俺のイカンとこね


いや、俺のイカンとこなんて数え上げればキリがないんだろうとは思いますが、態度と言うのは難しいもので「つべこべいうな」と「つん黙るな」という中間くらいに丁度よい所があり「丁度よく喋れ」では命令にならないと言う。丁度いいってどのくらいか理路整然と説明するまでに人生は終わる。

島国大和のど畜生より
http://dochikushow.blog3.fc2.com/blog-entry-3005.html
実際のところ、本当にいいアイデアとは、1つの工数で2以上のメリットを得るようなものを言う(宮本茂)から、導入メリットのほうが高くて当たり前なので。
 現場にだけ苦労を強いるようなものは、アイデアとして破綻している。
 そんなものを強要すれば、プロジェクトを緩やかに破綻させていく。

(中略)

だが「よーしやったろうじぇねぇか。それでお前は責任とるんだな?」みたいなケンカ越しは、日本の労働環境にはそぐわないから。


俺は設計事務所勤務時代にプリンターシステムを組み上げて日本HPに行ったのだけど(富士通系と同じ詰所だった。富士通は色々の会社に顧問として入っているんよな。そこを外国資本でコンパックを吸収した日本HPがポストを狙っていて、いまはオランダの会社のランスタッドから話をもらっているが、向こうから来る話に上手い話は無いので一度は断っている。本当に金が無くなったら考える)


組み上げたのに何でダメなのかと言うと、プリンターシステムの仕様はこうだった。「プリンターに計算結果を出すのにプログラマーに頼むのは面倒だからHTMLみたいに簡単なスクリプトで帳票を直せるようにして欲しい」前にも書いたがこの仕様は数千万のプロジェクトとして外注されていたが頓挫してレガシーコードが残っているものの動かないものだった。


プログラムを分かれというのは無理にしても、はてな使ってる人ならHTMLくらいはやったことがあると思う。その前提で書く。厳密にはHTMLではなく構造計算書という役所に出す書類専用のBMLとでも言おうか、XMLのほうが近い。


HTMLのように簡単なスクリプトで帳票を表現すると、まずその人はHTMLを知らないと行けない。また、せっかく覚えてもHTMLでは出来ないことというのが出来てしまう。プログラムで出来てHTMLでは出来ないなら、プリンターシステムを諦めてプログラムするかHTMLで出来る範囲でやるしかないのだが「せっかく作ったのだから使いたい」とプリンターシステムのHTMLを改造して実現することになる。ようするに二度手間になるのだ。


おおよそ昔から現場にいた先輩達は分かっていたのだろう。出来ないとも言えないし出来るとも言えないから、注文を受け流す感じで「ここまでは作ったんですけど実用性を考えると〜」みたいに何年もそのシステムを放置している。任される前からそのシステムの担当になるイコールクビなんだろうと思う。絶対に出来上がらないから普通に仕事をしている人をいきなりクビにするのではなく、何か出来上がっていらなくなったらプリンターシステムに回して「できなかっただろう、責任を取れ」という状況に放り込んでからクビにするのだ。


しかし俺は3ヶ月と言う無理な納期で会社の近く(徒歩5分)にマンションを借り泊まり込んでそのシステムを組み上げた。出来上がったので即クビではなく1年くらいは完成したシステムの電話サポートに回って、結局日本HPに行くまで仕事はあった。


この「絶対に出来ない仕様の仕事に回して責任を取らせる」というのは日本企業の風習のようなもので、設計事務所を離れてから受け持ちになる仕事は本当に無理強いばかりだった。その話は追々書くとして、冒頭の

だが「よーしやったろうじぇねぇか。それでお前は責任とるんだな?」みたいなケンカ越しは、日本の労働環境にはそぐわないから。

という話に尽きる。
実際外国資本の企業に一度は入ったわけだし、帰って来てもそんな調子だ。仕事を成功させることで長い目で見たプログラマーの負担を増加させる形に全ての仕様を持って行ってしまったのだ。関西のIT企業のプログラマーの皆様には申し訳ないと、この場で謝っておきます。いいかげんな経営者の言うことばかり聞いていたらダメなんですよ。経営の勉強にと稲盛和夫とか最近読んでますけど。


島国さんの指摘は鋭いと思います。普段は大半意味が分からないけど。ありがとうございました。


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