もう入れ歯の爺さんになって死ぬのかと思うと

先日に虫歯の被せ物が取れて尖った歯が舌にあたり食べにくいわ痛いわで。その後に歯医者さんから虫歯で無い方の歯を抜いて入れ歯にする必要があると脅された。歯医者さんにかかるのは数年ぶりで、前に治療を受けた時「抜きましょう」と言われて予約の日を先に伸ばしてもらって行くのをやめて心を入れ替えて歯磨きに専念した。

なんでも歯医者というのは診療点数の報酬の問題で、言い値でお金を取れるわけでなく削って埋めたり抜いて入れ歯を出すと儲かるらしい。俺の奥歯は治療後だらけだが、実は初期虫歯がフッ素入りの歯磨き粉で治ることを読書で知った。

それを歯医者さんに聞いてみたら怒られた。余計なことも言った。「コーラは歯を溶かすからやめたほうがいい」「じゃあ歯を抜いてコーラに漬けておいたら溶けてなくなるんですか?」「生意気だ、もう見てやらない。あのなあ、フッ素で虫歯を治そうと思ったら20分は磨き続けないといけないぞ」そこで隣で聞いていた若い女の歯科衛生士さんが「20分磨いたら治るんですか?」「まあ、治るかもな」「じゃあ私それくらい磨きます」と言って、歯ブラシで歯を磨いてくれた。診察料は300円くらいだった。

歯科衛生士さんがきれいな人だったので、何度か定期検診と称して通ったが、だんだんと自分で歯磨きする習慣が見について虫歯にはならなくなった。

それがあるとき奥歯がジンジン痛んでレントゲンを撮ってもらうと歯周病とのことだった。どうしても痛くて、年末正月あたりだったので救急の歯科に行って麻酔を打って抜いてもらうことになった。

虫歯にはならないが歯周病はどうなのかと思って最初の歯医者さんに久しぶりに行くと、先生が院長先生になって若い先生が診療していた。たぶん息子だろうと他で聞いた。色々と説明を受けて、ゆくゆくは10万くらいかかる手術を受けるか抜いて入れ歯にするしか無いですねと言われた時に別の人になっていたけど歯科衛生士さんが歯を磨いてくれた。「もう虫歯の心配はいらないから今後は歯茎から血が出ても歯の根元を磨いてください」院長先生「ミヤザワくん、歯磨きだけで大丈夫やで」若先生「・・・!院長先生!」院長先生は黙っていなくなった。

そして先日被せ物が取れたところは院長先生に昔に削って埋めてもらった歯だけど、被せ物の下で元の歯が虫歯になって弱り折れてしまったのだ。「めちゃめちゃ食べるのしんどいので何とかしてもらえませんか?やっぱ抜かないとダメですか?」「ああ、何とかしますよ」わりと大雑把に思えるが応急処置で被せ物の下にあった元の歯の虫歯を削り樹脂か何かの被せ物をしてもらった。削り残しがもしあったら、また被せ物の下が虫歯になるのかなと思った。

食べることが不自由になって、咀嚼不足で飲み込んだから胃が悪くなり、熱が出たり噛み方が変わったせいでいつもと反対の右肩に肩こりが来たり、色々とこのまま爺さんになるのかななどと思うと、またストリートファイターがしたくなった。

実際にはしなかったのだが、ストリートファイターに必勝法はなくギャンブルであると言いながら、ギャンブルがギャンブルになるほど複雑なルールを飲み込んできた自分の歴史を少し振り返った。

まず波動拳昇龍拳と飛び込みコンボのジャンケンだと後に熟考して悟ったわけだが、ゲーセンに台が置いてあって初めて100円入れて遊ぶ時には完全なブラックボックスなわけだから、そこですぐに負かす雷電のような難しいシューティングではなく、適当に技を出しても当たってレバーを後ろに引けばガードでほぼ無敵になる簡単な取っ付き易いゲームだから数あるゲームの中で引き込まれて行ったのだよな。

もうストリートファイターは台がなくても頭の中で出来る。その時点で妄想とか幻視という病気のようなものかも知れないなと思う。俺は精神病院でも病気と判定されておクスリをもらっているが、カウンセリングを繰り返す中で先生にストリートファイターや麻雀のことを聞いてもらうと幾分ラクになった感覚があった。

それ以前にもそんなことどうせ言っても仕方ないとパチスロを打ったりするとか将棋のコンピュータのプログラムを組んでいるとか話したが、先生は病人の言うことだから分かってくれないだろうなと思っていたし、分かってくれなかった。

まあ、奥歯を救急で抜いてもらった時も情緒不安定になったが、それから残った歯で食べるのに慣れた。今度もそうかもな。ただ、なんかストリートファイターって結局なんだったんだろう、もっと凄い攻略法は編み出せないものかと考えながら近所の自動販売機でコーラを買って飲んだ。コーラも随分と久しぶりである。