ペペロンチーノは唐辛子という意味の言葉だが

親父が昼飯をコンビニで買って帰ってやろうと電話を入れてくれたのでセブンイレブンの大盛りソーセージペペロンチーノを頼んだのだが。帰りのクルマでひっくり返ってオリーブオイルが容器からこぼれて白スパとソーセージと唐辛子とニンニクだけになったまずいスパゲティに俺は不機嫌になった。「なんでこぼすねん!」と。

ところで、ペペロンチーノはスパゲティにオリーブオイルが絡んでいるのが美味しくて、パスタのカロリーが100gで131kcalに対してオリーブオイルは100gで884kcalだから、皿の底に少しだけ溜まっているオリーブオイルでもペペロンチーノのカロリーのかなりの部分を占めている。それなのにオリーブオイルスパゲッティと言わずに唐辛子であるペペロンチーノが料理の名前になっているのは何故だろう。ざる蕎麦を「わさび」と呼ぶようなものだ。不思議だ。カルボナーラも炭という意味だがクリームとチーズを絡めたパスタだ。黒胡椒を仕上げにかけるのでそれが炭のようでカルボナーラと呼ぶらしいが。イカスミスパゲッティがカルボナーラなら分かるがクリームパスタとは呼ばない。不思議だ。

なんとなく料理のレシピや材料を知らない貴族階級の人間を騙すのに付けた名前ではないかと想像したが、あくまで想像なのでウィキペディアで調べると、実はアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノが正式名称でちゃんとオーリオ(油)は入っていたのだな。邪推であった。何でも材料が何もない時に作れる最も貧しいパスタらしいが、実際にコンビニのスパゲッティの中では(カロリー/価格)のコスパが一番高い。

実はファミマに超大盛りミートスパゲティが売られていた時に、仕事帰りに弁当が売り切れているとそれとファミチキを毎日買って帰っていた時があって、ある日大盛りミートスパが無くなって代わりにチキンの乗ったペペロンチーノが売り出され、セブンイレブンがそれを真似たので「これはレジに打たれたメニューから人工知能か何かがが俺のために作ってくれたスパゲッティなのだろう」と信じて俺はそれを買うようになった。

店員さんによると肉体労働者のおっちゃんにも人気らしい。こんなものを買っていたら貧しいと思われても仕方ないが、コンビニの店員さんに大盤振る舞いをしても時給は同じだろうと思っていたらオークワの近くの交差点のセブンは閉店して最寄りコンビニが遠くなった。やはり共存共栄のためには身銭を切ってミートスパを買わなくてはな。

そういうことを考えていると居間でテレビを見ていた親父がミヤネ屋に小室哲哉さんが出ていることを電話で教えてくれて、その放送を見てオリーブオイルがこぼれたことを忘れて機嫌が良くなった。そう、俺は機嫌がいいのだ。


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