風来のシレンDSを奇岩谷まで進めて分かったこと

DSのマジコンブームでソフトが無料同然の時期があったけど、3DSでは対策が功を奏したわけではない。それまでの任天堂の戦略が実務用として使われなくなった低スペックマシンでゲーム機を開発し、部品代を安くすることで利益を上げるというものだった。それに対してソニーはプレステを企画したときに実務用でもハイスペックなものを家庭に普及させて販売台数を伸ばすことで大量生産による低コスト化を図った。

この辺の差が3DSの発売で埋まったんだよな。任天堂の新ハードは大体1万円台だったのが3DS発売当時の定価は2万5千円。メモリーカードもデジカメに使うのと同じもの。追随してゲームソフトも大容量でマジコンでコピーしても保存するためのメモリーカードがソフトと同じくらいの価格帯という状況になった。

ファミコンなどの古いゲーム機がパソコンでエミュレーターを使って遊べることはマニアの常識で、WiiWiiUバーチャルコンソールやPSアーカイブスでそんなにマニアックでないゲームする人にも当たり前になってきた。データという無料同然のものをネットで配ってカネを取るという商売に消費者の心理として反発があるのもわかる。

そこで、無料同然と思われている吸い出しデータのファイナルファンタジーVIIをパソコン上で遊んでみたのだけど、CD3枚組は合計して1ギガバイトを超える容量となり、1本ならまあ行けるけど、ソフトをラインナップしようとすると1テラバイトのハードディスクでも増設しようかなと言う気になった。いま実売価格が6000円。

少なくとも1本タダにするのに最安値でハード代60円と1時間くらいはかかる計算になる。

それならモノとしてディスクにデータだけでなくゲームタイトルが印刷されて説明書とケースの付いたプレステの中古ゲームが1円なら、アマゾンで買い漁るのも悪くないかなという考えに至った。2千円以上のお買上げで送料無料の売り文句に釣られてポチポチ押していくと気がついたら4000円ほどになり、近頃のカタログショッピングは送料無料になるギリギリの価格で注文されると赤字になるケースがあるとかなんとか、親父が言ってたのを思い出して送料無料だし支払いを代引きにしてボタンを押した。

そんで、届くまで暫くかかるので風来のシレンDSを奇岩谷まで進めてやめた。その先の瀑布湿原が陰鬱な気持ちになるんだよな。格闘ゲームやシューティングよりRPGのほうが長く遊べるという話は分かるんだが、何も考えずに遊べるゲームが好きだ。広大な世界の旅には時に薄暗く湿った洞窟を抜けなければならない時があり、入り口ではいつも陰鬱になる。それは突破できたらハッピーエンドが待っているのかもだけど、達成感を得るために平凡な日常にわざわざ暗い洞窟に挑むのはな。

そのへんがゲームという括りで同じにされている中で俺が他の人と趣味の合わないポイントなのかなと思ってみた。


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