俺が戦っている相手は格闘ゲームより犯罪者心理なんだろうな

またカプエス2をやりだした。P草薙京・ガイル・ロレントというチームで動画を撮ってYouTubeにアップして満足したのだが、その後に東京の大会でC草薙京・ガイル・ロレントで出場した人の記録があり、俺から見た順序では俺がそのキャラを研究して動画にしてアップして、視聴者数こそ少ないが、その見た人の中からその動画をもとに大会で同じ動きをして目立ちに行った人がいる。

あるいは、その人は俺がそのチームに落ち着く前から草薙京・ガイル・ロレントであったと主張するかも知れない。俺はそれを打ち崩す証拠は持っていないが、西日暮里の大会にその人が出る以前にはそのチームで出ている人はいない。

俺は普段PS2でひとりで研究しているが、27年前の14歳から16年前の25歳までの11年間はゲーセンで格闘ゲームをやりこんでいた。デビューは中学2年で学ランを来て暴走族とか土建屋のオッサンとかがたむろする中で言い方は色々あると思うが月並みに言うと「可愛がられていた」だと思う。お爺ちゃんから学食代と言って毎日学食代より少し多めに小遣いをもらって、主に釣り銭や時には食事を抜いたりしてゲームに当てていた。

そういう中で最初はワイガヤやっていたが、やがて得体の知れない同士ではあるがゲーセンでゲーム代がない時に隅っこにたまってつるむようになり、ゲームについて文句の言い合いをした。ジャンプ攻撃やしゃがみ小キックからの投げ技は反則であるとか、強すぎるキャラは取ってはいけないとか、こちらが勝っていても色々と不利な条件を飲まされて、またやることになる。理不尽に思ったこともあるが、ひょろい中学生と土建屋のようなオッサンである。ストリートファイターでは勝てても路地裏の他に人気のないゲーセンでこちらが従わないというわけにも行かない。家に帰ると受験でファミコンを取り上げられ、引き出しのゲームボーイも取り上げられ、何の逃げ場もない勉強部屋に親の監視である。帰るよりは不利な条件でストリートファイターをするほうがマシだと思っていた。

俺はどんな不利な条件でも飲んで勝っていった。そうすると、しだいに口論となり、俺は「ルールを飲んで勝ったんだ!」とすごんだところで「お前今ルールって言ったな。よし、ルールでええやろ麻雀教えたるわ。ウチ来いや」と車に乗せられて夜更けに寺のようなところに連れて行かれた。

麻雀は学校の同級生と1回やったことがあるだけで、何連チャンも続く徹マンチョンボも含めて1000点50円で3万円の借金ができた。「貸しといたるわ。お前、3万の借金やからな」

俺はあんな奴らに借りなんて作りたくないと思って、お爺ちゃんから3万円を無心して次の日にすぐ返そうとした「こっわ!そんなカネどうしてん?」「おい怖いってトミーこのカネやるわ」と言って土建屋のTという男は寺の子供というTダッシュに3万円を渡した。めちゃめちゃ弱そうな虚弱体質の小学生に見えるTダッシュがボーッとして3万円を握っていると俺はお爺ちゃんから無心した後ろめたさが勝ち「返せ!」と言ってその3万円をふたたび取り上げた。TとTダッシュは「うわー!強盗や!おまわりさーん」とやや小声ではやしてて、それから煙を巻くようにいなくなった。

実はその虚弱体質のTダッシュは背が低くヒョロい病気で小学生ではなく結構な歳で麻雀の腕も相当なものであるが、ファミコンショップや玩具屋で子供のふりをして遊んでいる。

その話はそこまでで置いておいて、俺がルールだと思っているのはその当時に土建屋から飲まされた理不尽なものであるが、そのゲーセンに何年も通ううちに中学高校の後輩や他所の学校の子供も来ていて、いつの間にか暗黙の本当のルールになっていた。

強いやつがいると聞いて遠方から地元に遠征に来るやつも居たが、ルールを飲む派と問答無用派がいて、ルールを飲まずに勝っても集まった誰しもが「あんなん反則やん」と言って輪から追い出して強いのを認めなかった。

つまるところ俺はゲームで勝つことで早く大人に認めて欲しかったわけだが、そのためにルールを飲む必要があり、ルール無用で勝ったところで誰にも相手にはされないから、どうしても実際に殴られたわけではないものの無言の圧力に屈して考え方がねじ曲がっていったんだと今から思い返している。

結局16年前の25歳でサラリーマン3年目にして貯金もできて会社員という身分になった俺は久しぶりに地元のゲーセンでやるとメチャ強くなっていたのだが台の反対側で「ちょ、この人めっちゃ強いって誰なん誰なん?」とTの声がして「ミヤザワさんじゃないっすかね?」「うそやん!ミヤザワがこんな上手いわけないって!絶対別の人やって!」と言ってから、ひょっと覗くとみな帰ってしまって、どこからともなく現れた別の人が俺と全く同じチームで同キャラ戦を挑んできた。

俺はTさんが認めてくれていないと思いショックを受けたが、これがもしTの誤解ではなく俺を不安にさせるための芝居と取り巻きの罠だったと思えば辻褄が合う。

結局、そのチームを被せてきた別の人はそのチームで名が知られるようになり、俺はまた別にひとりでゲームを研究して、ある時に昔の同級生からベロベロに酔っているところを見つけられ「おお、ミヤザワやんけゲーセン行こうぜ」と誘われて車に乗せられ、深夜営業のグレーなゲーセンで昔の自分のチームと今のチームでゲームをさせられた。

結果、最後には俺が勝ったのだが、そうするとまた大を囲んでいた中にTがいて文句を言い始めた。俺も酔った勢いもあって「Tさん、あんたはいったい俺のなんなんすか?」と絡み返した。関西弁の意味を分かりやすくすると、いったい俺とどういう関係性を持った間柄ですか?という意味である。もう友達でも先輩でも無いと思っている。

そのまま無言でTはいなくなり、俺は大阪に引っ越したが、病気になって帰ってきた田舎町はやっぱりTの仕切っていた愚連隊が残っているように思えるんだ。

まあ、この文章の内容だけでは爺さんのカネを無心した俺だけが犯罪者であるように書いているが、俺は相手にも何かあるのではと思っている。実際に麻雀は賭博なので勝ち負けにかかわらず参加者全員犯罪になるのだが、それ以上の何かがありながら刑法というルールを上手くくぐり抜けるすべもまた相手は持っているかも知れない。

どうして俺がこんな目に合わされるのかと理不尽に思うよりは近ごろはT達は何を企んでいるのかというところが知りたいが、心に怨恨として残っているだけで実害は説明しづらく、周りからは被害妄想や気の所為ではないかと言われている。