アクエリアスのCMがRADWIMPSで

思えばミスチル初めて買ったのアクエリアスのイノセントワールドだったな。

ちょうど、今で言う「ゲスの極み乙女」くらいの話題的にも古いし大して取り立てるほどの曲でもないし、そんなん買ったら友達から「いまさらゲスかよ!」といじられそうなポジションだったミスチル。そう、男子校で女子いなくて流行に鈍感でミーハーは嫌よねとか思いながら、なんでそんなん買うねんと思うようなものばかり買った。

そして、やや憶測の域に入ってみると、レコードの売上何万枚とかメディアに出ている数字ってちょっと信憑性が薄いと思っていて、その昔に作家っていくらくらい儲かっているのか書店で並んでいる数を数えて電話帳で書店の数を数えて掛け算して、ホンマは言うほど出てないんじゃ?と、結論付ける前に東京だけでそれだけ売れている可能性も否定できないな、と考えたのはそこまでなんだけど、当時でもレコードを買う人よりレンタルしてカセットテープにダビングしてウォークマンで聞くのが多数派に思えた。

実際、近所の書店に並んだミスチルのシングルを買ったの見た限り俺だけだったし、そういう裏事情を分かっている筋から「テレビで15秒サビが流れただけで商品であるアクエリアスを買うんじゃなくてCDを買うやつがいるのか!?」と驚かれたのかもしれない。

「いまさらゲスかよ!」といじられる、ゲスじゃなかった、当時は「なんでミスチルなん?」といじられながらも、ミスチルはみるみるうちに音楽番組でランクインして見ていて面白かった。それからレコードとテレビと俺の不思議な関係はしばらく続いて、普通の人からしたらただの青田買いがたまたま流行に乗っただけじゃ?かもだけどね。

それから割愛すること20年、テレビを見ていたらポッキーのCMに爺さんになったYMOの3人組がみな手にポッキーの箱を持って「ポッキーを!」って言うCMがあったのよ。なんでいまどきYMOと思いながらもYMO好きな俺はコンビニにダッシュしてポッキー買ってみたの。そうすると、今度はコンビニとテレビと俺の不思議な関係が始まって、もう自分のそばに居る人には当然なんだけど、当事者以外には精神病か何かと思われても仕方のない偶然に目が回るばかり。目が回ったら「シャキッとしーてちょうだい」と乃木坂が歌ってて飲んだらシャキッとするメガシャキをまたコンビニに走って買いに行くというサイクル。

そんで何だっけ。そうだ、RADWIMPSだ。これ見てアクエリアス買う高校生ってどんくらいいるんだろね。君の名は見た人、レコード買った人ってのは多分結構いて、広告代理店からミュージシャンに「前前前世」みたいのもう一曲お願いしますみたいなオファーが来るんだろかね。そこでアクエリアス買わずにRADWIMPSのシングルを買う高校生とかもしいたら、俺とおんなじ不思議な世界に入っちゃうフラグになったり・・・

しないよな。

ポッキーはスーパーで小袋6本入りのお徳用が出て、親がおやつに買っておいてくれるようになったよね。コンビニで100円のポッキー毎日買ってたら世界がゆるやかに変化しているのを感じたよ。

「どうして俺に白羽の矢が?」って思うけど、テレビにいじられ続けた20年だったよ。犀川先生はテレビを見ないから独り暮らし始めたすぐは部屋にテレビ置かなくて、その頃は本屋にからかわれ続けていたような気がするよ。

アマゾンの新刊ベストセラーがジャニーズの写真集だったりして、そうよね、うら若き乙女の趣味というとジャニーズ追っかけて甘いもの食べてお話してだよね。ミスチルもそこからシェアを削るために作られたバンドのひとつだったのかもしれないよね。

削るどころかムーブメントであったようにすら見えるってのがメディアの威力だわ。


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