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MTGを遊んで覚えた確率計算

カルドセプト


どうもMTGをやらない人は「小さい怪物と大きい怪物が居て大きいほうが勝って、大きいほうはレアカードでお金を払った人が勝つ」という主観的判断を下しているようですが、ゲームが好きだから擁護的に「そうでない」という人は居ても、実際のところその見解はそこまで的外れでも無いですね。あんまり大きい怪物ばかりだと出る前に小さい怪物を並べて蹂躙されるのですが、小さい怪物から大きい怪物まで小さいのを多く大きいのを少なく入れて行くと序盤に小さいのが出て終盤に大きいのが出て上手く行くというのは数学的に確率計算をしなくても多くの子供が体感的に分かっているので、必然的に体感的に勝負の決め手となっているカードがレアやコモンの垣根無しに価値が高くなります。


でも、俺が感動したのはそういう漠然とした体感ではないのです。あるとき俺は1枚の土地カードを有効だと思ってデッキに入れていました。

Mountain Valley / 山峡
土地
山峡はタップ状態で戦場に出る。
(T),山峡を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから山(Mountain)カード1枚か森(Forest)カード1枚を探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。

俺がこのカードを選んだのは山と森を主体とした赤緑のデッキで、このカードがあると山を引き過ぎた時は森に、森を引き過ぎた時は山にという土地事故を少なく出来ると言う着想を持って入れたのですが、このカードについて友人のO君は驚くべき見解を語りました。


「これは良いカードだよ。ランド率が下がるからね」「ランド率?なにそれ?」「このカードを使ってデッキから土地を持って来たらデッキの土地が1枚減る分怪物や呪文を引いてくる確率が上がるやん」と言うのです。


どういうことかというと、怪物20枚、呪文20枚、土地20枚の60枚デッキで初手の7枚からゲームを進めるとそれぞれおよそ3分の1の確率で引いてくるわけですが、ゲームが進んで土地が並ぶと余分の土地は無駄札になります。そこで山峡のカードを使うと例えばデッキの残りが怪物16枚、呪文16枚、土地16枚であった時に土地の色を揃えるだけでなく、山札の中の土地が1枚へって怪物16枚、呪文16枚、土地15枚となって、有効ドロー率が66%から68%に上がるのです。たったの2%。されど2%。


ゲーム中に2%有利になるカードを10回使えば約22%有利になります。そんなことまで考えてゲームをしているのかと衝撃を受けました。


MTGのチャンピオンデッキにはそういう有利にする工夫が山のように詰まっています。もちろん、その中にレアカードがたくさん入っていたら集めるのにお金が掛かるけど、それは論点が違います。俺はその細かい確率計算の積み重ねで勝つ確率を高めたチャンピオンデッキのレシピに感動してどんどんMTGの虜になったのです。


しかしまあ、この論理は俺が確率計算に甘く数学の得意だったO君はMTGに確率計算を持ち込み、趣味でふれあうことでO君が受験で得た数学的経験を俺に伝授したわけで闇雲にMTGで遊んでいて確率に強くなると言う論法は成り立たないわけです。こういうことを「場末にも三分の理」と言います。まあでも、そういうことを強いヤツはたくさん計算していることを知り、自分もゲームをする時に数字に敏感になったし、それが生活でも役に立つと思うことは幾らでもありますね。論語で言う「ゴロゴロ寝てるよりスゴロクでもする博徒のほうが取り柄がある」という話に落ち着くのではないでしょうか。