プロデューサーへの道

AKB48のプロデューサー秋元康せんせいをして、またはモーニング娘。つんく先生をみて、音楽プロデューサーは楽しそうだな、やってみたいな、そうなるには作詞家かミュージシャンとして先に大成しなくては、などと妄想していたことがあります。そういう話をしているとAKB48が特撮とコラボしたギンガムチェックのPVが出て、僕がプロデュースするからといって僕のアイドル以外の他の趣味を全部PVに乗せられても!困ったものです。


あれですね、梅田で小さなライブハウスに行ったとき4人組のガールズバンドがMCでプロデューサーの話をしていて、世の中には僕と似たようなヤツがいるものだなと呑気に聴いていました。そんときは知らなかったんだけど、音楽雑誌の端っこに写真を見つけたり、こないだは雑誌の表紙になっていて手に取って読むと大阪城ホールをいっぱいにするライブをしていたりと、テレビ出演無しでここまで行くかと驚きました。そういう順序だった成長を目の前で見て、ちょっと遅ればせながらレコードを買って聴いたみたんですよ。最初は馴染まないなと思った曲もずっとかけてると好きになるし、音楽性志向みたいなものも好きなミュージシャンのアルバム曲を飛ばさず聴いていると好きになる、そんくらいのことじゃないかと思うようになるんですよ。色々の音楽に詳しい人ほど、何を聴いても「こういう風か」で片付ける。若くて色々の事を知らないと自分の知っているモノこそ最高だと思い込んでいるし、雑誌の音楽家インタビュー読んで確信を強めたりするもんで、そしてそういう感性は十代を生きやすいものにするんだと思う。それが十代と言わず一生を共にするようなものだったら、それは音楽プロデューサーより良い夢に浸った人生かもしらんが。


プロデューサーになりたい、というのは何かバンドやアイドルに理想があってそれをプロデュースで実現したいというよりは、色々の事が出来てヒットを自在に操るとはどんなだろうという好奇心のようなものです。あるアマチュアバンドの人とライブのセットリスト(曲順のプログラム)や持ち歌の中からアルバムに収録する曲の話をしたときに、通常版のアルバムよりもベスト盤を買う人が多い日本人の消費動向からすると80年代のシングルアップテンポが2曲でスローバラードが入って退屈な曲が並ぶアルバム構成よりも、ベスト盤的にアップテンポナンバーや踊れる曲を8割くらいにしてそこに1曲のスローナンバーとライブの開幕に焦らす(じらす)感じのインスト曲っていうのでどうだろう、とやってみると、大阪の小さなライブハウスが盛り上がるくらいの仕掛けにはなったんですよ。そこで僕の計算のネタは枯渇したけどね。


でもこのことはネット上では秘密にしてきた。ネットの位置エネルギーからバンドが好きでもないけど何か情報に飢えてる人がクラブに押し寄せると迷惑だろうと思ったから。このブログもアクセスも減ってきたし、今のタイミングならええかなと。こと音楽に関しては耳慣れていると言う事が必要条件で、テレビや有線でかかっているサビがあるから曲に対するとっつきやすさ、足がかりみたいなものができて好きになるんですよね。その他はジャケットの絵が、つまり歌手の見た目が好きだから、その場合は音楽性なんて割とどうでもいいんですよ。


僕の話はいつも穿った角度から始まって子供みたいな素直で当たり前の結論に戻って行くことが多いんですけど、真理って案外そういうもんじゃないかと思うんです。外郎売りの台詞が長いのと同じで嘘で言いくるめてるから複雑になるんですよね。大人になってモノを売るためには嘘を紡いで行くしか無い。子供じみてるんですよ、きっと真実の探求って。ちょっと余談が長くなりましたが、レコードの曲順の話は流行が変わってくると黄金比みたいなものも変わってくるとは思います。でも今はけっこう思い通りに行ってる。


家入レオのプロデューサーがYUI絢香と同じ人なんだってね。


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