SFが日本で流行ったのは80年代

中学で同じクラスだったK君は中学で一番変なヤツだった。SFアニメ同好会と言うクラブがあって、どうしてSFとアニメが同じ分類なのかそもそも新入生には謎なのだけれど、ファンタジーも同じ括りに入っていて、接点があった。K君は後に高校でSFアニメ同好会の部長をする。部室でダンジョンズ&ドラゴンズを遊んでいるとサイコロの音がするので「また麻雀をしているのか」と理科の先生が怒りに来たものだ。


銀河英雄伝説が中学のクラスで流行った。流行ったと言っても30人のクラスで5人読んでいたという程度なんだけど、男子がよってたかって美少年の表紙絵のSFを読んでいたと言う現象が今では信じられない。そのなかでK君だけは「ああ、アシモフなんか読んだら面白いと思うよ」と銀河帝国の興亡について語る男だったのだ。


20年の時を経て僕は今アシモフを読んでいる。読んでいるのでござるよ。そういえば近所の本屋のポイントカードなんてあったなと溜めていた分を放出してアシモフを1冊買い(なんという品揃え!ちなみに最寄りの古本屋にはアシモフは1冊も無かった)途中栞をはさんで妄想もしつつ28ページ読んだ。本を読むのは電車で揺られながらが好きなのだけど、部屋でも少しは読む。28ページ読んだ。本の後ろを見ると380ページなので今のペースだと13日で約2週間で1冊読み終わる。速く読める本というのは文字から想像を起こす事が容易いのが条件で、慣れない世界観だと噛み砕いたり想像を起こすのに時間がかかるのでどうしてもゆっくり読む、2度読む、読んで本を閉じて想像するという過程が必要になる。そうでないと言葉を追っているだけだ。皆がそうではないのかもしらんが。


まあ、何に焦らず本がゆっくり読める、続きを読むのが楽しそうだと言う感覚自体が久しぶりで嬉しい。


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