俺が考えているのは格闘ゲームの中の話でなく

格闘ゲームで相手をして「分からない」と思う相手は大抵仕事も何をしているか分からないし普段の言動も分からない。
ジャンケンのような要素があるけど、大体の人はゲームにまだ慣れておらずリスクの低い行動を積み重ねれば相手が自滅する。いや正確には自滅と言うかこっちが技出して返してる。スキの大きい技を我慢できずに出してしまって反撃で勝つとか、セコい戦い方になる。
おおよそだけど、普通の心理ってのは負けそうになると守りに入る。100円払っているのを失いたくないと思うからだ。だから、家庭用とかでお金をかけないで対戦すると、読めないことが多い。デタラメに動いて何度でもコンティニューすれば良いという考え方の相手と家庭用で何度も相手をするというのは出来ればしたくないことだ。つまり俺は格闘ゲームをお金のためにやっている。決して勝った方にそのまま100円が支払われる賭博のようなものでなく、店に互いに100円を入れ合うだけなのだが、自分が一番強くて有名だったストIIターボの頃は他府県から噂を聞きつけて大和郡山市ストリートファイターの対戦のために訪れる人が多くなり(と言っても数十人だが)ゲームセンターにも新台がどんどん登場して近所の子供も遊びに来るようになり、親父がお役所の人から注文を大量に取っていた。俺のいちばん仲が良かったのは市役所職員の息子である。この相関関係がどうなっているかということは想像におまかせする。
それで儲かったのは両親とくに母親の方だ。俺は爺さんにゲームをする小遣いをせびっていたが、高校を出てからゲームセンターでアルバイトを始めた。それから、バイト代は入ってくるようになってゲームはゲーセンでも少しはするがゲーム機を大量に買うようになった。今から思えばテレビもいっぱい買えばよかったのだが、子供の頃に買ってもらえなかったゲーム機やカセットを部屋にいっぱい置くだけで満足でゲームをどんどん遊んでいたかと言うと割とそうでもなかった。
そして貯金をしてから復学して、就職した途端に親父の役所からの注文がピタッと無くなったらしい。相関関係は知らないが。俺は大阪まで勤めていたので大阪のゲームセンターでゲームをするようになり、その年にプロ野球阪神が優勝した。これも相関関係は知らないが。
それで、大抵の人は何故かもみ手すり手で俺に寄ってくるのだが、なびかない人もいたので俺は後は全国大会優勝でもすれば残りの人もなびくだろうと想像した。しかし、海外のくだらないゲーム大会でひとつ優勝を取ってもなびかない奴はなびかない。何故あいつらだけなびかないんだろうとずっと気にしていたが、そいつらは「ゲームなんて勝っても100円損するだけやん!パチンコやったら勝ったら金儲かんねん!日給40万円でフレックスタイムや!」などと俺に威張りに来ていたな、と思い出して、しばしパチスロが本当に儲かるのかあらためたりもしていた。
そのうちに「パチンコにハマっているらしい」「博打打ちは嫁もらえんわ」などと近所の評判はどんどん悪くなり、格闘ゲームの投げハメ技ではなく本当にハメられたのかもなと考えるようになってきた。
相手は普通の心理をした人ではないと考えるようになってから、色々のことは親切ではなく利があってのことだと考えるようになり、それで新たにすることが読めるようになってきた部分もある。なびかないことに不愉快を感じるよりも、ゲームセンターが流行ることで儲かるマトリックスの中に入れてもらえなかった奴らがなびいていないんだと分かるようになった。
俺は俺でまた新しい儲け方を考えないといけない。単に働いてお給料をもらっても、大盤振る舞いをしていたら貯金は出来ない。貯金しながら景気も良くして回転を良くするというのはつむじ風が竜巻になるような何らかの説明不明なきっかけが必要だと思う。
政府の人が考えてもうまくいかない景気の操作だが、もしかしたら俺でもよく考えて行動を起こせば出来るかもと思っている。しかしそうする場合の原動力は自分自身になるのでしんどい。誰かが景気を良くする役を買ってくれないかと考える、そうさせるのが普通だ。
プロ野球では近頃広島カープが3連勝をするとかしないとか、どこかで誰かが頑張っているんだなと思って聞いている。


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