思い返せば

コンピュータが長方形とか直方体を扱うのに便利とか、方眼に引きやすい。

また、図面を引く時に丸いものとか三角のものを引いていると「もっと真面目にやれ!」と言われて、真面目にやるとはどういうことかと言うと2LDKのマンションとか、既存のありふれた住居の設計図を引くことだったよな。

何故それが真面目かというと、新しくビルを建てるときの空き地とか買収地の大きさに合わせて既存の鋼材で組み立てる上に建設スペースは可能な限り居住空間として活用したい、つまり狭いから詰められるだけ詰めろというような発想からも来ている。

ではどんな時が面白かったかと言うと、ゴシック建築とか、円筒形の建物まあ丸ビルが既にあるけどさ、ああいうのをコンピュータで引けるようにプログラムを組み足すのには夢中になったなぁ。「そんなん作っても誰も使わへんって」言われながら。

何のために使うのか、ということは当時は考えていなかったが、マンションに住んでいたことは部屋でソファでテレビを見るかパソコンするかゲームするか本読むかくらいだった。実家は古い家で内庭があり、子供の頃から坊さんみたいに今でお茶を飲みながら庭をずっと眺めるというような暮らしで、マンションを引き払って実家に戻った時にソファは捨てたけどテレビ・パソコンゲーム機を子供部屋に担ぎ込んで事務用机でクルクル回りながらパソコンで何かしてテレビは付けっぱでマンションのときの生活をそのまま子供部屋でするようになった。

狭いので、最初は嫌だったが、裏の小路まで出て空を見ながらタバコを吸う。引っ越しても、散歩とタバコをする場所はあったほうがいいだろうなと思う。

そもそも、暮らすだけなら狭くてもいいのかもだが、人は健康のために運動が必要だ。マンションに住んで外でジョギングするという生活様式も健康的だが俺は家の敷地の中を何度も往復して運動の代わりとしている。何故なら田舎町では平日から図書館やコンビニまで散歩に出ている男というのはそれだけで不審者の扱いを受けるからだ。

スポーツジムはコンクリート造で殺風景でその中でベルトの上を走ったりするわけだが、あんなものマゾマッチョしか利用しない。だいたい、観光名所というのは宗教建築であるから、建物自体が外観や内装で楽しめて、中を散歩するだけで運動になるような面白い構造はないものかと考え始めると昔に設計事務所でふざけた図面を試行錯誤していたときの楽しさがよみがえってきた。