パチンコで儲けるとはどういうことか

俺はサラリーマンをしながら会社帰りにパチンコをしていた。

だいたい、帰りがけだと朝から並んだり昼に打ったりした人の履歴が残っている。

そのカウンターを見て、確固たるものがあるわけではないが勘で当たりやすい台を良く引いた。

オークワというスーパーの前にあるパチンコ店ではエウレカセブンパチスロ台が新台で交換カウンターの女の子が好みだったので、毎日大当たりを引くまで打って、収支でいうと少し負けていた。

しかし、その女の子がいなくなって、エウレカセブンにも飽きてマクロスフロンティアの1パチを打つようになった。客はおばあちゃんばかり。1000円で飽きるほど打てる。

すると、ある日4パチにエヴァンゲリオンの新台が入って、打ったら4万くらい出た。

それを軍資金にしてまる1日打てば、多分1日遊べるのだが、俺はすぐ疲れるしお金が欲しかったので4万分交換した。

すると翌日、パチンコ屋の近所で放火事件があり、犯人の来ていた服と俺の服が似ていたらしいが、警察がちゃんと調べてくれて冤罪にはならなかった。

それからパチスロ店が閉店して、散歩がてらその周りを調べてみると隠れ家のような教会があった。入ってみるとハングルの聖書が棚に並んでいて、日本語版を借りて読み、賛美歌を聴いてご飯とスープとイカキムチなどのご飯をいただいた。お礼がしたかったが小銭入れしか持っておらず少額の寄付しか出来なかった。教会には二階があり、子供がゲームキューブマリオテニスを対戦しまくっていた。

俺は放火はパチスロ店で俺が4万円を持ち出したことに対する報復かと推理したが、結局何も関係性は分からなかった。教会にはその後も訪ねると、日曜日にしてくださいと追い払われた。

それで何だ、そう、カウンターを見て会社帰りに打っていたもう一方のパチンコ屋だ。

そこで打つようになった俺は少しずつ勝てるようになっていたが、攻めが深くなった。4万出ることがあると分かると3万攻めるときもある。入れたお金がいかように返ってくるか、パチスロ台の攻略に夢中で、お金も少しずつ増えていたが、いつ裏切られて出なくなるのかという恐怖のようなものも背中合わせになった。

心斎橋のアヤリヤという店にふらっと入ると、またエヴァンゲリオンの新台入荷と鉢合わせて、1台打って出ず、2台打って出ず、3台目に席替えしたら10万円分くらいの当たりを引いた。連チャンでまる1日打って増やす感じでなく、1発大当たりで10万くらいの当たりだ。打ち止めを食らって退店させられた。

そういう風にパチスロで勝ちだすと、色々と悪い噂をされているのが小耳に入りだした。

家族からパチスロをやめるように言われ、だけど楽しいし勝っているというと、嘘だと突っぱねられ、どれほど説得しても応じてもらえなかった。

それから結局、俺は貯金ができてパチスロに飽き、台の入れ替えで攻略法が通じなくなったなどの要因もあるのだが、あの時に家族が俺のパチスロ通いを知り、負けているとか中毒になっていて、やめさせるべきだと家族会議が行われたものも放火冤罪では効果がないと分かったパチスロ店の回し者の情報操作だったように思えるんだ。

俺がパチスロにのめるほど、家族とショッピングモールに行ったときのゲーセンの景品がどんどん子供の欲しがるものになって、簡単に取れたりする。だけど、やったことがなくてキャッチャーを悪いものだと思っている人からも店の回し者の泥棒のような奴らだと囁かれるということもあった。

政治的な富の再分配には左の公平分配と右の保守運用で対立軸があるが、賭博というのも富の再分配で、勝者が取る格好となる。そして、真の博徒は勝者総取りのオール・オア・ナッシングでなく、順位ゲームで身代わりのヤギに1位を取らせて憎まれ役とし、自分達は食うに足りるだけ金を取るのである。

4人で麻雀を打って狙って二位を取るというのは非常に難しい。そしてゲームが終わったときに1位の人に大金を払うときはコンチクショーと思うものだし、よほど高いレートで無い限り、働いていて1位をとってもゴルフの参加料にも景品にもならないような額なのである。

パチンコなんて儲かるわけがないと思っている人も打ったことがない人にしたらいるかも知れないが、大抵の流行っているパチンコ屋はちょうど一台だけ台が浮いていて入って打てばビギナーズラックで当たるものなのだ。

だが、それで貯金をするほど勝とうと思うと、引き換えになるものも少なくはない。

何の役にも立たないデジタルの迷路の地図が頭の中に出来上がっていく間に現実社会ではどんどん肩身が狭くなる。これはこれで仕事だなと今では振り返ることが出来る。