格闘ゲームの「間合い」とは

太極拳で「気を練る」技があるんだけど、手品師の手付きで占い師が水晶玉を撫でるように手をそこに球があるかのように撫でる手つきを繰り返すと、何もない空に球があるかのように錯覚してしまう。

これと格闘ゲームの極まった対戦は似ていて、ジャンケン的な一触即発に踏み込む前の動きがあって、東京で対戦をしている人がそれを見て「演舞」とヒトコトで終えてしまったのだけど、ゲーム理論的には無意味でもキャラクターのアニメーションで見せている画面としては「そこに何かがある」ように見える動きが関西の極まった対戦。

だから、そういう風に動きあっている状態をギャンブル性の高い技でアニメーションを楽しまずにぶっ壊してしまう攻め方と守り方はつまらないんだよね。それをつまらないと感じるのはあくまで俺の主観だから、ルールで禁止にしたいってのは筋が違う。そういう事が分からずに「ダメな動きだからそれをすると上手くならない」みたいに言ってた時期もあるので、それについては今は譲歩できる。

それで、ストIII3rdでリュウケン戦をやっていて、中足払いでの間合いのはかり合いでリュウ側が中足灼熱と中足大竜巻のノーゲージ安定コンボがあって、ケン側は中足立ちくらい反撃迅雷と中足波動ヒット確認迅雷があって、リュウが先に中足を空振ってしまうとケンの中足が確定するのでケン中足にリュウのミスが画面に出ているとヒット確認より早いタイミングで迅雷が確定する中足迅雷があって、それは結局お互いに確定反撃が怖いから控える大足払いでも同じことで、確定要素がないのに大足払いを振っていると飛び込みが刺さってコンボで半分持って行かれる。

このへん、気をつけている人は自分からは中足までしか振らず、下手な中足には大足でお釣りを入れ、それを見てお釣りでない大足をぶっ放していると飛び込で終わってしまう。大足ぶっぱするくらい甘いと判じる前に飛び込むと空中ブロを仕込んでジャンプしてもジャブで落として仕切り直しになるんだけど、空中ブロと対空ブロの合意が成立する前にジャブ対空をするとジャンプ強キックをモロに受けてやはりコンボで死ぬ。

そして、両者文句なしになるまで探り合いをしているさまが、まるで2人のキャラで気を練っているが如しなんだよな。本当に水晶玉にあたる読み合いや駆け引きがあるかどうかは分からないけど、同じ動きをなぞっていると、そこにそれがあるように見える。そして実際に対戦をすると、なぞっているだけか本当にそれを破るとどうなるかを知っているかが分かる。俺なりの実技試験があるんだよな。

そこの基準が他人に示せないと「ミヤザワさんに気に入られてるかどうかでしょ」となってしまうから、俺がどう考えているかはずっと形にしたいと思ってたけど、言葉にするとこういうことなんですよ。それを傍から見て、暴れん坊将軍がスタントマンに文句を言っているように見えてしまったというのは残念。