アルコール発酵


トミカを転がして遊ぶほどに退屈しております。


中学理科や高校化学を復習して気付くのは、自然科学の入り口としての理科から化学式を習う化学の間に「エタノールとは何か」という脈絡が全く見当たらないことなんよね。小学校で庭にジャガイモを植えたり中学校で顕微鏡や天秤の使い方を覚えて高校でホイと瓶詰めのエタノールが出てくる。


エタノールWikiで調べるとアルコール発酵という授業実験では難しそうな製造方法で作られるらしいんだけど、それなら1年かけてでもエタノールを作る授業をしたほうが実学としては役に立ちそうに思ってしまう。そういう学習基盤のない教科書授業が退屈だったな。やるやつは図書館なりで自分で調べたのかも知らんが、高校で水とエタノールを混ぜますなんて言われると「エタノールっていきなり何だよ」と思ってしまう不良学生でありました。


俺は学校の授業は退屈だったけどインターネットに繋げるようになってからはWikiなんて貪るように読んだ。高校の頃にとなりの席でいちばん成績のいいヤツは俺と一緒に授業を全く聞かずに遊んでいたが、そいつは学校帰りにゲーセンには行かずずっと図書館で勉強していたな。やっぱ大人数授業って効果あるの小学校までだよなと思うよ。まあ、昔の事を愚痴っても仕方ない。


今日はエタノールを勉強した。何でかって言うと、化学で何か身近にメシの種になるもの無いものかって、ふと思ったんだよね。小学校でもジャガイモ庭に埋めるくらいのことは分かる。そうすると農業じゃん。それが中学高校だと要するに酒造か鉄鋼業なんだよな。ちょっと庭くらいの規模と片手間の時間じゃ難しい。でもそういうことなんだよ。やって儲かる事は何かしらの事業として世の中では進められてる。でも学生は教科書読んで勉強して大学に行ってスーツ着て就活する道しか知らされてないんだ。就職してから何かやるなら、それそのまま学生のウチから勉強して一足飛びに出来ないものかって思っちゃう。


アルコールは危険物だし税源だし、その製造は無免許じゃできないしと、国策としてプロテクトされてんだよね。水兵リーベも希少元素の出てくる周期表の下のほうには歌が続いてないし。そのへんがつまんない。もっと危ないものとか儲かるものに化学って使えるし、そういうことこそ知りたいね。学生に何故教えないのかってのも大体は分かる。


ちょっと文脈で伝わっていない部分の補足。


エタノールを作るのにはまずアルコールが必要で、アルコールは酒造醸造つまり微生物に頼って樽でゆっくり作るしか作り方は分かっていない。ここまでおおむね常識。


しかし科学万能の夢と19世紀の錬金術の夢は全く同じで、化学式とその変化パターンを全部覚えると分子論からして科学で何でも作れるという建前で学生に化学を勉強させたい。


現実には化学で色々な反応を起こしても、時間をかけて醸造させたアルコールを水で薄めるように、欲しい物質のエネルギーを発散させる方向の化学が解明されるばかりで、酒を作るには微生物のゆっくりとした化学反応を1年待つしか無い。エネルギー問題というのは燃焼反応の熱を動力に変換して人間は働かずに色々の物質を製造と運搬しているけれども、化学反応で何かの物質を動力源の物質に変換するのにかかる時間が燃焼で物質をエネルギーに変換する速度に追いつかないから、やがてエネルギーが枯渇するだろうという問題。


ここまでも科学的には常識。


求められているのは燃焼よりも高効率な化学反応ということになって、勉強して分かるならとっくに誰か見つけて小学校でも教えられるんだけど、そういう化学反応はまだ現実には無いんじゃないのって話なんですよ。


そんで、化学で儲けると言っても、アルコールでたとえば日本酒なら米から作って、米の原価と醸造時間分の酒造業者の人の給料と業者の利益とがあって、そこからエタノールにするからエタノールというのは必然的に単価の高い薬品で、エタノールから出発する化学変化はまず薬品原価が高くて、世の中に「混ぜたら儲かる」ような薬品の組み合わせは無い。あったとしても酒の醸造のようにとても気長に待つものが地価の安い工場で大量に作られているだけ。


ということに絶望を感じている。儲からないなコンチクショウ!って話です。


ということも識者からするとたぶん常識なんだろうけどねー。


もっと分かりやすくすると「エネルギー枯渇が心配です」「再生可能エネルギーがありますよ。(ガソリンが無くなったら酒を燃やしてクルマを走らせれば良いじゃない)」「そんな燃費の高いクルマどこの金持ちが乗れんねん!」というのがバイオエタノールが解決になっていないという問題なんですよ。


ついでに書いておくとエネルギー枯渇が問題なのにテレビゲームが趣味というのは大変な矛盾なのですが、そもそも俺がエネルギー問題に敏感なのは「電気が無くなるとゲームで遊べない」というのが恐ろしいからであります。


だからガソリンや天然ガスの枯渇が問題でもドライブがやめられない人をとがめるつもりは無くて、まあ自分も似たり寄ったりだなと。


さらに言うと、欧米ではバイオエタノールより菜種油の燃料というのが現実的だろうと認められているらしいです。その燃費がどのくらいかというのは存じませんが、まあどこかの誰かがいずれ解決してくれるんだろうと楽観的な部分もあります。自分が出来る事でエコになる事はやりますが、先に書いたようにテレビゲームで遊ぶくらいだからエコに積極的というわけでもないです。その申し訳のなさから、出来る範囲のエコはするという程度です。ひとりで気張ってどうなる問題でもないですから。エコよりも燃料問題に積極的になるべきだろうとも思ってます。


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