リミテッド環境に於ける「当たり」の意味を考える

マジックザギャザリングは競技やゲームとして突き詰めるとつまらない。

しかし、突き詰めるまでの段階で、男の子が夢中になる要素は入っている。

まずMTGはゲームである前にアテモノのパックである。

ゲームのルールを知る前に興味を持って買って、当たっているものの中身に一喜一憂するものだ。その中で、まだルールをほとんど知らないゲームもしたことがない感覚でいうと緑の怪物に大気の精霊や火の玉などは全て当たりに分類される。

これはゲームに熱中して、自分のデッキを強くするためにどんどんカードを買い足して、トーナメントまで出て、いちどは興ざめして、また手持ちのカードでなく持ち物のない状態でその場で開封したカードだけで戦うリミテッドゲームで得た気づきではあるが、なぜリミテッドゲームに再び面白さを見出すかといえば「そのくらいしか買わない」ことを前提に仕組まれたゲームであって、全種のカードを買い揃えて他のマニアと競技として競い合ったり、賞金を目当てにしようというのは恐らく想定外の遊び方だから。

俺はひとたびカードを買いすぎてつまらなくなったが、誰も遊んでくれなくなってから、いろいろな地域のショップを巡ってみた。そうすると、同じようにカードを買いすぎてリミテッドゲームを趣味として、出来るなら手持ちのコレクションをお金で買って欲しいと願っているコレクターの人とたくさん出会った。

そこで考えたことは、もうゲーム会社や店舗の売上とか気にしないで、持っているものだけで何とかリミテッドゲームのような楽しさを追求できないかということ。

ゲーム会社や店舗主体のゲーム大会は、たとえ継続的なファンに向けた企画を打っているとしても、店に参加料を払うか新しいカードまたは買い取りした古い伝説のカードをもう一度買ってもらうしか回しようが無くなっている。

遊ぶのに遊び代を取って相手をしてやろうという出方を取られるなら、ひとりで遊ぶのが得策である。どんな人にも当たった時に嬉しかった、胸の弾んだレアカードがあるはずだ。

それを忘れないように大事にして、どんなゲームがしたかったと思い描いたかを逃さないように捕まえたら、誰もがシラケるデッキではなく、楽しいMTGを在庫カードでも充分に楽しめるはずである。なぜなら、おおよその人はまだMTGでゲームなど一度もしたことが無いのだから。つまらなくなったゲームを楽しむ相手を探したり、人に押し付けるのは無理がある。面白いゲームだから熱中して、自然と相手が出来たのだ。

もし何らかのカードが強すぎてシラケたなら、それで全員をシラケさせて大会主催者から禁止にされてやむなくやめるのでなく、空気を読んで控えておくほうがゲームは長続きする。みんながシラケてしまうまでひとりで夢中になってしまったことへの報いを受けていると思ったほうがいい。

新しいことは何でも、最初は人から新しいと思われるのではなく、何をしたいのか分からないと思われるようだ。

だから俺が最近始めたゲームも「それなんなの」「何がしたいの」「どういう規定に沿ったルールなの」などとせっつかれるが、ただ、子供のように並べて遊んでいる。

だから反対にゲームをしたことがない人から極めて複雑なルールではなく、テーブルに騎士や怪獣並べて殴り合っているんだなと分かるゲームメイクを考えて並べている。

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ありったけのデュアルランドで使いたいカード全部入れる!

白13枚

闘争の学び手(キラレア)

隊商の随員:2

尖兵の精鋭

展望の騎士:3

印象持ちの聖騎士:3

安寧砦の精鋭(白緑ハイブリッド)

平和な心

未達への旅

赤7枚

裂け目の稲妻

電弧の痕跡:2

穿刺破

ヴィテアのとげ刺し

Hammer of Bogardan(ボガーダンの槌の英語版)

炎波のドラゴン

黒2枚

血の復習

グレイブディガー

青1枚

願いのジン

土地17枚

平地:3

氷河の城砦(白青)

秘儀の聖域(白青黒)

陽花弁の木立ち(緑白)

海辺の城塞:4(緑白青)

山・4

黒割れの崖(黒赤)

野蛮な地(黒赤緑)

 

参加の障壁をゆるくするためにデッキは40枚。(基本的にプロ志向の大会は60枚でそれだけ集めるだけでも大変)レギュレーションはタイプ1(ビンテージと呼ぶべきか)禁止カードは試合前に厳格に規定するのではなく、その場で相手と差が付きすぎたら空気を読んで辞める。「そういう事を言うと」などとルールにばかり噛み付く人は遊んでもつまらないのでやめておく。遊んでくれる人と遊ぶ。なにせ、賞金も参加料もないのだから、互いに時間が有意義だったと思えればそれで良い。リベラルってやつだ。

楽しむためには厳格な規定が必要であると考えるなら、既に規定された所定のトーナメントに出たほうが良い。それには参加料は発生するが、景品や賞品も用意されている。

手持ちのカードがゲームに参加できるギリギリであるほど、それが意図的に単品購入などでなくパックから当たったものであるならば、レアリティに応じて「当たり」のカードである意味が強く分かるだろう。

このゲームに参加するなら、例えば店売り価格ではとても少額ではあるが「隊商の随員」と「組み直しの骸骨」のどちらが高価であるかなどを真剣に考え抜くことが出来る。まさにトレーディングカードゲームになるはずである。そういうことに夢中になれる人、ゆるく参加してください。


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