今日のカプエス2(感動のエンディングとは)

ストリートファイターIIのときは中学生でコンピュータ12人抜きで満足していた。

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カプエス2もそれではダメだろうか。

「こんなゲーム簡単だ」とけなされたり「それがどうした」と強がられたり、人間関係がこじれていって「すごいと言わせるための大会」に発展していったんだと振り返るのよね。

そのために俺は同じゲームを20年遊んだ。充実していると思ったこともあるし、虚しくなってゲームでなく可愛い女子とデートしたり出来るかもしれない若い時間を引きこもってゲームに使ったわけで、誰ともなく「俺の人生を返せ!」とやけになったこともある。

しかしまあ、プログラマーという職業も最初は楽しかったが無味に思えたこともあり、ゲームは自分でやめようと思ったらいつでも辞めれるわけで、自分で好んで選んでいるのだ。確かに他者からの「そんなもん」という外圧を跳ね除けたいという欲求が根っこにある以上は他人のことを思ってそれをゲームが上手くなることで何とかしてやろうとか見返してやろうみたいに思ってきたのだが、ゲームをしている人同士では腕やら何やら分かり合えていて、ゲームをしない人にもこの深い楽しみを分かって欲しいと願っている。「そんなの浅い」と跳ね除けられるから「いや深い」とひとりまた掘り下げるのだ。

このゲームに関するこじれは少なくともゲーセンでたまっていた時以上に広報活動をして、多くの方が多かれ少なかれゲームに興味を持ち、ゲームに強いことが社会的な意義を持ち始めているので警戒して牽制として「大したことがない」と跳ね除けようとしてきているのだ。

「馬鹿が勝手に遊んでいる」と思ったら相手にもしない。相手にして攻撃しないと自分たちが危ないと思わせるほどに市民権を得てきている証拠なのだろうと思うようにした。

そう考えると世間体が幾分マシになっているが、そんな俺に昔のゲーム仲間の今村洋祐は「今のミヤザワくんは絶対にドラクエVの最初の村から出られないわ!」と怒られた。何を言っているのか意味不明だろうから補足すると、ドラクエVの最初の村から出るにはある秘密を見つけなければならない。それを見つけた時の子供にしかわからない感動的な台詞にフォーカスする力が無くなって、ゲームで勝った負けた100円得した損したみたいな悪い大人になった、というような意味である。

朝からプリキュアの歌に難しい漢字が使われてふりがなが振られているが小さい文字で読めなかったり、仮面ライダーゼロワンが最終回に近づいて物語があることに気付いたり。毎週何かガチャガチャと騒がしい30分という感じでなく毎回話があって、短い時間でそれが展開されて集中して見ないとすぐにシーンが切り替わって分からなくなる。それに対して大人向けのドラマは進み方が緩慢で映画なら2時間あるしドラマなら1時間で8回なり12回の放送で、同じシーンが繰り返されたり再放送が合ったりもする。

今村くんの心配はよそに久しぶりにDSでドラクエVを遊んでい見た時に、本当に最初の村から出られずにネットで攻略を見て、自分の見落としに気づいた時にはちょっと涙が出た。フォーエバーヤングあの頃の君に在ってフォーエバーヤング今の君に無いものなんて無いさ。

多くの子供向けの作品は大人の社会のおかしさを解く。それは物語の紡ぎ手が大人社会のおかしさに気付きながらも革命をするほどの力を持つことも出来ず、童話にすることで30年とか60年とかをかけて子供の頃からの考え方をあらため、静かに世代交代で社会を変容させることを企てているからだろう。だが後期高齢化社会において多くの大人は老人となってまだまだ存命である。そこで老人たちの社会と対等に戦うために老獪になってゆくというのはミイラ取りがミイラになっているだけの話であり、ただ静かに善行を積んで老いた者が自然に亡くなるのを待つというふうな生き方によるべきなのかも知れないよな。

気の長い話ではある。思い返せばゲームに固執する前にいちど離れて女性に囲まれて酒ばかり飲んでいたこともあったような。そこで「若いものから奪ったはずの富や権力を若いものが何故持っている、コンピュータというやつが儂等の敵なのじゃけしからーん」と色々と叩かれて外を出歩くと怖い目に合うようにされて田舎町に帰ってきたのではなかったか。

そして田舎町にも若い人はいるが社交は年寄り筋に任されていて箱入り娘に育てられているラプンツェルみたいな人がいっぱいいる町だったりするのだ。外の世界は危ない。だけどその危ない外で出来た友達の証とは何だったかと言うとストIIでのつながりだったな。

ただ、俺が周りの大人を何人か敵に回して退治しているさまを見て、俺もまた汚い大人のひとりであると見做している純粋な子供もまだまだ多く、ドラクエ好きな子どもたちから見たら俺はまだ仲間とは見做されていないとも思える。彼等の主戦場はネットゲームで、とても排他的だから。

年寄りも子供にも味方のいない42歳をどう生きてゆくか。ただ、純粋にゲームを楽しみたくてしているのではなく多数決による参政権を持とうとするようなネットゲーマーのやり口にはちょっと賛同しかねるが、それはそれで彼等の戦い方だと納得は行くようになった。


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