ハムとちくわときゅうりのQちゃん

手の甲に出た湿疹がなかなか自然回復せず、重病のサインではないかと皮膚科で見てもらって、結果フルメタ軟膏というのを処方してもらう。病院は予約制で週刊文春を数ページ読むと順番が回ってきたが、JR駅前の医療ビルが合体したテナントひとかたまりに薬局で処方を受け付けているので待ち合いが広くて混んでいる。でも薬剤師さんもいっぱいいるので、思ったほどの待ち時間ではなかった。

せっかくJRまで歩いてきたのでハーベスでお昼ご飯を買ったのだが、いつもインスタントとか店屋物なので、食材を買って料理でもと思いハムとちくわとQちゃんを買う。何を作る気だ!ごはん炊いてすぐ食べれるものばかり。300円なので、弁当でも良かったかと少し悩みながら家路につく。

いつも弁当なので、たまには「ごはんのおかわり」がしてみたくなった。

俺は子供の頃からよくゲーセンに行っていたからゲーセン常連の友達がいっぱいいたのだが、仲良くなってウチに招いたらよく親父にどこの誰かも分からないようなやつを家に入れるなと怒られた。そしてみな、クチを揃えて「こんなにお金あんの?」という。

そしてあるひとりがお返しに家に招待してくれて、そこで俺ははじめて一戸建てでないマンションの手狭な間取りを知った。「こんなに狭い家なん?」とは言わないが。

また、大阪でバイトをするようになってから阪和線で和歌山方面からゲームのために遊びに来ているグループと交流ができて、そこはどの人もそこそこのお坊ちゃまだったわけだが、あるひとりのお宅でカレーをごちそうになった。うちの食器は今思うと高価なんだろう。皿のフチに模様や花柄などがあしらわれているが、つるぺったんの白いお皿に具のないカレーが盛られて、福神漬でなくきゅうりのQちゃんが添えられていた。

「やっぱQちゃんはウマいねぇ!」

「普通カレーって福神漬合わせない?」

「・・・それは家によるやろう」

そのときQちゃんが気に入った俺は家に変えるとママに

「Qちゃん買ってきて!」

「えっ!Qちゃんなんか食べたいの?」

「高いの?」

「安いわよ!」

そして白いご飯をQちゃんでパクパク食べるとお婆ちゃんが

「Qちゃんなんか美味しいかぁ?私ちゃんと家でお漬物してるのに・・・」

今となってはお先に行ったおばあちゃんには念仏を上げるくらいしかすることがない。