国際分業という考え方を推し進めるとどうなるか、考え中

農業を軸に考えると地域の気候によって特産物が変わるので、世界の各国が自国の特産品を作り貿易をする。日本は農産物の自給率が低くハイテク工業とバイオ産業を得意としている。

日本が工業国であるという観念はNHKスペシャル「電子立国ニッポン」などで後押しされているが、たとえば東京工業大学卒業で上場企業勤務と言うと、日本では給与水準としては高い方に属するだろう。それがアメリカンな考え方だと「機械作っている人」になり、スーツに白襟を着た政治家よりも作業服の身分が低い人間というイメージになる。これはつまり、貿易で勝つのはアメリカであり、日本人はみんな作業服を着て機械作っとけばいいというところまで論理が進む。

しかし、現実はこうだろう。ハイテク工業だろうがバイオ産業であろうが、垂直分業のロウレベルの作業は全て植民地に委ねて先進国はみんな遊ぶだけというヒエラルキーの国際化が現在進行中であると。

消費者は1台しかないから「このアプリどっちで出るの?」とか「どっち買えばいいの?」という問題になるんだよな。家計でひとり1台しか持てないから二者択一になるけど、「選挙の時にどこに入れたら日本が良くなるか」という問題に大半の国民が関心を持たないからiPhoneAndroidどっちが良いかという問題でiPhoneが勝つんだよな。

iPhoneが勝つとはどういうことか。「iPhone部品が日本産だから日本の工業は優秀」という論理で語る記事を読むと「そうなのか」と思うけど、それって「日本のラーメンの小麦は中国産だから中国の農業は優秀」って言われても「へ?」てなる。そのうち部品は中国産になる。日本の工業はたぶん違う形になっていく。

そうすると、日本って国際的に見てどれくらいの国なの?良い国なの?悪い国なの?国際化社会において国籍ってそんなに大事なの?個人でもお金持てば飛行機に乗ってどの国にでも飛べるんだから、勉強したりスポーツ勝ったりすれば国際人として成功できるんじゃなかったの?というような疑問が増えてくる。

分かることは日本の工業の国際競争での分が悪くなるということくらいで、それがひいては国民全体にどういう影響を与えるかまでは分からないよね。

 

 


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