ウィザーズオブコーストはカードショップにどのように勝っているか

俺の宝物のひとつにMTGの「闘争の学び手」という騎士のカードがある。
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宝物と言ってもすごく高価なわけでもないし出せば必ず勝てるほど強いわけでもない。
「カードゲームはカネや!」と思っている人は発売時にどのカードも平均20円位で手に入ることを知るや知らずや、デッキを揃えて遊べる状態になるまでにひとり最低1000円かかることを考えるとトランプ、将棋、麻雀などと比べてどうなのか。麻雀牌は結構高いおもちゃだが、マジックザギャザリングを千円ずつ勝って遊ぶなら、4人で1000円ずつ賭けて麻雀すると勝ちは4000円なので結構高い。
しかし、世の中にはもっとおぞましい商売があって、絶版のカードを1枚7000円とかで売っている店がある。これは単に店が儲けるためと言うか普通に遊んでいれば多種多様のデッキという個人の持ち物が出来るわけだが、勝っている人を後追いするために真似してカードを単品で求めようとするとビックリするような値段にして脅かしてやろうという作戦かもしれない。それにかかる人も稀に居て、大会優勝者の経営するカードショップで懸命に働いて貯めたカネを単品カードにつぎこんで同じようなデッキ同士で争っている店もある。
まあ、元々20円のカードだからそんな事をされたら、同じ手は諦めて他の手で勝てないかと考えてしまうから、どうしても二匹目のドジョウが釣れないのかも知れないが、二匹目を釣ろうとする人が100人位いたら釣れる人は1人だけ。諦めるのも手ではある。
では、その後追い戦略が似たようなものでお手頃価格だったらどうだろう。ウィザーズオブコースト社というカードゲームの制作会社は大会があるたびに参加者全員に自分のデッキをシートに記入させて、大会中に勝手にデッキを変えたり反則カードが入っていないかチェックするのだが、このシートは単に反則のチェクだけでなくログとして活用されている。
大会があって優勝者が独創的なデッキを組み上げた場合に、新しいセットで新品として何となく前のセットの独創賞みたいなデッキに似たようなカードが入ったエントリーセットが発売される。その額なんと60枚で980円なのだ!
俺もカウンターバーンがエントリーセットに選ばれたことがあって、奈良の子どもたちが発売日に「ミヤザワさんのデッキ売ってる!」と喜んでいた時は嬉しかった。大会の時に自分のデッキを真似た相手とミラーマッチをするのは腹が立つけど、自分のデッキと良く似たへなちょこで子供同士が遊んでいるのを見るのは楽しいものだ。この儲け方はカードショップでなく出版社の印刷力が無いと真似できない。
既に印刷されたカードを売り買いするだけの商売はそのあたりが限界だな。ブックオフでも日本じゃ株式会社の大企業なんだけど。そしてこの闘争の学び手が入ったエントリーセット大和小泉ミドリ電化MTGの取扱を始めた時に入荷されたものをいの一番に買ったものなんだよね。俺んちの近所は商店街で俺がMTG始めた時はカードパックを剥いて高い値段でバラ売りする悪徳中古ショップしか無かったから、電気屋さんが安心価格で新品を売ってくれるようになって、これで楽しく遊べる相手が増えそうだってワクワクしたもんだよ。


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