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あんたアイティーやろ。おばちゃんようやっと分かってん!

Yahooパートナーで婚活を始めたんだけど職業欄に悩む。

とりあえず非公開のまま、会社員と書くべきか自営業と書くべきか。

時々コーヒーを飲みに行く喫茶店のおばあちゃんの言葉を思い出す。

「あんたな、仕事聞かれたらシステムエンジニアとかビジュアルベーシックとか難しいこと言うやろ。そんでな、ビジネスしとんねんって噂が立つんよ。おばちゃんの店でな、ランチのピラフなんか出たの20年ぶりやわ。近所の人もな、なんでそんなお金持ってんのってびっくりしてんねん。」

「おばちゃん分かってん!あんたアイティーやろ。そねんゆわなアカンねん」

「ここらへんの子かってな、お金持ってへんわけとちゃうで。せやけど何にも外で使わへん。みてみい、建ってんの銀行ばっかりやろ。あっちのレストランの店長も急にお客さん来た言うてびっくりしてんねん。あんたアイティーやろ。それで上手いことやったろ思ってくれたんやろ。けどな、ここらへんはアカンわ。みんなそんなやる気ないて」

俺は近所で就職がなく大阪で会社員をしていたが、自分の住んでいる町のことをあんまり分かっていなかった。会社に行くとみんな事務所のそばでランチを食べて、コンビニでデザートを買って、会社から出ている給料が近隣の商業地を賑わせる。でも満員の通勤電車は毎日苦痛で仕方がなく、会社のそばにマンションを買って住んでいた。しかし事情があって両親が離婚して俺は親父のいる生家に帰ってきた。それから投資が上手く行って、貯金をやりくりしながら暮らしている。そうなる前は家から大阪までまた通って、大阪が会社のお金で回っているなら自分で家の近所の飲食店などにお金をばら撒いて自宅のパソコンで何か出来ないかと試行錯誤していた。

それは、近所の飲食店の店長がみなびっくりして変な噂が立っただけで、俺は町ではただの怪しい人にされてしまった。ひどい時には警察に職務質問されて長話の結果「あ、パソコン関連のお仕事をされているんやね!(キラーン!と閃いた音)」と言われたり、親父の店の周りにコンビニで買った惣菜のゴミがいっぱい捨てられたり、変な嫌がらせを受けて困っていた。

そして、今日になってようやく、俺は会社員ではなくアイティーであって、近所の人にはまだその仕組みが分かっていないということが分かった。

大和郡山でアイティーをするには筒井のパナソニックの工場か美濃庄町のシャープの工場が適している。SOHOなんて百万年早かったのだということが分かってきた。町の人から見たら工場はパナウェーブ研究所のごとく不審物であり、地域の人を雇わずに遠くからバスやクルマでやって来る。地域の人ができる仕事は工場の中で作られる不審物をダンボールで梱包する軽作業くらいしか割り当てられないのだ。

工場の中で何を作っているのかというと、地域の人に説明するには「パナソニックもシャープも最近ではアイティーなんですよ」と言うしかないのかもしれない。