ラクの範囲内で趣味を楽しむ

コンピュータ将棋研究は今も続いていますが、情報処理学会での組織的な研究は既に打ち切られています。プロに勝ったのだから成果としては充分であるという理由で。

自費研究なら勝手にやればいいのですが、税金などの公費での研究となると組織に関わる人全ての合意または多数決が一般的です。

これは会社でも同じことで平社員のうちは趣味が将棋でも格闘ゲームでもカードゲームでも「変わった人」で済むのですが、母体が大きくなって出世するとなると、その人が組織にどんな影響を与えてくれるかという意味で、会社のお金をゲームに使ってよいのかという問題が出てきます。

実はこれは家族におけるお父さんの趣味でも同じことが言えるのではないでしょうか。

ゲーム研究をしていると言っても、俺は親父つまりお爺ちゃん。いやまだ独身なので親父で良いんですが「メシだぞー」と呼ばれるとゲームのネット対戦の途中でもゴメンナサイの顔アイコンを出して電源ぶち切ってメシに降ります。(2階から)

ウェブ広告の仕事にしても、俺は個人でGoogleと契約して小遣い程度の収入を得ているだけなのですが、同業者からあんまり抜きん出た仕事をされると他が陳腐に見えてしまうので足並み揃えてやってほしい、あちらも楽したいという話はゆるく伝わってきます。収入の少ないウェブ広告業界で毎日更新と言うだけでそれに手一杯の人が悲鳴を上げました。

これを受け、ある方面では若者のお金の使いみちとして自己投資に当て、もっと自分の仕事を頑張るべきだという意見と、稼いだお金を貯めたりセコセコと暮らすことでフルタイム月給制ではなく契約単価の人は労働時間を減らすことが出来るという両方の意見を自分なりに考えてみました。

趣味でお金儲けでない人が無料でサービスを提供してそれでお金を稼いでいる人を負かしてしまうというのは違法ではありませんが、もし企業がやったら独占禁止法に引っかかります。頑張っても成果が出ないという人は、これと同じ状況にハマっている可能性があります。

何かの仕事について、趣味に打ち込み、それをやがて本業にしたいというのは自由ですが、いつか本業にしたいからと言っても元の本業の稼ぎを帳消しにする形で価格競争を仕掛けても、本業が圧迫されて未来の本業となる副業を業界ごと潰してしまう格好になるのです。

だから、趣味を本業にしたいなら、どこかで元の本業をやめて次の仕事に転職すべきだし、それが叶わないレベルであるとか転職先が見つからないのなら、そこを努力でこじ開けようとはせずに、自分の今の仕事との付き合い方をゆるくして趣味の範囲で楽しいことだけやれば良いのかなと思うようになりました。

誰からも求められていないとは言わないものの、それで食うには至らない。それが俺とゲームの距離感です。だから頑張りすぎないでラクの範囲で楽しんでいるんです。