詰め局面から考えるカルドセプト

久しぶりにカルドセプトDSを出してきてブックを眺めていた。

カルドセプトはコンピュータゲームで相手のロジックもあるのでコンピュータでも出来るゲームだが、ブックを組むのはコンピュータには難しく、ゲームプログラマが組んだブックを組み込まれたものが敵のブックになる。

このため、コンピュータが操るブックは決められたパターンで面の違いで幾通りかはあるが、仮想敵としてコンピュータを相手にするときは相手のブックに対して勝てるように考えれば充分である。

対して対人戦が面白いという意見は人が作るブックに多様性や意外性があるところが面白さだろう。ブックを組む時にあらゆる仮想敵に打ち勝てる万能で常勝無敗になるような最強のブックというのを考えたくなるが、50枚の組み合わせの中には弱点が出来ることが常である。

順列組み合わせで序盤からゲームを組み立てるということは無数の組み合わせを頭に展開することになる。考えても考えても考え尽くして答えに及ぶことはない。

では、近年話題のコンピュータ将棋のようにコンピュータで最強のブックを求めることは出来ないか、と考えた時に何から手を付けたら良いかと考えると、何となく組んだブック同士で対局した時の現局面に対する詰めカルドセプトを解けるかが手がかりになる。

だいたいクリーチャーが大きほうが勝つという理論はコンピュータ戦で序盤の仮想敵に対して侵略で魔力を奪って勝つところが論拠になっている。対して、3DS無印でのスペルの打ち合い理論は後半戦で取って取られてを繰り返すことになるから現魔力が目標に到達した時に守れるように防具をひとつ手札に構えて、後のクリーチャーは守らず魔力特になるスペルの比率を上げるというようなことが基底になっている。

だから多くの構築理論は勝った経験からゲーム終盤に活躍したカードを必ずブックに入れて、それと好相性になってゆくように考えられがちである。それで良いと思う。

ネットで攻略と称していきなり軽い撒きクリ理論を展開するのは将棋を解くのに詰将棋から入るのではなく羽生善治が2六歩から入るか7六歩から入るか10冊論じているのを読むようなものだと思う。それではなかなか簡単な相手にも勝てるようにはならない。

まあ、俺は攻略本ライターでもなければ名人でもないし役職としては個人的に研究と称することで遊んでいるのを隠している趣味研究家であるから、そういうことを責任追及されても辞職して趣味の時間やめますって話にしか出来ないのだが、まあ研究と称するからには歩んできた道があるので、ブログに載せる前に当たり前のことをやって強くなってから最近の論理だけをネットに展開しても普通の人の役には立たない。

そう言っても、やり込んだことを誰かの役に立つようにと願って書き始めたのだから、もういちど歩んできた道を振り返って、初歩的に大きなクリーチャーを集めて侵略で勝つところを基礎として自分の論理を見直せば、組み立ててきた難解な理論を破壊してシンプルで合理性があって理解しやすくて勝てる理論になっていくんじゃないかなと。

まあ、なにか書きたくなったらまた書きます。どうも俺のことを何かで知って詮索してブログを読んで理解できなかったリアル知り合いから「こんな断片的な知識をひけらかされても」と避難されることもあるのだが、ひけらかしたくて書いていることは稀で故障したり買い替えたりするパソコンの中にデータを入れておくよりウェブサーバーの強力なバックアップに期待して、書きあげる途中の工程を全部ネットに晒すことでぽっと出ではなくこんだけ書いて考えたという証拠を残したいみたいな気持ちがあんですよ。

カルドセプトのブックに拠点候補を何種類か混ぜていれるのはゲーム中に相手の手札とマップに配置されたクリーチャーを見てから相手に弱点を握られてもそれを避ける拠点を作れるという終盤の経験をもとに自分の論理が出発していて、そこを説明せずに序盤からゲームを説明しても論理の順序が反対になるから説明がつかないんだということが分かったんですよね。

つまり、最後にどうなって勝ったかという経験の総量と、それにまつわる序盤からの展開が基礎となっているから終盤から考え始めてまだ序盤が完全にこうであるというところまでは綿密に論理が行き届いているわけではない。自分もそうなんです。

中終盤から序盤を考える。いま、そこまで来てます。だけど終盤の説明まだ何もしてないよね、という。終盤に相手が落とせるクリーチャーに投資したらそこを侵略して落とせるというパターンはコンピュータの序盤では起こるんですよ。

対人になるとカウンターアムルやガセアスフォームを手札に持っている相手の拠点は簡単には落とせないから、侵略して逆転を狙うのではなく序盤からの小さいリードを積み重ねで勝負をかける。このあたりがネットで広く知れ渡っている走り理論なんです。

そののち、両者を淘汰するもっと良い戦略に辿り着けそうになっている。それをまとめあげたい。

自分の組み合わせが無限なら敵の組み合わせも無限なので経験則的に理論を組み立ててもそれぞれの体験は異なるわけで、ブレない軸がどのへんにあるかというところを探る上で弱い相手もいて、行き過ぎたイタチごっこで弱者に確実に勝てる侵略ブックを切ってしまうというのは惜しいと考えてるんですよ。

このへんのぐるぐる回る螺旋構造を読み解けるか、俯瞰してループになることを説明して解なしとするか、弱点の総量の差から期待値勝ちを取れるか。


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