物置からフールのぬいぐるみが出てきたよ!

タロットカードを題材にキャラクター化したマジカルドロップってゲームの「フール」のぬいぐるみ。
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タロットカードの大アルカナの「フール」は愚者と訳されて浜辺で危険な状態にあるのに呑気で気付いていない王子の絵。
子供の頃から風邪を引きやすく花粉症でもあった俺は鼻垂れで遊び仲間からよく「アホやなぁ」と言われた。まあ、学校での成績は良かったし関西ではアホは褒め言葉やと言うもので、アホだと言われて怒るほうがアホだとその頃は信じていたが、インターネットで関西と関東の情報が行き来するようになって、関東の人がオフ会とかで関西に来て「アホ」と言うと本当にアホなのかなという話になってアホと言われることを嫌うようになった。それから「アホは褒め言葉やという言葉を真に受けてアホと言われて喜んでいるのが本当のアホだ」という自説を展開するようになった。
まあ、厳密には「アホと言われても学校の成績は良い」という自信の後ろ盾がなくなったのも大きい。名のある大学ではなくコンピュータの専門学校に進み、高校まではエリートコースだったのにアホがいっぱいいる世界とはこういうものかと当時は思った。しかし、勉強以外の能力に気付き出したのもこのあたり。ペーパーテストの資格試験には通っても、いざゲームプログラムの実技となると先生のレベルも低く「ゲームってこんなものちゃうの?」とビジュアルベーシックで絵を動かすだけで授業が終わってしまい、先輩の作品で一番良いものでも市販のゲームには到底敵わない。しかもそういう人はほとんど独学で就職までのモラトリアムとして専門学校で制作への2年を確保する。
就職してから学歴差別を味わった。スーツを来て大阪のビル街を歩いている様はどう見ても大学を出て内定をもらったエリートのようだが、付き合いだした人に専門卒であることを正直に打ち明けると大学を出て就職活動をする以外に就職する手立てがあるなんて信じられないとか、何か裏のある仕事をしているのではないかとか、俺が何か秘密を隠していて自分もそれを知れば居酒屋のバイトからサラリーマンに成り上がれるのではないかとか、自分は大学を出て就職が叶わなかったのに専門卒がのうのうとスーツで威張っているとか、まあ人によって様々だが、企業が求人で大卒以上を基本としている中で例外的に専門卒で働いている俺は雇用者側から差別を受けた感じはしないのだが、学歴社会を信じていて自分たちが幸福に成れないのは学歴がないからだと責任放棄している人から受ける学歴差別の実態はいよいよ深刻で、その頃には俺のことを「アホ」と呼ぶ人などいなかった。それでも賢いとか偉いと言われても自分の学歴にコンプレックスを抱えた状態では素直には心に届かず、何か空々しかった。
それからも10年以上色々あったが、自分が子供部屋として使っていた今では物置になっている部屋からフールのぬいぐるみを見つけてきて、あのころはこのぬいぐるみを愛おしく思っていたなと思いだそうとするが、どこかそれは決別したい過去のようにも思える。
俺の人生には色々の紆余曲折が有り、それによって得た経験に価値を感じられず、最初から高校までを進学ではなくパソコンの勉強に当てて今だから分かる最短距離を過去の自分に与えてやりたい気持ちになった。
政治家が選挙制になっている現在にはプロレスラー出身の参議院議員などもいて学歴のみで役職が順繰りに決まる封建社会のような状態では無いことが明白だが、そういう分かりやすい構造ではなく各々の能力を他人がどう評価して関係を結び、モノや現金の交換を行う時に相場価格以外にどのような価値があるかを見極めて特をする能力というのは勉強以上に難しく、少なくとも算数くらいは出来ないと上手く渡り歩くのは難しいのではないかと思える。学歴社会というのは概念自体が単純で理解しやすいから、現実を見ないで分かりやすいモデルに自分を当てはめることで安易に理解した気分になっていることが問題だとは思うんだけど、ネコ抱いて鼻垂れてた過去を持つやつがそんな事を今になって言い始めてもなぁ、聞くやついるのか?という気分ではある。