今朝から物置を探したのだがパスポートは見つからず

物置を触るのは叔母さんか姉くらいなので両方に電話で聞くともう十何年と触っていないし、動かしても捨てるということはしていないのでどこかにはあるのではという話だった。

アメリカに持っていった旅行トランクには税関のシールが貼られている。これも証拠。

概要を説明すると17年前に高校時代からのゲーム仲間「井上鉄哉」に格闘ゲームアメリカ遠征に一緒に行かないかと持ちかけられ、招待選手ということでノースウェスト航空の安い便で10万円くらいでアメリカ旅行ができますよと、乗って行ったらイチローのいたシアトルやミネアポリスの夜景をスルーして着いたのが砂漠の真ん中ネブラスカ州。ラスベガスからほど近く

(近いと行っても北海道と沖縄間より遠いかもだが)カジノ場から引き上げられたゲーム台がゴルフセンターの休憩所に並べられたところで30セントほどのメダルでストIII3rdとカプエス2とGGXXとストIIXそれにミズ・パックマンとアステロイドなどの年季物の筐体がゴミのように置かれていて、そこに黒人がたまってストIII3rdの台から流れるヒップホップミュージックにノリノリで遊んでいる、というところだった。

そこで大会があるとネットで情報が流されて北米都市部やフランスに日本からも30名ほどが到着したのだが、街を上げてのイベントというわけでなく現地人のイタズラ書き込みだったようで、ホテル無料もウソで後から料金を請求されたり、会場には呼びつけた10人ほどの黒人以外にはホットドッグ売り場のおっちゃんくらいしか人はなく、近くのショッピングモールに徒歩で移動すると地下鉄のエントランスで不審者扱いされてボディチェックを受け、あまり目的地以外は出歩かないように促された。

なんか思っていた大会のイメージとは違うのだが、ゲームの台と世界から集まったゲーマーで対戦自体は非常に盛り上がった。しかし、マネーマッチというのはひとり参加費10ドル程度を集めて優勝者が総取りというルールなので、都市部で大勢の参加者がいると結構な額になるのだが、カプエス2で30人位のトーナメントで支払われた額は200ドル。メディアで見ていた賞金大会のイメージとは随分と違った様相だった。

後に東寺の賞金大会のビデオをよく見ると、引きのカメラで客とゲーム台が一緒に写っている映像がなく、何かのスポーツ観戦などで客席だけが映っている映像とゲームオタクが台を囲んでゲームしている映像をビデオ編集でつないだ特撮モノの大会動画だったようだ。それが17年前に知った現実。

その動画が世界にばらまかれ、本当に信じたものが少しづつ寄り合いを大きくして、ついには本当に賞金が日本円で50万円出る観客付きの大会が開かれた。

俺は大会で勝ってはいるのだが、その大会自体が撮影会と編集に分けられたトリックであることを17年鑑黙っていたのだ。

だから、渡航履歴などの証拠が揃ったとしても、実際にアメリカで何が起こったかを正確に書き起こすと、何か多くの人が信じているものを打ち壊すことになるのを危惧していた。

まあ、今は物置の探索をしていたら暑いので、秋ごろにまた家探ししようと思っている。

証拠が出てきたら俺の勝ちになるのではなくいつか誰かに話すか、あるいは知っていても墓の中まで持っていかなくてはと思うような出来事がアメリカでいくつかあった。

現地に集まったアメリカ人の白人系とはパールハーバーヒロシマナガサキでのニュークリアボムがどれくらい本当なのかという話になり、現在残っているのは映像だけで、特撮技術を持っている者が映像がどれくらい怖いものかということでワールドウォーIIというものが本当にあったかみたいな話や、あれは本当にアメリカ側がただただ悪かったという謝罪をされたのだが、政治的にはグレーのまま続いている案件をぽっと旅行で行ったひとりの日本人にアメリカのゲームオタクが代表者としてただただ謝るというのもおかしな話で全てパスト、グランドファーザーの時代の出来事じゃないのかいと落ち着かせた。

黒人には英語が分からず、日本語学校に通って日本語が分かる人が集まっていて、アニメやゲームが大好きだったらしく、ただただ一緒に騒いで遊んだ。そこで、ネイティブと移民の紛争の遺恨がまだまだ残っていて「彼奴等(白人)」とは仲良く出来ない、キョウスケはあいつらの言葉が分かるようだから何か言ってくれということで、黒人の何人かはブロック体で英単語を綴ることは出来たようで、ノートを持って筆談しようとしうことになった。

その後にオバマ氏の当選があるわけだが、俺がアメリカに行って帰った後の最大のニュースだった。

そういう国家や人種の垣根が何であり、ストリートファイターIIというゲームでのつながりがコミュニケーションのきっかけを作ってくれて、世界がゆるやかに変わっていくさまを生きている間に体験できたことを思うと、日本に帰った時に雑誌の優勝者が他の名前にすげ替えられていることくらいは小さなことにも思えた。

だがまあ、人間年を食うと細かいことばかり気になるようになる。それは基本的に大問題だったことがある程度年を食うと片付いていて満足しているから小さな不満にフォーカスするようになるからなのだが、いまいちど改めて言うと俺はストIIXの大会は優勝したからな。

ただの待ちガイルでさ。パスポートはあらためて探す。