器用貧乏
なまじ器用なために一事に徹することができず，結局，大成しないこと。
何の能もなかった子供の頃は何も能がないより器用貧乏という言葉があっても色々出来るほうが良いと思って大人になったわけだけど、まあご覧の通り文才は無い。絵も小学校の頃は熱心に書いていたがいつしか胡座をかいて書かなくなり歳から考えるとそれで喰うにはほど遠い。ギターも弾けるが下手が。本業はプログラマーだが仕事を選んでいるので収入は少ない。まあ、プログラムは需要がたくさんあるので下手でも喰える。だから喰える。それだけだ。背丈には恵まれているが筋力もあんまりない。
ようするに辞書の通り一事に徹する事が出来ない、それに尽きるんだろう。プログラマーに絞ればまだ助かるかもしれない。でも自分としては音楽の道を諦められない。いや、ギターは上達しないしDTMをやってみて1年で総再生回数が2000回くらいで気持ちは諦めてるんだ。そうだ、やってみてダメだったのを忘れてまだやっていないからコレから何とかしようと錯覚してるんだ。俺は音楽はダメだったんだ。しかしプログラマーを本業にする腹がまだ据わらない。
プログラムも制御や事務ではなくゲームプログラマーに成りたかったが、これも自分が憧れたファミコンのスターフォースくらいのゲームをVisualBasicで作って自己満足してそれで喰うなんてことは企んだがやっぱ無理で仕事としてするにはソシャゲーの話を持ちかけられたが断ったんだ。ソシャゲーなんて作るくらいなら家電の組み込みマイコンでも作ったほうが世のためになるし面白いと思った。
友達のバンドが売れてなくてレコードの発売を教えてもらってから店に行くまで2週間ほど忘れていたのだけれど、ちゃんと残っていた。残念な事に一枚の入荷はされても売れなかったようで回収しといた。俺も音楽配信の契約金を年間2500円ほど払ったが一枚も売れない経験をしたことがあって、まあカネの入る仕事をしているから友達の分くらいは買ってやろうと思ったわけだ。しかし聴くとこのくらいなら俺の曲とそこまで変わらないんじゃないかとも思える。
本当に音楽で喰う気があったら電話番号の分かる友達みんなに「買ってくれ」と頼んだら100枚くらいは買ってもらえるかもしれないが、その昔に親戚の同窓会で裏方としてけっこう有名な音楽家の人が自分のレコードを出して売れなくて買ってくれと100枚くらい持って来た話を聞いたことが有って、絶対にそういう迷惑な人にはならないでおこうと思ったものだった。
器用貧乏。なまじっか器用なばかりに一事に専念出来ず大成しない。俺は将来歴史の教科書に載るくらいの偉人に成りたいと思った事はあるが、こんな形で辞書に載る人になるとは思っても見なかったぜ。
