読み合いに理屈を付ける

ストリートファイターIIは結局のところ色々の技があるが論理だけでは勝負がつかないジャンケンのような博打の要素があり、常勝は不可能だと結論づけました。


だから最近はキッパリ辞めてしまったのですが、それで頭が衰えたような感覚があるんですよね。ジャンケンのような博打の要素があって答えの出ない問題だとしても、それに答えを求めようとしていた時期に考えた量というのは博打であるから常勝法はないと言う簡単な答え以上のセオリーがあるわけです。


これはつまり、将棋もコンピュータが極まると先手必勝になるとしても、その中盤の手の広がりは人智を超えていることと似ており、麻雀も14牌からひとつを切るだけのために人がしている予測は結構に複雑だということにも通じていると思います。将棋ほど多岐には渡らない。ボタン6個で出る技も麻雀の役や捨て牌ほどの読みは無いかもしれない。しかしストIIにはストIIなりの定跡や読み筋があって、それを極めた結果が常勝にはならなくとも、何も知らないとは雲泥の差があるわけですよ。そのへんの理屈をスッパリ切り捨てた生活は味気ないです。


たとえばガイルがソニックブームを出してブランカがそれに即座に飛び込めなかったとして、ソニックブームの気弾が出てからブランカが飛び込んでも勝算はあるんですよね。ソニックの気弾が出るとガイルは動けるようになるのでブランカの飛び込みにガイルもジャンプキックで迎撃にかかる、そうするとブランカもジャンプの頂点付近で技を出す。あるいはガイルが下がってブランカのジャンプが届かない場所からしゃがみ中キックを出す。ストIIならこれで確実にダメージを奪えるけれどストIIダッシュではガイルの中キックの先にブランカが強パンチを合わせる事が出来る。


このへんは飛ぶとブランカが不利に陥るので、突き詰めるとブランカは気弾が出てしまったソニックには飛ばずに垂直ジャンプやガードで凌いで、次のソニックにチャンスを待つほうが得策なんですよ。でも、ゲーセンでやってると飛んでくるブランカはいくらでもいるし、それを取りこぼさないようにガイルを操作するだけで頭はけっこう使うもんです。格闘技には試合という言葉があるように、ストリートファイターもラウンドを長く使って初めての相手に常に最善手を打つわけでなく、どの程度の力量があるか甘い技を出してみて試すということをやり合っているわけです。


そうして相手を試した結果がお互いが最善手を尽くす前提での勝負ではなく相手の知らない角度から弱点ばかりを突いて勝つという要素があるので、ジャンケンの様に運否天賦で勝敗が決するのではなく勝敗に明らかな差がつくと言う状況に追い込んで行ける。


しかし、このへんはネット対戦や大会ビデオなどの普及で最善手を知っている人が多くなって試し合う余地が少なくなって来ている事も事実です。面白い時期もあったけど、やり込んだもの同士では最善手はおおよそ分かってジャンケン的になるよね、という合意もまたあるわけです。


だから、今からストIIを再開しても昔の様に頭は使わないかもしれない。それで、突き詰めると運否天賦なのはそうだとして、右も左も分からない初心者から達人までにどういう試行錯誤をしたのかということだけは忘れてはならないし、建設的な時間の使い方をしてきたその記録はどこかに残したいと思い始めたわけです。まだストIIで遊んでいる人もたくさん居ます。その辺と変な摩擦をしない範囲でこれからもストIIをテーマに何か書いて行こうと思います。きっと伝わるように書けると言う確信が宿りました。