格闘ゲームの美学について触れてみようかなと

ブログのレイアウトを変えて雑誌定期購読の広告を入れたんですよ。以前にも扱っていたことがあって、やめたのは見返りの問題なんですけど、お金の問題では代えられない問題を見直しまして。いやね、音楽雑誌の部数の出ていないのとか手伝うと自分の応援してるミュージシャンを贔屓にしてもらったりと、広告主と代理店の関係でなくほとんど読者とファンの関係なんですけどね。紙媒体も競争で安くなってますよ。定期購読で50%オフとか。宣伝、宣伝。

そんでね、カルチャー誌を全面に出してるんですけど、広告を打つ時に新刊案内にするかキーワードで検索してそれが載っている号単位の案内にするとか、色々のメニューが有るんですよ。それで「ストリートファイター」とか「マジック・ザ・ギャザリング」とか検索しても、紙媒体では2年前くらいのものしかかからない。「俺もやってねーしな」と納得してしまったんですけど、そう、それゆえこのブログは読まれているのかもしれない。俺がカルチャー全般を取り上げても上手い人は他にいるわけで。

そんでホテルのトリヴァゴの金髪のおねーちゃんが日本語上手いってテレビに出て、スッキリ加藤さんの日本語が全然通じていないさまを見てですね。バイリンガルとかすごいけど、日本人の若者の他愛のない会話の流行語や略語のわけわかんなさって世界と比べたこと無いけどすごいんですよ。俺はそういう意味で英語は旅行レベルだけど、格闘ゲームスラングとかはどこで誰が変な言葉を使っても大体の意味は理解できて。

そんで、最近の自説では「ジャンケンみたい」と落としている格闘ゲームなんですが、なんでそんなものが何年も遊ばれたのかというと、お金の出し惜しみをしない奇特な人に支えられていて、文句がある人はいくらでもいるけど、丁寧にクレーム対応をすれば顧客になりうるという仮説の前例になっていると思うんですね。

いきなり波動拳打って、飛んだら昇竜拳てのは誰でも分かるけど、そうするとただのジャンケンや半丁博打になるのでやめましょうと。ジャンプキックからの投げも投げと投げ返しとリバーサル昇竜のジャンケンだからやめましょうと。

そうすると体力ってどうやって減るのかというと必殺技をガードした時に僅かに体力が減る「ケズリ」ってのがあってですね。飛び込みをガードしたらそこから地上攻撃に連続ガードでキャンセル必殺技までワンセット。ここで削って数ドット奪って距離が離れて仕切り直し。

そのルールに「待ちなし」もあって、半分くらいもし何かでリードしたらハメ無しで待って削り続けても、ストIIだと99秒削り続けて丁度KOくらいなので、徹底的にガードされると削りルールでは遊べないんですよ。だけど、そんなことをお互いにやっても100円勿体無いって気持ちがあったんでしょうね。負けたら100円勿体無いって考え方より、お金を出すのはお互い様で言いっこなし、100円払って互いに動かしているのだから、納得感のあるゲームがしたい。

まあ、セコいやつは負けそうになるとこっそり投げたり、最初のうちは攻めるけど負けそうになると待ったり、あくまで暗黙的にだから破るのは勝手だったんですけど、そういう人が居たら居たでルールに則ったまま勝って名声を得ようと燃える人も居て。バカですね。そんなことに100円玉を湯水のように使っていたんですよ。

他人同士で通信対戦をして、負けたほうが相手に文句を言ったら普通に客同士と考えたら恐喝に近いですよね。100円払ってんだし何でもいいじゃん、ゲームだし何でもいいじゃん、ルールは既にゲームプログラムで決まってんだからその中で何やろうといいじゃんって若い人ほど思うんですよ。だけど、もし対戦相手が店からゲーム代をもらっているとしたら・・・?文句は何でも聞きますよね。

それはお客さん同士でも、格闘ゲーム愛の深い人ほど「相手も100円払ってんだから」という理由で自腹切ってもルールを飲んでやりあってたって、やっぱ奇特よね。

やっぱね、決まりきったルーティンの8ビットゲームに飽きていた人がストリートファイターに熱中したのって16ビットになったからだけじゃなくて、相手が人間であるがゆえの喜怒哀楽の伴った人間模様を楽しめたからなんじゃないかな。

俺ね、ネットゲーで空気読むのは無理なの。顔が見える距離で表情が分かったら、やらないことってあるじゃん。それが反対にそういう人間模様が分からなくて、ルールはデジタルのみってネットゲーにかえって没頭する人もいるのは知ってるよ。

もう、そこらへんの議論も全部過ぎ去った過去のもの。ゲーセン自体も無ければゲーセンあっても格闘ゲームがなくて紙媒体も取り扱ってない。あれは何だったかと振り返ったら、今の言葉にするとクレーム対応の接客業だったんじゃないかな。

書き始める前は格闘ゲームの美学ってタイトルつけたんだけどさ。


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