到底信じてもらえないのも無理がないのは分かる。けど信じて欲しい。

ここ2年半くらいは引きこもっている。だから、この2年ほどを観察している人から俺が引きこもりやニートに見られたら、それは致し方ないことだと思うし、何してるのと言われると面倒なので「ニートです」で済ませることも多い。別に興味のない人からどう思われても構わないという無頓着で面倒くさがりな性格が大きな噂になって集団ストーカー被害とかにつながっているとしたら、俺にも責任がある。
嫌がらせをしてくる多くの人が俺をプロゲーマーだと思って、そんな職業のやつにはどんな嫌がらせをしても良いという行き過ぎた感情で行動しているらしいということを知った。確かにブログではゲームのネタが多く、25歳の時にはゲーム遠征で渡米して賞金も取った。しかし、今は40歳。15年の間というか、22歳から25歳までの3年間も俺はプロゲーマーではなく設計事務所プログラマーとゲーマーの二足の草鞋だった。朝起きて出勤する前にセガサターンを起動してストIIXをリュウでクリアしてから谷六までJRと地下鉄を乗り継ぎ、定時まで勤めてから皆が残業しているところを逃げるように帰って、天王寺や梅田でゲーセンに寄り道して終電までゲームをしていた。
スーツでゲーセンに居るというのは当時とても珍しく、上着を着ない夏服だと丁度大型ゲームセンターの店長のようにも見えただろう。ある日ゲームで連勝していると高校生くらいが「店の人やのに全然楽しませてくれへん!もう来たらへんからな!」とごねてきた。「君、何言うてんの?」「お客様になんだ!なにをおっしゃるのだろ?」「俺も客なんだが・・・」「えっ?店の人ちゃうの?」「ちゃうで?」「店ひとやと思ってやってたわ」とまあ、その時はその高校生だけがそう思っていると思っていたが、振り返ると多くの人がゲーセンの夜勤か何かだと思っていただろう。実際、俺は19歳の時ゲーセンでバイトをしていたことがある。
それから、俺は大阪にマンションを借り転勤族となる。厳密な順序としては渡米の少し前になるが。あの時にマンションを借りていなかったらアメリカにもっと長く居たかも知れない。家族関係が崩壊していて、とにかく家族全員を捨ててひとりのほうが楽だと思ってそうしたのだった。だから、家族は俺の仕事のことは何も知らないし、当然近所の人も知らない。しかしキューピー堂というオモチャ屋から駄菓子屋ゲーセンになってたこ焼き屋やクリーニング屋に商売を変えながら店の中にずっと置かれたネオジオの筐体で遊ばせてくれた店のおばちゃんと兄ちゃんにはたまに仕事の話をした。それがさらに話をこじらせた。全部ウソでホラ吹きだと決めてかかっていたからだ。
プログラマーという職業は転勤がつきものだった。当時はプログラマーの絶対数が少なく、企業は社員だけではソフトウェアの仕事をこなしきれないので、ソフトウェアの外注が多かった。しかし、外注しても失敗してお金を損するケースも多く、そこで登場したのがいわゆる派遣である。ソフトウェアの会社からプログラマーに自分の会社に来てもらってそこでプログラムを組んでもらう。10年の間に派遣の言葉の意味は変わった。特定の業種の人材不足を解消するためでなく、企業の決済の埋め合わせにあらゆる職種が派遣として認められた。だから俺は「ハケンやろ」と嫌味な口調で言われるのが嫌でプログラマーをやめた。
転職活動は難航した。ゲームプログラマーになりたいと思っていて、35歳で雇ってもらえたけど、ファミコン時代に抱いたイメージと違って今まで働いていたプログラマーと仕事の内容はさほど変わらない、しかし全員がプログラマーというわけでなく、絵を描いたりゲームで遊んだりしている人の中でプログラマーという職種の地位は低く、それが苦痛でストレスとなり体を壊して辞めた。それまではプログラマーであることは自分の誇りだった。ズタボロだった。ゲーム会社に行けば自分よりできるプログラマーがいて、それでも地位が低い。
元の会社の人脈で転職活動の資金が底をついたら派遣であることを隠してプログラマーの仕事をもらった。下請けの名前も隠して、勤務先がシャープなら「シャープで勤めているんだ」と言う。話す相手はネットくらいしか無い俺だが、散髪屋のおっちゃんだけは無言だと辛いのでそこから噂は広まった。しかし、やっぱり派遣なので一定期間が過ぎると契約が終わったりする。すると、次の仕事をもらえば良いのだが、お金は貯めておいて他に面白い仕事はないかとふらふらとする。
すると「前はシャープやって言ってたのに・・・ウソやったん?」「いや確かにシャープで勤めてたんやけど理由があって辞めたんや」「会社ってそんなに簡単に入ったり辞めたり出来るもんなん?」「俺はちょっと特別なんや」「またウソばっかりゆうて」
それ以上は面倒くさいからもう話はしない。散髪屋でも髪型以外の話はしないでマンガを読む。最近ではハサミを調達して鏡を見ながら自分で切る。近所の人からは家でパソコンをしていたら何か金になると思われている。ネット民からはプロゲーマーだと思われて集団ストーカー被害にあう。
全部誤解なんだけど、自分がついている嘘もある。だけど、それを本当にあらためたところで長話になって意味がわからなくて余計に信じてもらえない。世の中の仕事というと信用は大切だから、いままで勤めた付き合いのある会社でなく、地域の人とか新しく会う人と何から話し始めたら良いだろう。ブログのせいなのか、それとも今までの立ち振舞のせいなのか、自分にまつわる良くない噂はたくさんある。
それならいっそ、親に甘えてニートをしていて今から頑張ろうと思いますって物語のほうが田舎では受け入れられやすいのかなとね。