HSP

リッチマンプアウーマンの再放送を見て、あのドラマは自分が人からどんな風に映っているのか、また自分のやろうとしている事をそのまま続けるとどんなことが起こりそうかと言う追体験が出来て良かった。日向徹はネクストイノベーションから罠にはめられて追い出され、JI-TECの下請けとして働いてからネクストイノベーションに復帰するが、俺は現在会社員を辞めて自宅でゲームを作ってダウンロード販売に踏み切った。6月末には最初の売上げ明細が来る。


また、ドラマを観た感想をネットで読む事も出来た。UEI社長の清水さんは日向が最後に朝比奈を許す事を「あいつは日向を裏切ったんだ、許すなんて絶対に甘すぎる」と言っていた。俺の身の回りで朝比奈と良く似ている人物が居て、その人もまた苗字が清水で社長なのだ。そして俺との関わりは製図機のメーカーとして有名なムトー(武藤)の採用面接を受けたときの面接官で、俺が面接に来た後にその人の彼女と俺と清水社長という三人の会社が出来上がって、俺はそこから医療事務系のSEとして働き、小さなクリニックから大病院に自衛隊病院までのシステムを組み上げて、会社で受けた仕事が全部無くなってシャープに出向して、ちょっと前後関係があやふやだが最後は会社に行かなくても給料が振り込まれる状態になってから1年ほどブラブラ遊んでパチンコをしたりキャバクラに行ったりして散財しながらも、最後は家に解雇通告が送られた。NTTコムウェアと清水の会社との提携が決まった後だった。俺はあの人を許さないほうが良いのだろうかとも考えるが、ドラマと現実の同一視はよくない。NTTコムウェアと清水社長の間に何があって俺はどういう解雇理由なのかドラマみたいに分かりやすく教えて欲しいくらいだ。


ところで、清水社長の会社に行く前は俺は竹山社長という人の下についていて、ジブリの新作(といっても古いが)竹取物語の話も参考になる。「何で竹山の下に付いているの?ウチに来ない?」というような話は数えきれないくらい聞いたが、えっと、ここから話を本題のHSPに持って行かなくてはならない。やっとだ。前置きにしては本題より長いぞ、きっと。


HSPというとネットではオニタマさんのHotSoupProcessorが有名だが、俺の名刺入れを繰るとHannaSystemProductionで名刺に大きくHSPと印刷されている。有限会社阪奈システム開発らしい。だいたいパソコンに詳しいオッサンが居たとして、週刊アスキーなど読んでいた所で、無料ダウンロードゲームで遊んでもHSP(オニタマのほう)でプログラムを組むほど骨太のひとは珍しい。HSPか、何か聞いた事あんな。そして名刺をもらうと「あの有名なHSPの」(違うよ)となるような名前の会社は他にも富士通と全く関係のない「富士ソフト」やマサチューセッツ工科大学とは何の関係もないMITSなどなど、IT業界を渡り歩いて名刺交換を繰り返していると面白い名刺が度々手に入る。


だが、それは傍目には笑い話でも、そんな会社でも従業員が居てみんな嫁と子供を養って社会で何らかの仕事をしているのだ。だから、仕事の話になると結構真面目に、とくにお金の絡む問題は慎重に進めて行く事になる。WindowsがかつてMacOSの模造品であったように、ソフトの業界は勝っている、売れているソフトがあると何かしら模造品を作って二匹目のドジョウを狙う戦略は間違っていないと思うし、そうしないと喰えない人にとっては真剣な相談なのだ。


こういう名刺のほうが俺にとっては大企業の営業マンの名刺なんかより役に立つ。会社がでかいのは名刺をもらえば分かるけど、そういうところは人間を頭数で見るので、俺がどんな能力を持っているとしても割り算の発想で賃金も仕事の分担も決められる。


俺が何かイベントがあるたびに名刺交換をどんどんしていたので、営業筋からも冷ややかな目で見られて辛かった時期もあるが、当時は何故あんなに頑張れたかと言うと、人脈を作る事でどこかでゲーム業界との接点ができてシステムエンジニアからゲームプログラマーになれるのではないかと夢見ていたからだ。そして現実になった。現実になってみるとかつての理想とはかけ離れているものだが、俺はゲームプログラマーでもあるのだ。


そうなった今、HSPの名刺を見ると「これオニタマさんに見せたらどんな顔するだろ」程度の事は考えるけれど、ゲームのほうへ行きたい気持ちが生んだ行動は大小さまざまな会社とそこで働く人間を少しずつ動かして、迷惑をかけて今までやってきたんだなと。名刺入れの名刺はゲームのカードではなく、その裏にひとりの人間がいる証なのだ。