ひとりのために

ユーチューブで弾き語りをやってた時、最初はそういう人自体少なかったのと、著作権付き動画の制限が厳しくてテレビをエンコードしたような本物動画がなかったのが合わさって、曲の名前で検索した人が自分の動画に集まってめbっちゃ下手なのに1万人とか集まったことがあったんよね。

で、まずカネで揉めた。自分のギターではなくバックを作ってもらってカラオケ状態の動画に人が集まるとオケ作った人から「儲かったなら分けろ」となって、儲かってないんですと返しても信じてもらえずとりあえず削除で許してくださいってひとつ消した。

コメント欄も荒れた。本物だと思ってヘッドホンで聞いたら下手くそだった、歌の途中で口に唾がたまって「にちゃっ」て鳴った音が聞こえて反吐が出た、とか、まあ全部分かるから、すいませんと引っ込めた。

そして、アクセス解析が発達して動画のいいねや再生回数だけでなく、平均で何分何秒見られたかと分かるようになってくると、ほとんどの人は数秒で消してることが分かって、自分でもそれが嫌になってついに全部の動画を引っ込めた。

しかし、全部引っ込めると「本物だと思って再生したらカバーだったのが嫌だった。やるならニコニコでやれ」というようなカキコを見つけてニコニコに引っ越すと、まあ見てくれる人はいるもんだ。少ないけど。

でも、最近になってようやく、それでもライブハウスでチケット買い取って自分で売ってるミュージシャンからすると考えられないような数の人がネットなら見てくれる。まあ、チケットはおかね絡むから別問題かもだけどさ。

それで活動も練習もやめちゃって忘れてたところに、アクセス解析の平均値でほぼほぼゼロに思えてた「最後まで聞いてくれた人」がひとりでもいたなら、ああ、それは届いたってことなんだってやっと分かってきたんだ。

いや、最近もう「ゆうめいににゃりたーい」とか言ってないで、本当にひとりのために真面目に何かをするってこと、大事だなって。.rar


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