病院の待ち合いで週刊文春のコラムを読んで

二者択一なら険しい道を選べ!(伊集院 静)

この大きな文字が目に飛び込んできて、細かい文章は恋愛相談から始まっていて目で追いながらも思考は格闘ゲームの事を考えていたんですよね。

格闘ゲームは三すくみのジャンケン的な要素があり、意思決定が同時で運が絡む。

どう考えても論理的には三すくみになる行動の選び合いなのに勝率の良し悪しは出る。

もちろん、コマンド技も出せない人とプロプレイヤーに差があることは分かるけど、

と、この「分かるけど」がちゃんと合理的に説明できるに至っていなかったんだよね。

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そこで登場するのがストZERO3オリコン界隈のマイナー有名人で格闘ゲーム理論派とされる「志郎」さんの代名詞でもあるコマコンことコマンドスティックPSですよっと。

波動拳と待って昇竜と飛び込み三段のどれがいちばん難しいか、その人がどれをいちばん得意としていて、ここだという勝負どころでどれに賭けやすいか、辛くなった時に気が弱ってどれがいちばん安心できると踏むか、みたいな心理戦はあると思うんですね。

実際、コマコンでそれぞれのコンボをワンボタンにすると本当にジャンケンみたいになる。だから、腕の差として読み合いはもちろんあるけど、大半の人が読み合いだと思っている中で何を読まれているかと言うとコマンドの習熟度の差なんだよね。

そういう意味で「そこでそれは出せないだろう」という「舐め」が強いやつが弱いやつを負かす論理のほとんどで、志郎さんも大会にコマコン持ち込んだわけでなく、体得するまで練習して挑んだわけだから、その強さの秘密は理論による裏打ちというよりは愚直なコマンド練習をして肉体や神経を鍛えた時期があるわけで。

まあ、そう言っちゃってみんなが人間コマンドコントローラーみたいにコマンド練習したら、また振り出しのジャンケンみたいなゲームに戻るとは思うんですけど、習熟度に差がある内から読み合いを考えるよりは、出来ることであるコマンド練習を怠らずにこなすことが確実な上達の道かもしれないですね。

ただ、ほとんどすべての技がワンコマンドで出せるバーチャファイター系でも腕の差はあるみたいで、バーチャ強い人のロジックを習ってカプコンSNK系に持って帰りたいみたいに考えてた時期が俺にもあって、その結果が多分弾ジャンケン理論なんですよね。

それで、バーチャ強い系の人にカプコン系させると、みんな難しくても総合威力が高いトッププレイヤのキャラを丸々かぶせて選ぶんですよ。その姿勢。あのキャラは誰それさんが使ってて自分にはそれは超えられないから誰も使ってない別のキャラのトップを目指そうみたいな逃げ腰の心細さがひそむカプコン2Dファンに多い発想が無い。

おさらいすると、「二者択一なら険しい道を選べ!(伊集院 静)」です。


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