オサレも飽きて来た

MacBookProを買う時に「俺はこれからオサレになるぜー!」思っていたけれど、オサレ(お洒落)も飽きてくる。たとえば会社帰りのメシを吉野家でなくイタリアンとかフレンチにして1杯600円くらいするバーで飲むと出世したような錯覚をするが現金は損している。


たしかにMacは外観はかっこいいし、画面の発色も良くアイコンもかわいくて簡単な用事を自動でやってくれて便利な事だらけなんだけど、それは左ハンドルの外国車にのって「いかにもカネ持ち」「サンルーフが自動で開く」であって、はじめての女の子を横っちょにつかまえやすいだろうが、家族が出来たらベビーシートを取り付けたり車内でアンパンマンのDVDを見たりできるほうがたぶん便利なんだろう。俺の姉のクルマはそんな感じだ。ダサイ。でも便利。


俺は19から21くらいまで毎日GALYのライブにでも行くような恰好をしていたが、あるときからTシャツの柄が透けたワイシャツにグレーのスーツという出で立ちになり、やがてたぶん普通なお洒落になり、俗世を捨ててパーカー暮らしになり、スーツの時のネクタイを取り、西友で服を買うようになり(ユニクロより安いくらい)西友で服を買うのすら面倒で昔の服と西友の服を適当に合わせて着るようになった。パーカーの時が一番太っていて昔の服は入らなかったが今は昔の服はスーツだけは着れる。俺の服のサイズは3Lだから昔の服は普通の売り場にLかXLまでしか並んでおらずオーダースーツはピッタリ合うが普通の服は窮屈で服とはそういうものだと思っていたし、それがイヤでパーカーになったがアメ村でパーカーを買うと自分のパーカーのサイズは3Lでそれが分かってから季節ごとに西友で3Lを入れてもらって買いそろえた。だから西友の服にオーダージャケットを合わせてちょうど合うのだ。


さて、それでMacなのだが、これは俺に合っていると思う。何の生産性も無い俺にMacは仕事を迫ってくる。毎日国語辞典で勉強させられるし、Dockに並ぶアイコンを眺めていると何かクリエイティブなことをしようかという気持ちに成る。Macで俺はオサレに矯正されようとしている。


しかしWindowsに大竹(PCエンジンエミュレータ)を入れてスーパースターソルジャーで遊ぶとクリエイティブなんかより面白かったのだ。俺はそういうやつなのだ。ゲームで遊ぶのはモノを作るより面白いし、飽きたら見せに行くといくらでも新しいソフトはあって、似たり寄ったりでもちょっとした違いを楽しむ事が出来る。


そしてGALYな恰好をしていた時は「そういうやつ」として認識されていたが、普通の紳士服にジャケットを着ると大阪日本橋には不釣り合いで、たとえば日本橋をひとりで歩いていて昔のゲーム友達にバッタリということは良くあるのだが、バッタリ会って立ち止まって話していると、いまどきのサブカル日本橋な若者からキャッチセールスかなにかの人と思われているらしいし、実際に日本橋にそういうキャッチの人が増えている様子だ。まあでも、そういう警戒心を持っている今の若者は釣り餌が多い今の日本橋を普通に生きているのだなととも思う。知った顔でも着ている服が不釣り合いだと知らないそぶりをするようになった。決してイヤな事が会って仲が悪くなったわけでもないが、俺なりの警戒心からくるものなのだ。


同じように俺にMacはたぶんまだ不釣り合いなんだろうよ。ブログのために取材をしたりランチを贅沢にして写真を撮ったりするわけでなく、パソコンはゲームが出来ればよいし、画面はキレイに越した事は無いのだがテキストエンコーディングUnicodeで2ちゃんの顔文字がフォント崩れするMacというやつはゲーオタライフには合わない。多くの日本人に取ってのiPhoneもそういうシロモノではないかと、ちょっと思うんよね。肌身離さず持っているiPhoneがなにより大事みたいな感覚は俺も19の頃カラー液晶になったばかりのシャープの携帯を家に置き忘れてバイト中気が気でなかったりしたものと同じかも知れない。俺には持ち物全てをMacのクオリティに合わせるだけの資金力は無く、プログラマーを職にするものとして最高峰の製品には触れておくべきだとMacを買ったがそれは自動車の整備工でポルシェを買うのと同じことで釣り合わない。「買ったからどうなのだ」と思える。


不釣り合いだからと捨てるような事はしないが、なんとなくMacの前に座ってどうこうするという生活習慣は改めたほうがよさそうだ。Macは俺のステージを高めようとするが、そのナビゲータが示す先は俺には遠すぎるし、俺はそこステージに上がるために毎日努力するような人間では無いようにも思える。半分は疲れのせいだろう。もう半分はまだ自分でも何か良く分からない。


ポルシェやスーツに例えるより、たぶんリプトンの紅茶なんだろう。リプトンの紅茶は紅茶では世界最高品質(というか最高価格で、厳密にはもっと色々あるけどインドやスリランカで茶葉を買うとめちゃくちゃ安い)で、西友に行っても一番安い紅茶はインドのむき出しの茶葉ではなくリプトンの紅茶なのだ。それしかないから、そういうものだと思われている。そういうiPhoneであるだろうし、そうすると俺のMacBookはペットボトルの午後の紅茶みたいなもんだろう。余計分かりにくいかも知れないが、そういうもんだ。普通の人の小遣いで買えてしまうが、世界的には尋常ではないほどの高級品なのだ。