ドラクエ制作部2014


ドラクエ制作部は今年も仕事をします。よろしくお願いします。
(制作部と言って分けているけど全部ひとり芝居なんよね)


出来てきたら公開のためにゲームバランス調整せんとなーと考えはじめてます。ランダムマップにするか固定マップでシナリオをまじめに作るか。それともRPGツクール的に作る作業をゲーミフィケーションして公開か。どうしたもんなんすかね。どこまでやるか自分で決めなきゃならん仕事だから妥協を許さないと永遠の未完成になってしまうという。画面は開発中です。


本について、そして俺がドラクエを作り始めるのに15年かかった理由。本を読んで勉強すると賢くなる。福沢諭吉の学問のすゝめだ。簡単に言うと東洋より西洋が進んでいるので西洋の翻訳物を読んでどんどん西洋化しましょうという話だったのではないか。日本の古文を読んで文化が近代化するよしもないのだから。


ドラクエの作り方を中村光一先生に教えてもらえれば俺でもパソコンを持って半年とかからずドラクエが作れたかもしれない。1980年代にはパソコンの専門誌は商品広告が少なく専門的で先進的なライターが多く知見に満ちていた。その時代に雑誌を読んで家にこもってパソコンをしていた人が今のクリエーターだったりする。


俺がパソコンをようやく持った1998年頃にはパソコン雑誌は商品広告のみの薄い本が主流でプログラムの専門誌は高度に尖った幅の狭い内容になり、学校にプログラムを組める先輩はおらず、先生よりすぐに詳しくなってしまっても、そこからゲームを組み上げるために超えなければならないハードル「Windows」があった(どうしてパソコンを便利にするWindowsがゲームを組むハードルになるかは書きたいが別の話だな)


コンピュータの資源はオペレーティングシステムに占有されており、ゲームを作るためにメモリや画面を自由に使うためにはOSにどいてもらわないといけない。そのため学校の最初のプログラムの授業はMS-DOSだし、Windowsプログラムに進んだのは全生徒の1割未満だった。別の話と言って書いてしまったな。


えっと、本の話。


そこまでWindowsを壊すプログラムの本などなかったし、パソコンはWindowsが入っているものしか手に入れられなかったし、DOSコンパイラも手に入らないし、Linuxなんてパソコンに入れたら親にせっかく買ってあげたのに壊したって言われるし、でも俺はパソコンを何に使うってゲームが作りたくて買ったのだ!


ようするにWindowsは画面を全部使って細かい絵をチラチラ動かすインベーダーみたいな使い方を許さないし、そういう人のためと銘打ってリリースされたDirectXも専門性が高すぎてウンザリするものだ。そして、その使い方の「さわり」程度の本しか世の中に無かったし、先生に聞いても先輩に聞いても分からなかったんだ。


えっと、本の話。


そう、本に書いていないけれど、誰か知っている人は世の中にいるからゲームが出るわけで、そういう人が本を書いてくれたらゲーム会社に行かなくともゲームが作れる。それが「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術/セガ・平山尚」という本で、俺はこれを読んだおかげでDirectXの触りしか無い昔の本とプログラマーとしての全経験を駆使して自分で作って行くしか道はない事を悟った。教えてもらったことは「基本的な事のひとつひとつは小さくてとてもゲームに結びつけて考えにくいが、それを鬼のように紡ぎまくってやっと小さなゲームが出来るから、まあ焦らず全部やるまで辛抱しろ」ということだった。


本を手にして5年経つ。専念していたわけではないのが、やっとこ憧れたゲームプログラマーの仕事を始める気合いが入った、ということだ。やるしかないと観念したのだ。すると1週間くらいでだいたい形になった。過ぎてみると「なんで、できなかったんだろう」という感じだ。


それは、ひとえに「これさえ読めば」という本を探していたせいではないかと思う。答えは自分で考えて書いてやらないといけない。


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