今日のヴァンパイア(デミトリでクリア)

昨日のビシャモンでのクリアスコアがセーブされておらずオプションのオートセーブをオンにしないとダメなのに気付く。またやり直しかぁ。

ヴァンパイアは近所のゲーセン「アイ・オー」ではそこまで流行らず、その原因は俺のひとり勝ちであったが、JRでいうと法隆寺か王寺あたりの「遊々」では流行っていたらしく、アイ・オーにたまに来る強い人も遊々の常連であったことなど、数年後に続編であるヴァンパイアハンターの遠征で長瀬UFOで出会った人が自分と同じく奈良県出身であったことからさかのぼって分かったことだ。

「なんだ家近いじゃん」となって、その今村フェリシアのお宅に招待してもらうと彼以外の家族は表に出ず、玄関から締め切った中を彼の部屋まで案内されるというちょっと自分の今までの家族ぐるみの付き合いと違う泥棒にでも入るかのような感覚で、招待された先は学習机と業務用のゲーセン筐体を部屋に搬入してドカンと置いてある風変わりな部屋であった。いや台がなければ普通の部屋だが筐体あるのが異様。

そこで主に遊んだのはヴァンパイアハンターであったが、ヴァンパイア基盤も所有していて、あとはミンキーモモのLDとスーファミドラクエIII風来のシレンを箱にしまって大切に保管してあるところに好感を持った。俺のゲームの扱いはぞんざいだったと反省しながら。

知識としては攻略本を何冊も読んでいる分だけ俺のほうがあったのだが、実際にそれをゲーム台で実験するのは初めてだった。俺はというとスーファミネオジオ格闘ゲームの実験をするのが大好きで、コンボ以外にも俗に「ネタ」と呼ばれる豆知識をたくさん持っていた。今から思うと戦い方の組み立てなど、みな下手だったのだけどネタを丁寧に練習して実践することで、ゲーム中に色々の場面に出くわすたび、その状況でのコンボが1発づつ増えて、それに成長のような喜びがあったことは間違いない。

対して、いまPS2のヴァンパイアでやっていることは色々と袋小路の感がある。当時は新しかったゲームで新ネタもどんどん見つかったけど、東京の秋葉原系ヲタクにやり尽くされた古いゲームをゲーム理論であらためて煮詰め直すわけだから、コンボが伸びるというような目に見える形での伸びしろはほとんどなく、運に思えるゲームの成り行きに狙い目を持った作戦を打ち立てていけるかという話になる。

コンピュータ将棋や麻雀を自作した時もそうだったが、コンピュータの得意な面を表に出せるように人間が工夫して、コンピュータと名人戦のような勝負をするのがひとつの目標だ。おおよそ、勝ち負けで言うとコンピュータの弱点を突くべきなのであるが、角不成でコンピュータ投了のような本当に隙だけ突いた攻略ではその点に時事性があったとしても、ゲームの面白さの本質を味わえているとは言い難い。

いや本質って何よ?よく分からん言葉を使うなぁと思われるかもだが、まさにその究明のために研究しているに等しい。人が勝てばコンピュータを応援してコンピュータが勝てば人を応援するゲームのバランシングアクトのような行為がシーソーゲームの楽しさの真髄であろう。

まあ、言うとするとヴァンパイアのプログラマーは遊ぶ人がどうすると考えて相手キャラの動きを作ったのだろうかということを遊びながら逆読みするのが面白いというか。ヴァンパイアセイヴァーの頃には既にスタッフが入れ替わり、制作サイドに潜り込んだ友人からは「会社の人ゲームしないからゲームする人の意見も聞きたい、聞けて面白かったと言われた」と聞いて「何だそれ?」と思ったわけだが、原作のヴァンパイアのコンピュータロジックを作った人間がゲームについて考えていないわけがない。

ストIIやヴァンパイアはゲームクリエイターの中でも偏ったヲタクなスタッフが内部にいて、仕込んだゲーム。俺がゲーム業界でプログラマーをした時も、既に過去作品が人気面でも版権面でも絶対的な支配力を持っていて、リメイク以外に斜め上を行く企画を打って超えてやるという野心も最後まで作り上げる実行力もあるようには見えなかったし、俺自身のその心意気も目指していたポジションに就けた安心感で削がれていた。

まあ、色々と足りないものはあるが暇は出来たので、まずは過去作研究から。簡単には勝たせてもらえないゲームを研究してもっと難しくするなんてのは間口を狭める行為に思われるかもだが、高い目標を失った人の集団が足場を失った砂の山が低くなっていくように人気が無くなるのも摂理としては当然だから、どこかにある高みに臨むのがお金ばらまいてプロゲーマー任せというのでは納得できない俺が自らやるんですよと。

あの頃、なんであんなに楽しかったんだろうって振り返るのはあの頃が良かったからでなく、あの頃の高い目標が今の自分を作ってきたからなんだよね。

ハンターとセイヴァーで同じ映像が簡単な操作で見られるようになって消費されて飽きられたヴァンパイアに原点回帰の意味など個人の経験以上に意味は無いかもだけどさ。

とにかく我を忘れて打ち込める熱狂のようなものは既に無くて「どうしたもんか」と思ってる。

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この頃はコンティニュースコアがリセットされないので、ワンコインでコンティニュースコアを抜くというのが今のひとつの目標ではあるが、こうして見比べると勝利数がWINS 11となっており、元々コンピュータに1回勝つのと対戦で1回勝つのにカウントの差はなかったのだよな。それくらいコンピュータも強かった。

コンピュータ将棋の電王戦以降に人間VSコンピュータは再加熱したが、もともとよほど強い人でないとコンピュータには勝てないもので、人間がとかコンピュータがという話でなく、シーソーの傾きが今どっちで強い方に何人付いて弱い方に何人付く、多い方に付く少ない方に付くという再移動が行われる。そういうことの繰り返しなのだな。


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