高級レストランで上品な女性とテーブルで食事する。
皿に盛られた食事はガンダムのプラモデル。
その頭部をナイフとフォークで切り取って口に運ぶ。
尾頭付きのエビフライの頭を食ったようなバリバリ食感。
プラスチックの味というか無味だけど独特の匂い。
ひとり食べ遅れていつの間にか3人になっている食卓。
カード型の電卓でお会計をしているが皿に残ったガンダム。
目が覚める。
何のメタファーかは何となく分かる。子供の頃の記憶。
親に買ってもらったんだろうな、ガンダムの玩具を口に。
俺の生まれ年とガンダムの放送開始日を考えると幼少期。
玩具はおばあちゃんがダンボールに詰めて隠してしまった。
エビフライのお頭を美味しそうに食べる親が信じられない。
カード型の電卓は不思議なものだった。
俺の持論は格闘ゲームの行き着く先はジャンケンだ。
ジャンケンは運否天賦ではなく心理戦とも捉えられる。
慣れて、拗れて、複雑になった心理は読めるものでないが、
幼子や博打に不慣れな人がルールを覚えて考える順番とか、
とかくゲーセンで待ち構えて初心者を狩る程度なら出来る。
しかし、相手のいないゲームを続けて内向的になった結果、
俺は自分の心理を幼少期まで掘り下げてしまったのだろうな。
まだあの不味いプラスチックの味が脳裏に焼き付いている。