ギプス3日目

おとといから整形外科に行く前に湿布張って安静にしてに応急処置をしていたのと、受付で病状をボールペンで書かされて痛いのをこらえて書いたので看護婦さん同士が「突き指くらいで大げさに」とひそひそ話したのが聞こえたけど、今朝は内出血で出た血がギプスで締まって指の方に流れてきて、指が青紫でパンパンに腫れてきた。骨折って後から来るって言うじゃない。なるほどねー。

指は出ているので何も出来ないわけではないけど、ゲームは自重、ギターはやってみたら指がもっと紫に、パソコンは余裕。ケータイは左手持ち。んでおやつの袋が破れなくてハサミを左持ちしたら切れずに手こずり、刃の合わせ方が右手と反対であることを意識してやると出来たけど、世の中には多分左利き用のハサミもあるんだろうなと。ナチュラルに力を入れて切れるのは右持ちだけなんだ。

以前から天才は左利きと言うので左手で何かをする趣味があって、それが今になって割と便利に機能してる。歯も左手で磨くし、爪切りもオッケーだった。爪切りはもともとから両手使うけどさ。ご飯も左手で食べるんだけど、フォークは楽勝でスプーンは微妙。お箸は短く持つとどうにかなった。ひげ剃りはミスると怪我するから悩む。

ケンカをして殴った手を痛めるという現実を手が使えない生活から猛省して、強いってなんだろうと哲学的な自問に入ったところで日馬富士の報道をテレビで見た。力って何のために使うものなのかということをもっと物理的に煮詰めていかないとね。

俺は自己中なので「物理的な仕事というとモノをどれだけ動かしたかだからプログラマーなんて何の仕事もしてないんじゃ」と言われると「電気や磁気でメモリを書き換えているわけで微細な仕事しかしていないようにみえるけどそれで物の形を作ると機械で量産できるわけだから〜」などといくらでも理屈を付けて回ってきた。しかし、その考え方を延長すると人間がものを考えることだって脳の中で電気か何かが動いているわけで、その結果として筋肉に出力されたのが「グーで殴る」ではな。

腹が立った相手が無数にいて問題解決の方法が「片っ端から殴ってみる」「ひとり殴ったら色々の人がやめさせる」という順序になって、やり方は知的ではなかったかもだけど家の近所に嫌がらせみたいな人がいっぱい来るという現実は改善された。

いじめのとき、多数派について加担や静観をする人間はみな自分のところにいわゆる物理的な被害が及ぶことを最も恐れている。だから、多分やめさせる効果はあったんだと思う。

それはそれとしても、働き盛りの男が物理的というか筋肉や骨格を活かした仕事をしていないことに対する不満が近隣へのいやがらせの原因であることも分からなくはない。

怪我をして不便だと、人に手伝ってほしいと思うことは増えるけど、その不便さは自業自得であるので、左手で出来ることはちゃんとやっているうちに、怪我が治ったら右手ももっと別の役立て方があるだろうなと治るまでしっかり考えるという仕事をしようと思っている。


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