「大局には影響しない」と思われる小技の差の総和が大きな差となる

昨日のストIII3rd

トゥエルブで1人用をクリアするまで。ギルで15回コンティニュー。

シューターは画面と点数を同時に見ながらゲームをするとか、ビデオにとって点数を見るとかして、とかくハイスコアを目指して頑張る人が多くスコアは何よりの指標。

対して、格闘ゲームは体力を見ながらプレイするのが普通なんだろうな。

それ以外に何があるねん?と思われるかも知れないが、ストIIから入った俺としてはザンギエフスクリューパイルドライバーがいくら大ダメージでも待ちガイルに1点も入らない、リュウケンの波動昇竜の鳥かごで相撲取りのエドモンド本田が1点も取れないというような「ハマり」を多数経験していた。

これらはダメージでいうと、数ドットしか削れない波動拳とかソニックブームが主体となっていて、駆け引きの回数とかで行くと、リュウやガイルが何回も何回も読み勝って細い勝ち筋を通しきって勝っているのだが、では本田やザンギエフが上手くなるとなにか出来るのかというと、そのハンデキャップを超えることは難しい。

このことから、ダルシムで伸びる手足やヨガファイヤーで少しずつ減らし、対空は小パンチのチョップで落とし、スーファミ版でダメージのハンデが付けられるようになってもそれでもダルシムザンギのキャラ差は埋まらないと考えていた。そこまで正確で完璧だった。手前味噌だけどさ。

だけど、ゲーム理論で数値でものを考えた時にギル対トゥエルブでダメージ差を見ていると、ギルの攻撃はガードしても削れて、対してトゥエルブの弱攻撃がギルの防御力の高さで削りほどしか減っていない。

ストIIの弾の制圧力は凄まじく、格闘ゲームで近寄って技を出し合う前に離れたところで弾を打たれると100%全ての技が届かないところで勝負が始まって、唯一ジャンプで越せるけど軌道は決まっている。だからジャンプ攻撃をどう落とすかに駆け引きが集約されたんだ。

でもストIII3rdはブロッキングとかハイジャンプがあって、弾の制圧力は低い。そうして接近戦になると、発生の早い弱攻撃が持つ優先度は高い。優先度とは何かと言うと、同時に押した時に速いほうが先に当たって相手の技にこちらの技が当たると、相手の技は消えてしまうから、早い技のほうが機先を制するということ。同時に出した時に優先度の高いほうが勝つというプログラムとは厳密には違うのだが、分かりやすく。

しかし、いくら優先度が高くてもダメージが小さいので、ブロッキングして強攻撃を当ててしまうと1発で取り返せてしまう。その例外がコンボである。

コンボは威力の低い技から始まっていても、割り込みガード不可で一連で一発と考えて良い。トゥエルヴならしゃがみ小キックから小AXEスーパーキャンセルXNDLが繋がってそこそこのダメージとなる。これならギルの技にもダメージ的な期待値で張り合える。

すごく細かいことなのだが、威力差で行くと50倍くらい違うのではないだろうか。

だから、対戦でも小攻撃を何度も当てるより、中攻撃を空振ってスパコンゲージを溜めてスーパーコンボを当てたほうが、小攻撃の威力の総計にスパコンが勝つため、期待値として中攻撃の空振りのほうが勝ってしまうのだ。

もちろん、中攻撃の空振りには距離を開かないと差し返しのリスクは生ずるが、小攻撃を当てに行くのはブロッキングのリスクがあってさらにハイリスク、また下がって空振って画面端に追い込まれても、ストIiと違って鳥かごは無いので画面端リスク自体もそこまで高いわけでもない。

ここらへんのゲーム理論的なアンバランスさがストIII3rdのダメなところだが、反対にアニメの見た目では何を駆け引きしているか分からないので、攻略セオリーとしては暗黙的で悟られづらく価値がある。

俺はここ数年、ジャンケンの必勝法を考えて袋小路に入っていた。しかし、ジャンケンがもし手玉に取られるように負け続けるのでなく、五分五分くらいであるのなら、ジャンケンに1回勝つあたりのダメージを上げていけば必然的に勝者になるはずである。

それで差をつけることだけを考えて、練習していれば、その差を埋めてくる相手というのは自然に減っていくように予測される。真摯に丁寧に。基礎解析のポイントは差に着目すること。どんな小さな差でも差がつくならそれを積み重ねれば有利になる。

ストIIなんて弾ジャンケン。たかがジャンケンだから細かいことは気にせず運否天賦で波動拳昇竜拳か飛び込み三段を狙っていれば勝ったり負けたりする。勝ちにも負けにも必然はなく、どんなテクニックもジャンケンでの勝敗に比べたら微小の差である。

ではジャンケンに必勝法はあるか。考えても見つからない。見つからないならジャンケンがジャンケンである以上その駆け引きでは差が付かず五分になるのではないか。

ならば五分の勝負にテクニックが乗ればジャンケンを繰り返す中でテクニックの分だけは差が開くことになる。大局には影響しないかも知れないが、100回やって勝ち越した方の勝ちとなった時に51対49にするくらいのテクニックなら、あるかもしれない。

それが俺の積み上げてきたストリートファイターの攻略法の最後の項である。

 

キューピー堂のおばちゃんの前で常連客に喧嘩を売られ、5回勝って1回負けたら相手も店も勝った勝ったの大騒ぎで全米チャンプの看板はコケにされて降ろされた。

そのこと自体は後になってからブログを1000記事書いても何も変わらない悔しいままである。本当に、それくらいの差しか付けられない。常勝無敗になりたい。その思いもまた、相変わらずである。ただ、言いようも知れない気の収まりの悪さがいつまでも残る。


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