそのパチンコ屋の近所で火事の知らせを聞いた。そして家に警察が来た。俺に似た姿の目撃があったらしいが、パチンコ屋と自分の部屋以外には寄り道していないし、別働隊で現行犯逮捕があったらしく職務質問だけで済んだ。放火をなすりつけようとしたらしい。パチンコと関係あるのかはわからないが、奇妙な一日だった。


俺はプロフィールをブログに貼っていないが25歳くらいのときは半公営の設計事務所で働いていた。そのころカプコン VS SNK 2というゲームが出て、カプコン最後の公式全国大会があると聞いて仕事返りは毎日ゲーセンに通い全国優勝を夢見て練習試合をしていた。本人は野球のプロを目指す高校球児のような心持ちだったが傍目にはギャンブル中毒か何かに映っていたらしい。


予選までの1年間ニートとサラリーマンでは練習時間が相当に違い、家庭用でなくゲーセンで実戦をしていたせいで戦略をほとんどスパイされ、不利な部分はあったが多くの友人が味方になってくれてトーナメントで見知らぬ参加者を蹴散らし、俺に勝ちを譲るような形で予選突破した。実質3勝くらいだ。


そして本戦も相当の味方布陣がいたが、開催者が東京のプレイヤー有利にカードを意図的に組んでいた事を後々に知った。実際に苦しいカードで本戦トーナメントは3勝するまで味方がいない。2回戦で負けてしまった。人気のウメハラ氏もベスト8で敗退して、東京のプレイヤーが優勝した。関西勢は実力負けと言うよりは遠慮しているような試合に映っていた。


俺はそれから事務所をやめた。働いているのにニートが優勝の栄光を得て自分には何も残らない。当時は分からなかったが結局は公務員や資本家の道具にされているだけだと考えるようになった。(俺も国家資格持ってるので半分公務員みたいなものだが上位の公務員の使い走りみたいなもんだ)


仲のいい友達はゲームで優勝なんてパチンコで勝って食っているようなものだと俺を励ましてるつもりなのか、言ってくれたが実際やってみてパチプロとテレビゲームは違う。


ニートになって借金を抱えてマンションを引き払って親父に食わせてもらい何年か経つ。そして今またカプコン VS SNK 2をプレステで遊んでいるが、ネットでは最近でもゲーム大会が行われて動画配信されている。それを見て胃がキリキリするように痛む。


実際仕事をやめてゲームをしていると、1人用は気楽で楽しいが、強い相手に対戦でガチで勝つための訓練と言うのは実りの少ない重労働だ。前転キャンセルやオリジナルコンボのバグ技をコンマゼロ数秒の操作でカラダに叩き込まなくては行けない。仲間が勝たしてくれた試合より数段厳しい試合に今から追いつけるか不安になる。全国優勝は成し遂げたい。そのためにどれくらいの対価が必要なのか。テレビを見てコーヒーを飲んでタバコをふかすほうがずっと楽だ。胃がいたいのはコーヒーの飲み過ぎもあるだろうが、濃くて苦い奴を飲まないとなんだか頭がまわらない。


俺はもう35歳だ。古いゲームの大会で35歳のニートが優勝しても何もニュース性はないだろう。ストリートファイターIVは面白くないので買わなかった(近所の西友にいつまでも並んでいる3DS版は買った)カプコンの株も持っているのでゲームが人気になるとインカムゲインがちゃんとある。


今の暮らしに不満が無いから、生き甲斐のようなものが見いだせず過去の失敗に目が行くのはわかる。仕事に夢中でゲームの事など忘れている時期もあった。


この話は現在進行形なのでオチはない。しかし、ブログに書いて誰かが読んでくれたら、これから俺がどうするべきか一緒に考えてくれそうな気がするんだ。だから何もかもを書いて毎日残す。


全国優勝経験者の友人もいる。すさんだ生活で自暴自棄になっている奴もいるし自殺したヤツもいる。夢の先はロクでもない現実が待っているかもしれない。そしてゲームの練習はつまらない。繰り返し書くがこの話にはオチは無い。ゲームの全国大会って何のためにあるんだろうね。雑誌収益か広告か、主催者側はそうなのかもしれんが参加者はなんのためにやるのか。暇つぶしがゲームしかなくて入れ込んでしまった先の慣性のようなものが動かしているんだろうか。俺はもうすこし良く考えた方がいいかもしれない。何も考えずに打ち込める事があるというよろこびは今の俺には無い。

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