俺の見てきたコンピュータ業界の20年をちょっと振り返ってみる

昭和時代の終身雇用の一般企業イメージだと新入社員がいて先輩がいて課長や部長がいてって、社内ヒエラルキーがありつつも封建時代的だと批判されること無くその在り方を一般的な会社のイメージとして持っている人もいると思う。

会社に入ったことのある人ならともかく、山口六平太とか美味しんぼとかで出てくる会社風景はおそらくは出版業界の一般像だと思ってんだけど、自分で最初に勤めた所はどうなのっていうと、そりゃ色々な所があるわけで。

ソフトウェアの業界でも美味しんぼ的な会社はあるし、そうでない会社もあるんだけど、どちらかというと会社は窓口業務だけでお客さんの会社に技術者を送り込んで仕事をさせるって形態がたくさんある。そんなもんだから仲の良い人の輪の会社の中で技術者ひとりが部外者としていじめられるというような希少なケースがネットに極端に描かれて悪いイメージになってるけど、そうじゃなくて商慣習で仲の良い会社から新人さんを預かって会社の仕事を教えてもらえるというようなケースもある。

自分の周りが上手く行っていると上手く回っているように見える。

そして、何年も続ける人自体が珍しいと言われるソフトの業界に長く居座るとそういうお客さんの会社から放り出された野武士のような野良システムエンジニア、野良プログラマーというのが業界の一角を成していることが分かってきた。

彼らは何とかしてどこかの会社に常駐したい。しかし年を食ってひねくれていて、お客さんの中で新人同様の扱いを受けて可愛がられるという時期を過ぎているし、どこかの会社でそこの仕事を覚えていても会社が変われば仕事も変わるわけで、お客さんの会社で社内SEとかがいると、追い払われる形になっていく。

そういう人を生み出してしまったのも元を正せば窓口業務だけで人を送り込んでいた会社のせいなので、そういう人に居場所を与えるのもまたコンピュータ業界の責任であり、お客さんに買ってもらえなかった技術者を大量に抱えてビルに放り込んでいるのが大手システムインテグレータの実情、

しかし、若いうちからそういうところに放り込まれる人もいる。どんな事情があるのかまでは全て知っているわけではないが、派遣が悪いという印象から大手への正社員入社を望んだらタコ部屋のオッサン連中に若い管理職として付けられたという話なのだろう。

そういう人は本来上司になっているはずの年の人から仕事を教えてもらえない。

それはそれで、俺の20年は何だったんだろうな。買ってもらう身でお客さんの良し悪しを語るわけにもいかないが「よその会社から仕事を手伝いに人が来ている」という建前を無視して「金で奴隷を買ったから何をさせても良い」という風潮のお客さんの下では長いこと働きたいとは思わないよね。色々な会社を見てきた分、居心地のいい所の味を覚えると辛い仕事に対して我慢が出来なくなる。きっと贅沢になったんだろうな。