雑談


格闘ゲームで勝ち負けを決めるとき、もちろん勝てば官軍で相手をKOしたほうが勝ちなのですが、負けたほうの言い分けに「キャラ差」という言葉が使われます。


今は廃刊になりましたがゲーム雑誌ゲーメストで使われたこの言葉は、ストリートファイターIIならリュウとケンの勝負なら五分で勝敗通りに腕の差が認められるけれど、ガイルとザンギエフが勝負してザンギエフが負けたところで、腕の差があるとは認められないほどガイルのほうが下手でも勝ってしまうハンデがある、従ってガイルが8分でザンギエフが2分という8:2のキャラ差があり、このキャラ差をリーグ戦のようなマトリックス(鋳型、帳票の意)にしたキャラクターダイアグラムというものが掲載されました。


このダイアグラムを前提にしてガイル、ダルシム春麗ブランカはダイアグラム上位でリュウ、ケン、本田、ザンギエフはダイアグラム下位になり、勝つためにキャラを選ぶならガイルを取るべき。しかし、ザンギエフでもし勝ち星を挙げたならキャラ差を覆す腕や運があったとみなし、評価が高いとする。


ゲームの研究が進むごとに本田は下位だが徹底的な待ち戦略をとると春麗ブランカには有利が付くなど、雑誌が毎月情報を更新してダイアグラムを改正するという時代がありました。


ここで、プレイヤーの評価としてガイルを使っているとキャラが強いから腕が劣っていると言う紋切り型の評価を下す人というのが現れて来ます。たしかにガイルとザンギエフが戦うと下手なガイルが上手なザンギエフを負かすということは有り得ますが、ガイルとザンギエフが戦ってガイルが勝ったとき、ガイルのほうが腕もキャラクターでも勝っていて、ザンギエフは見る目無しという場合もあるのです。


また、研究によって毎月ダイアグラムが変わるように、雑誌に掲載されているダイアグラムがどのような過程を経て算定されたものなのか、その基準は、また根拠はというところが読者の話題となりました。キャラクターの担当ライターが上手だと雑誌社の対戦で勝つのでダイアグラム上位とされるのは単純に担当ライターが他のライターに腕で勝っているのではないかという見方も出てきます。何故なら、プレイヤー個人が考えているダイアグラム感というのは自身の経験から各々擦り合わせをしないと食い違いが生まれるものだからです。


俺はこの問題に取り組む時はキャラクターを固定せず、リュウブランカのキャラ差を計るなら先ず俺がリュウで相手がブランカを使って勝率を計り、次に俺がブランカで相手がリュウを使って勝率を計ることで、より正しい尺度で実力やキャラ差を算定できると考えていました。


それで、ブランカリュウをひっくり返したらブランカは使えてもリュウを取ると昇竜拳も出せない人というのがたくさんいるのが現実で、それで雑誌というのは民意を取って、コマンドの難しいキャラクターはダイアグラムが低く付けられるものです。使いこなすとリュウが有利だとしても「波動拳でジャンプを誘って昇竜拳で返す」というような攻略法の雑誌は売れず、しゃがみ中キックでジャンプを誘ってしゃがみ強パンチで返す、というような操作の簡単な攻略法のほうが読んで価値のあるものなのです。腕を磨くよりも知識で簡単に勝ちたいから雑誌に頼るというのが普通の心理です。


それで、俺はストIIIなら春麗、ケン、レミーなどを使っていましたが、幻影陣のユンやエイジスリフレクターのユリアンに負けると、ひっくり返しても真似が出来ないので負けを認めることにしています。ところが、まことやヒューゴや豪鬼が相手なら、ひっくり返してもこちらが勝つので、そう言う場合はひっくり返して戦うことに決めています。カプエス2ならオリコンのAグルーブも練習しました。


両方やってみるだけ根気ガあって、探究心もある相手というのは巡り会えたら大切な仲間だと思っています。その反対に勝負の世界に雑誌を読んだくらいの知識でクチを挟んでくる人は毛嫌いします。友達は選ぶほうです。


一行で言うと「根を詰めてやったこともないのにクチを挟むな」というあたりが言い分です。


たとえばクニヒロ君というのがいて、家でユリアンを毎日練習していて、それに俺の春麗が勝って「しゃがみ中キックからスーパーコンボを出すだけでエイジスリフレクターのコンボよりダメージが大きいのは許せない」というのなら言い分としては分かります。クニヒロ君より上手なユリアンというのも居て、それは俺が春麗を使っても負けるので、ユリアンにも道はあると思っているけれども、自分がユリアンを使っても同じことは真似できないので、ユリアンが有利とは言えませんが、クニヒロ君は文句を言って片付けているけれど、文句無しに勝ってくるユリアンも世の中にはいる、ということは教えてあげたいと思います。そして、そういうレベルの人がいるのに春麗が有利とするのも早計だと思っています。ユリアンより操作が簡単なのは間違いないです。


そういう勝負をしていた頃からすると、PS2カプエス2を遊ぶのは純粋に趣味としてほのぼのと遊んでいます。テリーボガードを先鋒にして、なるべくコンピュータの技にブロッキングを決めて勝とうというふうに遊んでいます。公式全国大会は発売から1年程度で、主催のカプコンは「1年くらいあったほうが極まって面白いだろう」という算段で事を進めたそうですが、オリコンのAグルーブが花開いたのは発売から3年後ですし、ブロッキングはまだ優勝したという話は聞きません。ストリートファイターIIIが色々のゲームプレイヤーに認知されたのは古くなってゲームセンターから消え始めた頃なんですよね。だから、もしかすると、将来においてカプエス2のPグルーブが花開くこともあるかもしれませんね。発売前ロケテストはPグルーブがいちばん勝ち星を上げていたんですよ。ストIIIのプレイヤーがそれだけ強くて、発売前にPグルーブにはマイナスのハンデが付けられたんです。そして、ストIIIのプレイヤーはカプエス2でそれを跳ね返すべくPグルーブを使うことはせず、自分が有利だと思うグルーブに乗り換えて行く柔軟性があったんですよ。さらに公式大会が終わるとストIIIに帰って行った。Pグルーブを弱くしておけばストIIIのプレイヤーが負けてくれるだろうと安易に調整したカプコンの考えは甘かったわけです。


それと比べたら、Aグルーブで有志の全国大会をもういちど開いて優勝したヨシダ君は本当に粘り強いですね。乗り換えずに居残ってやり込み続けて、それに結果が付いてきたという点は立派です。しかし、優勝と言う結果を残したのなら、強いと皆が認めているところで、フェアなキャラクターで勝ってみせるということも必要じゃないかと思うんですよ。カプエス2の優勝にAグルーブが多いと言うのは「あれくらい真似出来る」と思って後を追っている人が多いと言う事の証拠であって、プロならば「これは真似できない」と思わせる何かをみせたほうが格好良い。


そう言うとブロッキングと言うのは「技に合わせてレバーを前に入れる」と単純な操作なのに、なかなか真似されないのはどうしてなんでしょうね。