色々考えたんだけど


ディープマジック―マジック ザ ギャザリング熟練者のための高度な戦略

ディープマジック―マジック ザ ギャザリング熟練者のための高度な戦略


俺がMTGを遊んで得た知見を誰かに伝えたいという気持ちは有っても、MTGのルールすら知らない人に本が1冊書けるくらいの長話を毎日ブログで断片的に乗せて行っても全部読んで理解する人が出てくるとは到底思えないんです。


というわけで、これでも読んでみろと。ちょっとレビュー頁に恥ずかしい事が書いてあるんですけど、俺の正体を知っている人は目をつむって見過ごして下さい。もう今は古本で買うしか無いんですね。出版当時はカードを置き始めた売れないオモチャ屋に平積みで並んでいたものだったんだけど・・・。


本が1冊書けるといっても、実際に原稿として書いて出版して読まれるまでの時間を考えると本を読んで知識を身につけた人がMTGの大会で勝てるかと言うと、それでは手遅れかなという考えも進行しています。4ヶ月毎に新しいカードセットが出るので、基本的に現在のMTG関連書籍はニュース性のある紹介本を中心に出版されており、雑誌媒体は大会の結果レポートが主となっています。週末のGP神戸はニコニコ動画の生放送になる予定です。本の出版を待たずとも家で実況が見られるわけです。


そしてディープマジックの原著が出版された時と比べてカードの総数はおよそ10倍に膨れ上がっているので、網羅的な攻略というのは既に不可能。


将棋の本でも現代将棋は「矢倉囲いの初段向けの本」というふうに状況が絞り込まれてようやく1冊になっていることを考えると「プロプレイヤーの誰それが書くモダンルールの赤単色ブックの本」という方向に持って行くしか攻略の糸口がなさそうに思えます。本を1冊書けるというより本1冊分の原稿が書けても書籍として価値のあるレベルまで引き上げるにはまだまだでしょう。


しかし、本というのは聖書のように「世の中のすべてが書かれている」というような有り難みが無くとも、読者とて考える人間ですから、伝えたい部分を詳しく書いてその実例ではなく抽象化された思考の本質が伝われば読者の益にもなるはずなんです。しかし、伝えたい事が抽象的なものだとしても実例のない本というのは読み辛いでしょう。


それは今後のブログでも同じことが言えます。今はMTGを買って遊んでいるわけではないので、最新のセットが出たらカードリストを見てこういう方針でという抽象的なアドバイスや、個々のカードを見比べて費用対効果が優れていると思うカードの選り抜きをするだけの簡単なお仕事なんですけど、そういうことはブログで全世界に通達せずに勝って欲しいと思う友人にそう告げるわけです。MTGの世界も競争の要素はあるのでライバルは蹴落とすのもひとつです。しかし、大抵の場合蹴落とさなくても充分勝てるし近い所まで来てもらわないと遊び相手にならないから教えようとしているというのが実情に近いでしょう。「俺より強いヤツと戦いたい」とまだ見ぬライバルを探さなくても大会で勝ち進めば強い相手に当たる事は保証されていますが、そのための普段の練習がサンドバッグよりはスパーリングのほうが良いし、実践的ならもっと良いわけです。


そうするとエゴですね。大会に行かなくても友達が強ければスリリングなデュエルを手軽に楽しめると。俺自身友人のFさんの我の強さに押されて勝てるレベルまで鍛えられた経験がありますから。しかし、こっちが勝ってしまうとFさんもつまらない顔なんですよ。多くの人が自分より丁度一枚下のレベルまで来てくれて、そこでチャンピオンになりたいというエゴなんでしょう。


せっかくだから友達に言うように1枚カードを選り抜いてみると、基本セット2015の青のカード霊気渦竜巻(れいきうずたつまき / AEtherspouts)というカードは用途が広く組み込むと面白いことが起こせそうです。5マナ(3UU)の割には起こす効果が状況次第で相当に大きくなるカードです。でもレアカードですね。それでも基本セットを1パック320円で買ったとして、このカードが封入されていれば当たりと言えるのではないかと。パックには1枚必ずレアカードが入っています。そしてアンコモンが3枚にコモンカードが11枚。コモンカードもレアカードも種類は同じ数ありますから、レアカードが全部揃う頃にはコモンカードは11枚だぶつく勘定になります。だからコモンカードで効果的なカードがあれば遊んでいる友人から譲り受けることができても、レアカードで効果的なカードはなかなか譲ってもらえません。まあだから霊気渦竜巻が良いカードだと知っていても買わない人からしてみると無価値な情報だろうけど、もしあなたがMTGを遊んでいてカードを買ってその中に霊気渦竜巻が入っていたら捨てずに試してみて欲しいカードではあります。ベテランなら誰しも気付く潜在能力ですから。


さあ、書くだけならいくらでも書けるんですけど、まとまって読みやすいものに編集する仕事を何年分も放棄しているのが問題です。どうしたもんでしょう。こればっかりは自分で決めてやるしかないですから。


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