心理学は信じないのが普通

倫理や哲学を勉強しているというと歴史や地理を勉強するよりちょっと変わったヤツだろう。俺は変わったヤツなので普通に憧れる時があるが、なぜ普通の人は心理学を学ばないかと言うと、心理学が適用される心理というのは心理学を知らない人だと言うのが前提になっているからで、心理学を知った上でひねくれた行動をするとどうなるんだろうかと考えるくらいの事は心理学を学ぶまえからおぼろげにでも理解しているのが普通なんだ。


もちろん、到底勉強して頼りになるものではないと分かっているから選ばないのだろう。本能ではぶち転がしたいと思うようなヤツでも法があるので本当にぶち転がすと懲役20年になり、そいつがいる事を我慢して暮らすほうが刑務所暮らしよりは幾分マシだろうとか、ブチ転がすなんて怖いと思うからやらないのが普通だ。このへんは動物行動学から人間を観察するというのも、同じことが当てはまるだろう。人間は本能のまま行動するのではなく、理性によって捩じれた行動をする。その動機としての本能はあったとしても、人それぞれが何を考えどういう行動をするのかと言う事に付いて一般論は当てはまらないし、だからこそ歴史や法を学ぶほうが有用だと考える人が多い。


だからおおよそ高校で倫理を取るとか大学で哲学をすると言うのは広く学問全体からすると不安定な領域であって、勉強の甲斐がないと高校生なり大学生なりでも薄々は分かっているのが普通(繰り返し)


そして心理学の餌食になりやすいのは、やはり不勉強な人だろうと考えられる。


だからどうした、と言われるとオチは無い。勉強してみて役に立つシチュエーションを考えたら結局は不勉強なものを知恵で押し負かすと言うのは勉強したほうがどうして良いのかという問題の本質であって、周りのヤツも勉強するから出し抜かれないように自分も勉強して身を守るべしというのが勉強の動機として正しいのではないかと思う。競争あっての勉強。


俺はコンピュータ技師だが、コンピュータに何を問い、そしてその答えは何で、答えさえ奪えれば過程は何でも良いというような発想の人間に答えを盗まれないように、知恵を一問一答のような形で持たない事こそ最高の防御と考えている。ようするに、盗もうにも問いも答えも分からないと言うような状態が理想であり、何か大事なものをコンピュータに預けておくのは得策ではないと考えている。


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